概要
モビルスーツのフレーム駆動部の可動摩擦面に特殊な磁気コーティングを施すことで摩擦抵抗を減らし、機体駆動時の可動速度を向上させる技術。地球連邦軍のモスク・ハン博士によって理論が確立され、一年戦争後期に於いて実用化された。
連邦軍のモビルスーツはミノフスキー粒子とIフィールドの相互作用を利用したフィールド・モーターによって駆動する為、実質的にフィールド・モーター搭載機に対応した技術となる。
特に一年戦争末期にRX-78ガンダムに採用された例が有名であり、それまで破格の性能で目覚ましい戦果を挙げていた同機が、パイロットであるアムロ・レイのニュータイプ能力の覚醒に伴う劇的な反応速度と操縦技術の成長に追従することができなくなっていったため、急遽導入された。
この際、ブライト・ノアらからは急場しのぎと例えられているが、導入に際してセンサーなど電装品や内蔵部品をマグネットコーティングに対応した物に交換している為、実質的な強化改造とも取れる程の改修が行われている。
結果、マグネットコーティングが施されたガンダムは従来から約30%という大幅な機体レスポンスの向上に成功し更なる戦闘能力を獲得、同技術の有効性を実証した。
同じく一年戦争で採用された機体にEXAMシステム搭載機であるブルーディスティニーシリーズ、ジオン公国軍が開発した試作モビルスーツアクト・ザクが挙げられる。
いずれの機体も高い機動性・運動性を得るに至ってはいるものの、性能がフルに発揮された場合、それに伴うパイロットへの負担も大きく、機体にリミッターがかけられた例も存在する。
一年戦争終結後は技術情報の拡散により、マグネットコーティングはモビルスーツ製造における標準仕様となっていったため相対的に優位性が消滅、特筆されることは無くなっていった。
特にパイロットへの負担は、リニアシートの普及によって大きく軽減したと言える。
また、ムーバブルフレームと併せて可変形モビルスーツの基幹技術にもなった。