概要
一年戦争後、地球連邦軍が、ビンソン計画に基づきサラミス級巡洋艦を近代化改修した艦艇。
一年戦争後に生き残った艦を改修する形で開発されたが、改修後の設計をベースに新規に建造された艦も存在する(因みに現実の艦艇では、平時にこれほどの改設計を施した場合、既存艦を改修するより新造した方が安くて速い為、同系列の設計でも既存艦は退役させ代艦を新造されてしまう事が多い)。
0083に登場した防空型サラミスの不要なコスト増に繋がる構造変更部分は全てオミットされた上で、戦闘力増加に繋がるポイントに重点的に絞って改設計されている。
最大の特徴として、艦首部にモビルスーツデッキとカタパルトを増設している事が挙げられ、これによってモビルスーツ一個小隊分の戦力を艦載機として搭載可能となっている。MS搭載可能数はGMⅡやハイザック等のサイズなら4機。
第二次ネオ・ジオン抗争では八・八艦隊所属の本級からジェガンタイプが発進しており、新鋭機の運用も可能。
母艦としての能力は一年戦争後期に運用された後期型サラミスよりも高く、モビルスーツの本格的な整備・収容が出来る点が大きく評価されている。
モビルスーツデッキの増設に伴い艦首メガ粒子砲と両舷部ミサイルランチャーが撤去されているが、両舷の艦橋構造体の有った箇所に大型メガ粒子砲を増設し、更に対空防御能力の強化によって単純火力は大幅に増大したと言っても過言ではなく、マゼラン級に代わる主力艦的位置づけと成った。
また、これら改修に伴う速力低下を補うべく、メインエンジンの左右にサブエンジンが増設され、更に艦底部に冷却装置を装備する事でエンジン増設に伴う排熱問題をクリアしている。
就役は一年戦争後にしてデラーズ紛争後であり、グリプス戦役にて本格的に実戦運用されているが、その後も同型艦が長期に運用されており、コスモ・バビロニア戦争やザンスカール戦争に於いての運用(酷使)が確認されている。
これには予算不足の数合わせもあろうが、シンプルで枯れた技術だけで構成されていることから、信頼性は非常に高かったのだろう。
また、ジェガンクラス搭載前提の戦艦級とパーツを共有しマゼラン級以上の大型艦で高コストであろうクラップ級に比べれば、MSが小型化された事によりペイロードにも余裕があり、地域紛争レベルの小競り合いで有れば十分間に合うという判断をしていたとも想定出来る。
特にザンスカール戦争に運用された艦はミノフスキー・クラフトの搭載によって大気圏内での運用が可能と成っている。ビームシールドを搭載した艦もあったという。
U.C.0153年の時代では戦闘艦から宇宙戦艦を地球から宇宙に飛ばす際のタグボート等の様々な任務に対応している。
また、試作機の実験母艦として艦前部を格納庫などへと作り替えたファクトリーベース「アラハス」「アラハスⅡ」や、新設計の艦首にセンサー類を搭載したビッグアイ級情報収集艦など、第二次ネオ・ジオン抗争前後には幾つかの派生型も建造されている。
尚、エゥーゴが運用したサラミス改は緑色。