概要
1916年にイギリス人の画家、ノーマン・ウィルキンソンが発案した。
日本語では「幻惑迷彩」ともよばれる。
迷彩とは本来、周囲に溶け込ませ目立たなくさせるためのものであるが、ダズル迷彩は逆に相手の注意を引き、有効とは思えない迷彩であった。しかし、この迷彩は敵に対して距離・速度・進行方向などを把握し難くさせ、測距儀による観測を妨害することを意図していた。
ただし、有効であったのは第一次世界大戦までであり、第二次世界大戦では航空機による上空からの観測が行われるようになるとその効果は薄くなっていき、更にレーダーが実用化されるとますます衰退していった。
では、現在は完全にダズル迷彩は廃れてしまったのかというと意外なところに使用されており、オーストリアでは自動速度違反取締装置のレーダーがどちらを向いているのか把握しづらくするために装置にダズル迷彩を施している。
他にはライバルチームが細かな車体形状を把握するのを困難にするために、開発中のレーシングカーを公開する際に用いられる場合がある。
縞模様のものが有名だが、対抗色を組み合わせたものであれば原理的には同じ効果が望めるため、チェック柄のものや、従来の迷彩に準じた柄、幾何学文様など様々なパターンが存在する。
版権作品におけるダズル迷彩
「マイティジャック」の「Q」
円谷プロの特撮テレビドラマ「マイティジャック」に登場する、正体不明のテロリスト集団、「Q」の艦船が、ダズル迷彩的なモノトーンのストライプで統一されている。
アニメ作品にて
アニメ作品においてもダズル迷彩を採用したデザインが存在する。
銀河英雄伝説
当アニメはまだ手描きによる制作が主流であった。そん中で黄色に黒という虎模様をした宇宙戦艦が登場。それが自由惑星同盟軍の宇宙戦艦『マウリア』である。初登場時は青色だったが、後に黄色主体の黒迷彩(虎模様)になっていた。
宇宙戦艦ヤマト2199
CGアニメーション技術が発達した事を最大限に利用して、『宇宙戦艦ヤマト』シリーズで初のダズル迷彩を採用。モスグリーンを主体に、白と黒を織り交ぜたダズル迷彩型のガミラス艦艇が登場している。
因みにオリジナル第一作目の企画中には、既に迷彩柄のガミラス戦艦が存在していたものの、制作上の都合で没となった模様。また劇場版『星巡る方舟』でも、ダズル迷彩型の戦闘艦が幾つも登場している。
pixivでは
主にブラウザゲーム『艦隊これくしょん』に登場する榛名改二のイラストにタグが付けられる場合が多い。
これは榛名改二の艤装の砲塔が縞模様のダズル迷彩になっていたことによる。
史実でも燃料不足のため呉軍港で浮き砲台になっていた戦艦榛名は、艦首側の一番・二番砲塔にダズル迷彩を施していた。
また、縞模様から連想され、ダズル迷彩の施された水着や、迷彩風味の縞パンの榛名のイラストも投稿されている。→誘惑迷彩
しかし後に、公式設定で下着にもダズル迷彩が施されていることが判明した。
まさに公式が病気である。
ちなみに駆逐艦睦月と如月も試験的にダズル迷彩を施された時期があったのだが、睦月(艦隊これくしょん)と如月(艦隊これくしょん)には今のところ反映されてない。
前述の2人にもし改二が実装されるならばダズル迷彩をイメージしたデザインになるだろうと予想され、満を持して改二は実装されたのだが、残念ながらダズル迷彩の要素は取り入れられていなかった。
関連タグ
永谷園:2014年にリバプール市の芸術祭のイベントにて対抗色を用いたカラーのダズル迷彩の再現を行ったが、色と柄はお茶漬けのパッケージを連想するものであった。
ダダ:ダズル迷彩的な模様をしている