CV…山内健嗣
モチーフ:司馬懿+デスティニーガンダム
概要
ラクヨウ・エリア領主董卓プロヴィデンスガンダムに仕える家臣。
かつては諸葛亮フリーダムガンダムと同じく科学者である張角デビルガンダムの弟子だった。つまり諸葛亮の兄弟子である。
主であるはずの董卓も含め、誰に対しても殷懃無礼な物言いで接する。
張角や諸葛亮同様にトリニティに対する知識を持ち黄化トリニティやダークマスクに関わっている。
本性を現すと眼が赤くなり禍々しい文様が浮かぶ。さらに翼をはやして頭に自身の持つエクリプスメモリを指すことで右腕が「淵獄魔掌」という禍々しい形状の篭手に変化し戦うことも可能。
必殺技としてこの淵獄魔掌で敵の周囲の重力を操り、握り潰すように圧殺する「闇潰冥葬」、パルマフィオキーナの様に淵獄魔掌の手のひらから高威力の光線を放つ「殲獄破動」を持つ。
また、他の姿に変身したり、ワープする能力や目を合わせた相手を一時的に洗脳する能力(その際には司馬懿と洗脳相手の眼に一瞬だけ同じ文様が浮かぶ)といった特殊能力を持ちその力で様々な場所で暗躍する。
洗脳能力は作中の描写からすると一方的に言うことを聞かせるわけではなく、一時的に精神に干渉し本人の意思を後押しする形らしくそこに誘導するためか甘言も得意。
諸葛亮に嫉妬を含めた並々ならぬ執着を抱いており、彼と対峙した際には張角が諸葛亮を評価していた事への不満を口にしていた。
『三国創傑伝』
前日譚に当たる『蒼翔記』前半において、張角の弟子として登場。曹操ウイングガンダムが張角に援助することを聞いた際には「面白いことになりそうだ」と呟いていた。呂布シナンジュの攻撃で気絶した曹操が見た過去の夢で、幼い日にトリニティ枯渇の可能性を憂いていた曹操にローブで姿を隠したままその覚悟を後押ししていた。
本編の時期にはラクヨウ領主の董卓プロヴィデンスガンダムに仕える家臣として行動、BUGについて董卓に抗議しにきた曹操に対し、前述の洗脳能力でその場は引き下がらせ、諸葛亮を連れた劉備たちが張角の研究所に訪れたのを物陰に隠れて確認し、BUGをけしかける。
ブルーウィング、レッドタイガー、ドラゴンズウォッチ(劉備一行)が董卓討伐のため同盟を組み、ビクトリータワーへと乗り込んだ際に動揺する董卓にBUG軍団や呂布たちに任せておけばいいと洗脳含めで言いくるめ、変わり果てた張角の元にたどり着いた諸葛亮が師から介錯を頼まれるのを潜んで覗き見ていた。
董卓が倒された後、ラクヨウに貯蔵されていたトリニティが枯渇していた事に絶望していた曹操に「国民をBUGにする事で世界を救え」と洗脳をかけ、彼の配下に収まる。
『蒼翔記』ではこの部分に補強が入り、その場で洗脳は行わず「BUGがトリニティを必要としない生物」である事に有用性を示し、意志を持たない怪物になる事へは「民が持っているのは意志ではなく欲望」と反論し彼に揺さぶりをかけ、荀彧ストライクノワールガンダムが配給に不満を持った民に殺害された事にショックを受けた際に再び民の本質を突き付け、曹操を倒れるほどに追い詰める。その際に曹操の精神に介入したらしいが、虚像のはずの幼い曹操に「お前の言葉なんかなくても自分はこうしただろう。この曹操を操れると思うなよ!」と返され、それに対して驚きつつも面白いと評した。
移動要塞リーブラによる黄化トリニティ拡散を止めるべく劉備たちと別行動をとっていた諸葛亮の元に姿を現し、禍々しい姿へと変身し彼を殺害しようとするもすんでのところで劉備に阻まれ、リーブラ撃墜によって企みが完全に潰えたと見て姿を消した。
実はBUGを生み出す『黄化トリニティ』をキングダムワールドに撒いた張本人。つまりは今作の事態全ての元凶。
一部推測が入るが、張角は『黄化トリニティ』を作り出してしまった際に危険性を察し破棄しようとしたが、それによって発生するBUGに目を付けた司馬懿は、時期は不明だが師匠である張角を『黄化トリニティ』の発生源へと作り変え、その上で董卓に取り入った模様。
ただし董卓に対しては、『焔虎譚』において董卓が内緒でダブデBUGを作っていたことに怒りを覚えており、ラクヨウが攻め込まれた際には曹操に鞍替えしたことから彼には早い段階で見切りをつけていたと考えられる。上述のように『蒼翔記』での曹操の回想シーンの描写から、以前から曹操に目をつけていた可能性もある。
更に曹操たちが初めてBUGと接触した時、感染者となっていた袁紹レッドウォーリアはこの時点から2年前にラクヨウで曹操を襲撃した後、一人になったところで司馬懿が袁紹のそばに姿を現したシーンがあった事から、その後に袁紹を黄化トリニティに感染させ特殊なBUGに作り替えたと思われる。
しかも、曹操が張角を支援すると決めた際、司馬懿が諸葛亮に声をかける前に開いていた画面に描かれているのはBUG化の仕組みによく似ており、この時点からBUGやダークマスクなどの研究を企てていた様子。
『ヒーローズ』
公式サイトで悪の元凶と称され、第1クールOPにて敵ボスのような扱いで存在感を発揮。
前作の舞台であるキングダムワールドから姿を消していたが、様々な国で人を狂わせ邪悪な力をもたらす謎の仮面『ダークマスク』の製作者として、その技術力の高さから劉備たち前作のキャラ達が真っ先に候補に挙げていた。
そしてついに、ムシャワールドにて前作の一件から償いとして司馬懿を追っていた曹操がその後姿を見つける形で再登場、「利休ガンダム」へと姿を変え、信長ガンダムエピオンの部下である光秀をそそのかし謀反を起こさせる。しかし、真の目的は力を欲する信長にダークマスクを与え自分の側に引き入れる事であり、光秀の時と同じく利休の姿で信長の前に現れ、正体を見破られてなお覇道を続けるよう唆し、彼を引き込むことに成功する。
思惑通りに事が運んだ際には用済みになった光秀に対し、かつて星読みで自分の策を破った諸葛亮への皮肉のように「おみくじに頼るようでは天下を取る器ではない」と嘲笑した。そこで佐助デルタガンダムから事情を聴いて駆け付けた曹操と再会、ダークマスクの力を得た信長に圧倒される彼に「諦めた方が宜しいのでは?」と挑発する。
曹操を倒した信長にハロの存在と伝説を都合のいいように歪めて教え、それを集めるように唆し、彼がレジーナワールドに向かった後はナイトワールドのマーリンガンダムに化け、本物のマーリンを排除し成りかわる。
そして、曹操達と別れ再びナイトワールドへ訪れた劉備一行の前に、マーリンガンダムの姿でダークマスクの軍勢を引き連れて現れる。
その際、悟空インパルスガンダムに対して意味ありげな視線を送り、軍勢が倒され姿を消した後で「まだまだ実は青い」と独白していた。ダークマスクに並ぶ切り札の存在を示唆していたが…。
劉備たちがキャメロット城に訪れた際は完全にマーリンを演じてアーサー王の傍に居たが、特に反応はされなかった。(おそらくは演出の都合と思われる)
劉備一行がハロを借りるための交渉中にアーサー王へ劉備との決闘を提案、両者をつぶし合わせようとし、前夜にアーサー王へダークマスクを着けさせようとするが「偽りの力で得るものなど何もない」と断じられその場は引き下がり、翌日の決闘で劉備が力に目覚めかけた事で勝負が引き分けになりかかった時、再び助言の体でダークマスクをアーサー王に渡そうとするが、すでに偽物と気づいていたアーサー王からの命で構えていたロビンに阻まれ城兵に囲まれ、状況が四面楚歌となった事で正体を現す。諸葛亮に目的を問われて、時が満ちれば解ると返し、再び姿を消す。
レジーナワールドでは本来の主が窮奇ストライクフリーダムガンダムである事が判明した。窮奇がクレオパトラキュベレイを利用して奪ったハロをモニュメントの起動装置に填め、他のワールドからハロが集まるのを待っていた。
また、窮奇と三蔵ストライクフリーダムガンダムと同じ惑星出身でもあったことも発覚しており、更には悟空に沙悟浄と猪八戒の力と意識を移植したのも彼であり、使ったのは張角がトリニティを応用して作った技術であった。
レジーナワールドの兵士たちにダークマスクを被せ、各国の英雄たちに相手をさせている間、かつての弟弟子である諸葛亮と対峙、張角の技術を悪用した事と、何故その才能を世のために使わなかった事に怒る彼に「埋もれていた技術を活用しただけ」と嘯き、「(光の道を歩む)お前がいたせいで自分はずっと闇の中だった」と諸葛亮への嫉妬を改めて語り、異空間で決着を付けようとする。
基本的に非戦闘員だった諸葛亮をエクリプスメモリの力で圧倒するが、彼が三蔵と似たバリアを張る力に目覚めた事で逆転、必殺技を押し返される。押し負ける直前、諸葛亮から張角の弟子だった頃から司馬懿を尊敬していた事を涙ながらに告白された事で、望みである「認められたい」が妬んでいた諸葛亮によって当の昔に叶っていた事を知り、敗北を認め空間の出口を作り(諸葛亮は逃げるつもりだと初めは思った)穏やかな顔で諸葛亮に別れを告げ、変化した右腕を残し消えた。
戦いが終わった後、劉備に司馬懿の事を聞かれた諸葛亮は「彼(司馬懿)はもう僕たちの前には現れないよ」と生死があいまいな言葉で答えた。
尚、項の冒頭にある様に第1クールOPではダークマスクを被り凄まじい存在感を放っていたが、何故か第2クールOPでは全くその姿を確認出来なかった。
ヒーローズでのほかの姿
他のワールドでは別の名と姿で行動。デスティニーガンダムのフラッシュエッジ2(ビームブーメラン)にあたるパーツが外され頭部が変わる程度の変化なことからモチーフはデスティニーのままと思われるがこれらの名前には反映されていない。
利休ガンダム
茶人に扮した姿で光秀や信長の前に現れた。
信長は曹操の一件から彼が司馬懿であると見抜きながらも彼の案に乗った。
信長や曹操から司馬懿と判断されても否定しておらず、それ以前に司馬懿の姿で曹操に目撃されていることから特に隠すつもりはなかったのかもしれない。
利休がモチーフになったのは近年の研究から「本能寺の変を起こした黒幕は千利休である説」が持ち上がってきた影響だろう。
マーリンガンダム
CV…志賀克也
アーサーガンダムMk-Ⅲの側近で臆病な性格だが豊富な知識で彼に頼りにされている。
前述の通り彼に化けた司馬懿に成り代わられるが、あらかじめ司馬懿がマーリンに姿を変えていた理由は不明。視聴者からは死亡したと思われていたが、実際は眠らされていただけで生存しており、21話にて無事な姿を見せた。(アーサーに気づかれていなければ)万が一の時には彼に自分がこの国でやった罪を被せるつもりだったのだろうか?
PVなどで登場した際は司馬懿とそっくりだったために視聴者から彼の変装だと思われていたが、結果的にそうなってしまった。
なお、彼が変装した「利休ガンダム」の帽子にはひらがなで「しばい」と読めるような模様が入っていたため、「自己主張しすぎだろ」「隠す気ないだろコイツ」とデザイン的にもツッコミを誘った。一方マーリンガンダムは帽子に「シバイ」と読み取れる模様がありつつもただのそっくりさんだった事から、同じように利休ガンダムも「司馬懿に消されてすり替わられていた一般人だったのでは?」という恐ろしい予想がされていた。さらに利休の件での発言も含めて飛躍して、「『司馬懿デスティニーガンダム』という人物自体が何者かが彼に成り代わっていたモノだったのでは?」という想像もなされていた。
また、マーリンガンダムの格好で諸葛亮たちに出会ったのに、次に出会ったときは司馬懿であることに気づいていなかったため認識自体を誤認させている可能性がある。
モチーフについて
- モチーフになった機体が『ワールドヒーローズ』のキーキャラクター「悟空インパルスガンダム」のモチーフである「インパルスガンダム」と同じパイロットの使用機だったことや両者の中間形態にあたるMSが存在する点から、何かしらの関係があるのでは?と見る視聴者もいる。
- SDガンダムにおいては必ずしもモチーフ元の関係性や作品の立ち位置が引き継がれるわけではないが、ヒーローズでは本作の謎を握る人物の一人で、同じように搭乗者が共通する諸葛亮フリーダムガンダムと三蔵ストライクフリーダムガンダムも関連が疑われている為(悟空と沙悟浄が諸葛亮を三蔵と勘違いする程度だが、後者は窮奇に対しての物だった可能性がある)でもある。
- 一方で、原典ではレジェンドガンダムとは僚機だったが、こちらではシーザーレジェンドガンダムとは敵対の立場、しかも今作のシーザーは完全に正義サイドのキャラクターなので、本来の主人である三蔵に似た人物と共に利用・屈服させている。
- また、ざっくり言うと最終的にデスティニーガンダムと(ミーティア装備状態の)ストライクフリーダムガンダムが敵として立ちはだかった為、同じ作品の主人公の後継機が2機揃ってラスボスになると言う昔であれば絶対にありえないだろうシチュエーションになった。
- 原作の機体的に、劇中では「インパルスガンダムがストライクフリーダムガンダムを倒し、フリーダムガンダムがデスティニーガンダムを倒す」、「デスティニーガンダムの最期がある程度救いがあった物であった事に対し、(倒された方の)ストライクフリーダムガンダムの最期は全く救いの無い物だった」等、とにかく対となる扱いになっている。
余談
『ヒーローズ』にて、光秀をそそのかす際に彼が引いていたおみくじが全てアッグだった事と傍の地蔵に化けていた事から「まさかあれ(おみくじガシャポンの中身)全部アッグにすり替えて用意したのか?」「ずっと地蔵の姿で待ってたのか?」と疑問を抱かれている。
黒幕である窮奇が終盤まで幽閉されていた事が判明した後、アニメ「SDガンダムワールドシリーズ」全体を見ても完全な敵サイドが彼と司馬懿だけだった事から、「司馬懿って創傑伝からヒーローズまで一人で悪事頑張っていたのか?」と社畜並みに働きっぱなしだったらしい司馬懿に同情的な意見が僅かにみられるようになった。
関連タグ
司馬懿サザビー:同じ三国志の人物をモチーフにしたSDガンダムのキャラクター
外部リンク
『SDガンダムワールド ヒーローズ』キャラクター紹介PV「ムシャワールド」編