概説
漢字表記は『鯖』。サバと言う名称は「小さな歯」と言う意味の古い日本語に由来すると言う説がある。
サバは脂質に、血液中の余分な中性脂肪や悪玉コレステロールを減らすEPA(エイコサペンタエン酸)と神経細胞を活性化させ記憶力や学習能力を向上さるDHA(ドコサヘキサエン酸)を豊富に含んでいる。
食用魚として重要だが、鮮度が落ちるのが異常に早い事でも有名である。またアニサキス等の寄生虫も内蔵に潜伏しており、通常では生で食することは難しい。
サバ食文化
通常はしめサバ(酢漬けて締めたサバ)や干物、塩サバ(塩漬けにしたサバ)にして流通される。
調理法としては焼き鯖(焼き物)、サバ味噌(味噌煮。ショウガとも合う。)がポピュラーであるが、衣をつけて天ぷらや唐揚げにしたり、それに酢やタマネギに漬け込んで作る南蛮漬け、イタリア風でならアクアパッツァ、フランス風でならムニエルと、とにかく色々な調理法で食べてもおいしい魚と言える。また、近年ではミンチにしてハンバーグに調理するといった物もある。
生食される機会は獲れたてのサバを直ぐに食卓に供する事が出来ない限り稀である。また鰹節同様に鯖節というものもある。
トルコではサバを焼いてサンドイッチにする。(バルク・エキメッキ)
かつてイスタンブールには釣ったサバをサンドイッチにしてくれる屋台があった。
なお、サバに寄生するアニサキスは食用酢では死なない。
その為、自家製シメサバなどを作る際は要注意。-18℃で48時間以上の冷凍が必要である。
日本におけるサバ
日本では平安時代から馴染みの深い魚であり、サバの語が含まれる言い回しが現代でも用いられているのはその名残り。
「サバ」に因む言葉の一例
「サバの生き腐れ」(サバの鮮度の落ちが早い事を指す言い回し)
「サバを読む」(年齢を誤魔化す語句。サバが大量に捕れ、且つ鮮度低下が激しい為、漁師や魚屋が碌に数も数えず大急ぎで売りさばいたのが起源と言われる)
「鯖折り」(相撲の技のひとつ。釣り上げたサバの鮮度を保つ為、鰓孔から指を入れ頭部を上方に折り曲げて活け〆にした事に由来する)
日本近海では乱獲のため資源が枯渇しており、サイズの小さな"小サバ"ばかりが漁獲される状態になってしまった。国内市場に出回っているのは、資源管理に成功したノルウェー産が多く、日本産の小サバは中国やアフリカ諸国への輸出に回されている。
主なサバの仲間
サバ属
- マサバ(メイン画像)
- ゴマサバ
- タイセイヨウサバ
グルクマ属
- グルクマ