ゼイドラ
ぜいどら
アセム編から登場するヴェイガン製MS。ヴェイガンの地球侵攻軍総司令官に任命されたゼハートの専用機。
Xラウンダー専用機であり、同時期に並行して作られたクロノスとは、共通のフレームを持つ姉妹機にあたる。
実際に、胸部周りはクロノスと共通だが、こちらは全体的に細身で、そのシルエットと赤い機体色によってまったく違う印象を与える。遠距離攻撃に特化した後衛・重装型であるクロノスに対して、こちらは近中距離攻撃に特化した前衛・高機動型として開発されている。
同じくXラウンダー専用機のゼダスRの反応速度ですら対応できない程の力を発揮するようになった、ゼハートの能力にも耐えうるように開発された超高性能機であり、ゼダス系のコンセプトを受け継ぎつつ、高い運動性を持つドラドの設計ノウハウも投入されているのが特徴。
胸部・背部・股関節・太腿・脚と全身にくまなく配置されたスラスターによって、驚異的なまでのスピードを生み出す事が可能で、そのスピードはガンダムAGE-2のGストライダーフォームのスピードをも上回る程である。
従来機と違って可変機構は持たないが、基本性能の高さと共にパイロットであるゼハートの技量と相まって、岩礁宙域を通常のドラドの三倍の速度で突破可能。
また、その凄まじい機動性に耐える為に、その機体構造も極めて堅牢に作られており、ドラドと同じく腕部に電磁装甲ユニットを有し、ドッズライフルに対する防備も万全(流石にハイパードッズライフルは防ぎ切れないので回避している)。
その為、その堅牢な機体そのものも強力な質量武器となり、そのスピードを生かしたキックは凄まじい威力を持つ。
機体色の赤は火星の赤であり、イゼルカントのゼハートに対する期待から、ヴェイガンの地球侵攻軍総司令官専用機としてこのカラーリングが施されたとされる。
- ビームバルカン/ビームサーベル
掌に内蔵されたヴェイガンMS共通の武装。
- ゼイドラガン
ヴェイガンMSとしては初となる携行兵器で、ビームライフルとしての機能に加え、ビームサーベル発振機能も持つ。
- ゼイドラソード
腰部に装備された長大な実体剣。
ビームサーベルを上回る程の切断力を誇る。
- ビームバスター
胸部のクリスタル状ユニットに内蔵された大出力ビームキャノン。
その出力と威力は、通常のビームライフルの二倍もの出力を持つAGE-2の「ハイパードッズライフル」と同等以上である。
完成後は、直ぐにヴェイガンにとって最も厄介なAGEシステム=ガンダムAGE-2を打ち倒す為に出撃する。
岩礁宙域を『通常の三倍』もの速度で突破し、真っ直ぐにディーヴァに接敵してガンダムに一騎打ちを挑んだ。
ゼハートとの戦いに躊躇うアセムを軽々と圧倒し、ゼハートとアセムの間の力の差を見せ付け、ハイパードッズライフルとビームバスターの激突による大爆発すらもものともせず、そのままガンダムに近接戦を挑んで岩礁に蹴り倒した。
そして、機能不全となったAGE-2の首元にサーベルを突き付けながら、「二度と目の前に現れるな」とアセムに忠告するも、結局AGE-2にトドメは刺さずに撤退した。
その後もビッグ・リング攻略戦等に出撃して参戦。
その度に連邦の一般機はおろかアセムのAGE-2を圧倒し、それどころか高レベルXラウンダーであるフリット・アスノの駆るガンダムAGE-1とも互角以上に渡り合い、フリットすらをも驚愕させる程の高い実力を見せつけた。
そして、逆にそのフリットにボコボコにされた、馬鹿兄貴と姉妹機のクロノスを無理矢理連れて帰りもした。
第2部における最終決戦にあたるノートラム攻防戦にも参加する。
ウルフの死を乗り越え、スーパーパイロットへと成長したアセムのAGE-2ダブルバレットに押されるが、ダウネスの地球落下を阻止する為に一時的に協力する事に。
コロニー・デストロイヤーでダウネスの破壊には成功するが、脱出の際に飛んできた破片からAGE-2を庇い大気圏に落ちてしまう。
しかし、ゼハートに希望を見出だしたドール・フロストのゼダスMが盾となり、ゼイドラは大気圏の摩擦によって大破するがゼハートは一命を取り留めた。
劇中では、パイロットのゼハートの腕もあってほぼ全編を通して圧倒的な実力と活躍を見せ、視聴者にも多大な印象を残した機体である。そしてゼイドラ自体が後の時代でもXラウンダー部隊の主力機として通用する程に基本スペックが優秀な機体だった為、第4部の時代でも後継機のジルスベインが開発され運用されている。
第4部に登場するゼイドラの後継機。
ディーン・アノンらXラウンダーの専用機であり、クロノスやゼダスMを思わせる黒をメインに、イエローのアクセントを加えたカラーリングが特徴。
本機はゼイドラのピーキーだった機体性能を扱いやすい方向へと改良を施しつつ、Xラウンダー専用機としての機能を強化している。
武装面でも、Xトランスミッターを装備した事によりビットの使用が可能となり、より幅広い戦法をとれるようになった。
新設されたXラウンダー部隊の主力機として複数機が生産されており、クランシェカスタムやガンダムAGE-2 ダークハウンド、ガンダムAGE-FXらと劇中では戦闘を繰り広げている。
1/144AG、HGGAシリーズでラインナップされている。
プロポーションは良好だが股関節の可動域が狭いのが難点。また他のヴェイガン機のプラモ同様にサーベル等のクリアパーツが付属しない。
クロノスとフレームが共通なので、ファンの間では人気はありながらもAG以外での商品展開がない不遇なクロノスの製作に流用される事もある。