概要
型式番号 | MS-07B3/MS-07B-3(諸説あり) |
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開発 | ジオニック社 |
生産形態 | 量産機 |
全高 | 18.7m |
頭頂高 | 18.2m |
本体重量 | 58.5t |
全備重量 | 77.6t |
出力 | 1,034kw |
推力 | 40,700kg |
搭乗者 | ノリス・パッカード、ランス・ガーフィールド、ジオン軍一般兵 |
機体説明
ジオン地球侵攻の要として投入されたグフだったが、配備が進むにつれ、白兵戦を重視したコンセプトのため攻撃範囲が狭く(近接射程の兵装しかなく中遠距離戦闘への対応が難しい)、左手のフィンガーバルカン化によって逆にMSの優位性である携行武器換装による特性の調整も困難と、運用に不便な点が浮上した。これは、自力で近接格闘に移行するだけの高い機動回避スキルのあるエース級のパイロットでないと真価を発揮できないことを意味し、非常に扱いづらい機体であった。
そこでグフを全面的に見直し、固定武装を廃して射撃武装を着脱式とし、中近距離射撃能力を向上させ汎用性を高めた機体として再設計された機体がグフカスタムである。
開発にはMS-07H-8グフフライトタイプと同じパーツを用いて行われたとも言われ、外観にも共通点が多く見られる。
左手の5連装75mmフィンガーバルカンは通常のマニピュレーターに変更され、前腕部に脱着可能な3連装35mmガトリング砲を装備した。
また、シールドは小型化の上、6銃身75mmガトリング砲を追加したガトリングシールドとすることで中距離の射撃能力を強化するとともに、近接戦闘時には砲を容易に排除できるようにすることで白兵戦能力の低下を補っている。
更にグフの特徴的な装備である右腕のヒートロッドは材質を強化しワイヤー型とすることで小型化し射程距離を延長(最長17.5m)。それに伴い溶断機能を廃して放電のみとし、先端を鈎爪(アンカー)状とした(これらの変更点からヒートワイヤーとも呼ばれる)。
シールド裏には格闘戦用のヒートサーベルが装備されている。これは原型機の高分子化合物で刀身を形成するものとは異なり、最初からある実体剣を加熱するというヒートホークと同じ原理のものになっている。よって発熱させずとも使用可能(というか映像作品では発熱状態で使用された事がない)。
名称
OVA発売当時の正式表記は「MS-07B3 グフ」であり、グフカスタムとは呼ばれていなかった。1998年5月に発売されたMS大全集98にも同様の表記であり、所謂08MS小隊版グフのような扱いに近かった。転機は同年6月に発売された1/144スケールのガンプラで「グフカスタム」という名称が初めて登場した。以降は書籍、ガンプラなど商品ではグフカスタムと表記されるようになる。公式webサイトではグフカスタムとなっているが、一部書籍では「グフ・カスタム」と中黒が付いていることもある。
劇中での活躍
劇中では、ジオン東南アジア方面軍アプサラス基地所属のノリス・パッカード大佐が搭乗し、ヒートワイヤーを用いてジェット・コア・ブースターと空中戦を演じた。
その後病院船となったザンジバル級機動巡洋艦・ケルゲレンの脱出を支援するため、本機を駆って再度出撃。
陸戦型ガンダムと量産型ガンタンク3機ずつを単機で相手にするという不利な戦いであったが、建造物とヒートワイヤーを最大限に利用した立体的な戦法で、瞬く間に量産型ガンタンク2機を撃破。
陸戦型ガンダム2機を手玉に取り、一時はガンダムEz8を戦闘不能に陥らせるなど、圧倒的な強さを見せる。
最終的には再起動したEz8と一騎打ちの状況になり、ビームサーベルの一閃を受けて撃破されるものの、ひきかえにバルカンで最後の量産型ガンタンクを撃破。ケルゲレン脱出の障害となり得る長距離火器を全て沈黙させることには成功した。
その鬼神の如き活躍の描写は作品中でも際立っており、主人公のシローをして「負けた」と言わしめた。
ただしケルゲレンはその後、ギニアス・サハリンが休戦協定を破ったため報復として撃墜されている。
関連動画
その他の作品
第3話に登場。ダブデ級陸上戦艦の護衛に就いていたが、戦闘場所が平原という格闘が自慢の本機には不利な環境だったせいもあってか、地球連邦軍の陸戦強襲型ガンタンクとの戦闘で間合いを詰める事さえできずに撃破された。
- Netflix作品「機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム」
劇中では単に「グフ」と呼ばれ、「グフカスタム」の名称は公式サイトで確認できる
低空でのホバリング飛行が可能なようで、連邦軍の基地に潜入するため同軍士官に扮したイリヤ・ソラリたちの乗った装甲車を数分の間空中から追跡している。
初登場ではガンダムと相対するも見切れた瞬間に首を落とされ、その後は欺瞞作戦をとったソラリに非があるとはいえ味方を撃破しかけるなど多くの登場シーンは見栄えはあるものの手放しに活躍と呼べるものでは無かったが、最終決戦ではジムやガンタンクを相手に面目躍如の大立ち回りを演じる。
因みに2024年7月26日にYouTubeで公開された予告編にはグフカスタムがガンタンクにスライディングしてガトリング胸部に撃ち込んで撃破するシーンは「重力戦線」の撃破シーンに対する意趣返しとしてファンの間で話題になっている。
- ゲーム『機動戦士ガンダム外伝コロニーの落ちた地で』
このゲームに登場しているグフがグフカスタムの両腕を装備している。
- 漫画『ギレン暗殺計画』
少将麾下のエースパイロットであるランス・ガーフィールド中佐が白く塗り替えたグフカスタム、通称「ヴァイス・ローゼ」が登場している。
ランス中佐自身は過去の戦闘で片腕を失っているにもかかわらず、MS戦ではヒートサーベル二刀流というスタイルであり、元来の操縦技術も卓越している事から模擬戦にて当時最新型のザクFZ型を戦闘不能に追い込んでいる。
本機は首都防衛大隊の主力として行動し、ジオン親衛隊所属のエリック・マンスフィールド中佐麾下のMS部隊と交戦。親衛隊のリック・ドム2機を撃破した後ガルバルディαと死闘の末撃破されている。
- 漫画『機動戦士ガンダムMS BOYS -ボクたちのジオン独立戦争-』
「モンゴルの銀狼(ガンロン)」の異名をもつ地球攻撃軍第22MS特務遊撃隊隊長のナランソロンゴ・ボルドバヤル大尉の乗機として登場。
全身が黒で、両肩は銀色に塗り替えられており、ヒート・ナックルとヒート金剛棒という特殊な武器を装備している。
- WEBアニメ『ガンダムブレイカーバトローグ』
赤く塗装した改造ガンプラ『グフクリムゾンカスタム』が登場。
パーソナルカラーが赤をイメージされてかゼハート・ガレットのAIパイロットが使われる。
- ゲーム『モンスターストライク』
11周年記念コラボとしてガンダムシリーズコラボ第2弾の水属性降臨枠として参戦。難易度は「極」である為誰でも攻略が可能。性能面は、アンチダメージウォールとアンチ転送壁の2ギミック対応と友情ブーストとダッシュMのサポートアビリティが付いている。「極」クラス故にレアリティが星5と低めだが、友情コンボにある超強スナイプマシンガンがあり、主に星5制限クエストでサソリ処理として一役買える。降臨面は、第08小隊で唯一の実装キャラ故に残念ながら特殊演出はお預け…と思いきやなんとシロー・アマダのグッジョブを設定するとボス導入時と撃破後で拝めることが出来る。グッジョブが特殊演出の条件の前例は去年の周年記念コラボである東京卍リベンジャーズコラボ以来であり、密かに話題となった。因みに進化前はザクⅡ。
⬇詳しい性能
種族 | ロボット |
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タイプ | バランス |
ボール | 反射 |
アビリティ | アンチダメージウォール/友情ブースト |
ゲージショット | アンチ転送壁/ダッシュM |
ストライクショット | 〈ヒート・サーベル〉スピードとパワーがアップ&停止後に最初にふれた敵にヒート・サーベルで攻撃(12ターン) |
友情コンボ | 超強スナイプマシンガン |