機体説明
地球上におけるモビルスーツの航続距離の短さを克服するため、機体そのものに飛行能力を持たせるべく開発されたグフの試験機。
飛行とはいっても、のちの可変モビルスーツなどのように航空機的な形態をとるわけではなく、脚部に強力な熱核ロケットエンジンを搭載し、大推力により飛翔させるという半ば強引ともいえる手段であった。
1~4号機がグフを改装して作られ、中でも3号機が比較的好調を示した。
テスト開始後まもなく、燃料増加のため背部にドロップタンクを取り付けたH-2型に改修、その後も数回の改良と試行錯誤が繰り返されている。
4号機はさらなる改良を加えたH-4型に改修されている。
固定武装として、両腕共にフィンガーバルカン装備となっているが、あくまで試験機であるため、実戦を想定した武装ではなく、C型系列の展開を見越した試験的な採用と考えられる。
また脚部には180mmロケット砲を左右2門ずつ装備。ふくらはぎにある穴がそれ……なのだが、何故かこの武装は公式の書籍やゲーム作品等では忘れられることが大半。
しかし、総重量80tを越す自重が災いした事と、加えて構造の複雑な新型エンジンのコントロール系統の動作不調、搭載燃料の限界により航続距離が短いなど問題点が多い。
結局はドダイGA爆撃機を利用したドダイYSプランに譲る事となったが、後に飛行を諦め熱核ジェットエンジンに換装しホバーによる滑走を行うことで実用化され、結果的にドムの開発へと繋がる事となる。
しかしながらゲームである機動戦士ガンダムバトルオペレーションやガンダムビルドダイバーズなど派生作品においては普通に飛行能力を有していることも珍しくない。あくまでも派生作品故であるが。
機体データ
型式番号 MS-07H
所属 ジオン公国軍
開発 ジオニック社
生産形態 試作機
全高 19.3m
頭頂高 18.8m
本体重量 63.9t
全備重量 76.6t
出力 1,034kw
推力 50,875kg
センサー有効半径 3600m
装甲材質 超硬スチール合金
武装 75mm5連装フィンガーバルカン×2
180mmロケット砲×4
ジャイアント・バズ
ガンプラ及び立体物
1/144スケールの旧キットでMSV版とZ版が発売されている。
それぞれ成型色(前者が灰色、後者が青)及びパッケージ・説明書が異なっている。
Z版では本編に登場していたジャイアントバズが付属しておらず、装備させるにもジャイアントバズを右の拳ごと移植する改造が必要。
完成品フィギュアとしてはROBOT魂VerANIMEにて2020年11月予約開始2021年4月発送でMSV版がプレミアムバンダイ限定受注品で商品化されている。
ジャイアントバズ及びダブテ級艦載機コミュが付属。脚部180mmロケット砲がインテーク風の解釈がされている。
関連動画
バリエーション
幾つかのバリエーションが存在している。
グフ飛行型 | グフ・ホバータイプ | グフ・フライトタイプ |
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地球連邦軍仕様
TVアニメ『機動戦士Ζガンダム』に登場。
一年戦争後、残存したグフ飛行試験型が地球連邦軍に接収、グリプス戦役では連邦軍の戦力として実戦配備された。
コクピットはリニアシート方式に改装、脚部は熱核ジェットエンジンに換装されており、ジャイアント・バズで武装している。カラーリングは通常のグフより濃い青。
4機がジャブロー防衛の任に就き、基地上の湿地帯やアマゾン川の水上をホバリングで軽快に滑走している姿が目撃されている。バズーカも相まって、およそドム的な運用がなされていた。
関連タグ
グフイグナイテッド……アニメ「機動戦士ガンダムSEEDDESTINY」より。こちらは飛行ユニットを装備し、普通に大気圏内飛行能力を得ただけでなく、型式番号のZGMF-(X)2000が示す通り、宇宙でも運用可能である。