概要
low visibility、低視認性塗装とも。「現実の戦闘機や軍艦の色」といえばわかりやすいだろう。その地味な見た目通り、被視認性を下げるための暗色や無彩色の塗装である。
ラウンデル(国籍マーク)や部隊章といったものだけでなく、機体表面に描かれている注意書きといったもの低い視認性の塗装で行われている。
意外にも軍用機にロービジ塗装が採用され始めたのは第二次世界大戦終結以降であり、それまではロボットアニメのような派手な色彩や透明な保護膜だけで金属剥き出しのポリッシュド・スキンなどが多数派だった。前者は世界初のエースパイロット「レッドバロン」ことマンフレート・フォン・リヒトホーフェン乗機、後者は日本国民の仇敵こと「超空の要塞」B-29が代表格といえるだろう。特に後者、自分が投下した焼夷弾の照り返しで日本側の狙いがつけやすくなってしまった逸話はポリッシュド・スキンでなければこの事態は多かれ少なかれ軽減されたかもしれない。
ロービジ≠迷彩
記事冒頭で「現実の戦闘機や軍艦の色」と述べたが、同じくそれらで当たり前の迷彩塗装とロービジ塗装は似て非なるものである。一例を挙げると、洋上迷彩は迷彩でありながらロービジの対極にある『ハイビジ塗装』である。遠距離では海に同化して視認しにくいが接近すると逆に非常に目立つ。(ただし専門書などでも「ローヒジ迷彩」と表記されることは頻繁にある。)
創作におけるロービジカラー
リアルロボットアニメなど兵器が物語を左右する世界観では、人型ロボットという一見で架空の兵器とわかる物の「リアル感」を演出するための道具として度々用いられる。
また灰色の渋いカラーリングは人によってはただ地味な色に見えてしまったり背景等に溶け込んで見づらくなってしまうため主役機がロービジ迷彩となることは少ないが、ガンダムシリーズ等にのめり込む人々には人気が高く、Zプラスやグフフライトタイプ(どちらも大気圏内で飛行ができる機体)を筆頭にガンダムシリーズにロービジ機体が多いことからも、色を灰色にするだけで設定を増やせるロービジという概念は設定を作りたい製作者側からも、設定好きなオタクからも人気が高い事がうかがえる。
また現実のロービジと違い、デザインが単調になることを防ぐため濃さの違う灰色や灰色に近い彩度の他の色が差し色として入っていたり、ロービジと同じく灰色に近い(デジタル迷彩の)都市迷彩と組み合わせられたりする。
関連イラスト
そんなわけでロボットアニメの登場メカをロービジカラーリングにしたイラストなどにタグが使用されている。
関連項目
フェイズシフト装甲:ガンダムSEEDシリーズに登場する通電することで色が付き機能を発揮する特殊な装甲で、未通電状態(ディアクティブモード)ではグレー系の色になることから設定的にロービジにし辛い。
ガサラキ:夜の演習場において紺の低視認塗装のされたロボットが行動したために非常に見づらいシーンがあった。