概要
2013年から発売された『SDガンダム外伝』の新シリーズの事。
既に『コミックボンボン』が廃刊となっている関係でコミカライズやアニメが存在しない上に、カードダス自販機による一般販売が無くプレミアムバンダイ受注限定になっているので、新旧SD外伝のファンでも知っている人は非常に少ないシリーズ。
時系列も行ったり来たりしていることが多く、鑑賞する上では過去のシリーズを知っていることが前提条件となっている。
一応。講談社ポケット百科シリーズから出てる『SDガンダム究極大図鑑 おかわり!』で救世騎士伝承~騎士王物語までの4作のメインとなる登場人物が収録されており、ストーリーもダイジェストで紹介されている。
シリーズ
救世騎士伝承(スダ・ドアカ・ナイト・サーガ/2013年)
ベースとなっているのは『機動戦士ガンダムSEED&DESTINY』『機動戦士ガンダムUC』。
新外伝最終章『鎧闘神戦記』から直に続く物語(『鎧~』はカードダスが途中で打ち切りになった為、ほしの竜一漫画版とは終わり方が異なる)で、『円卓の騎士編』の主人公キングガンダムⅡ世の孫であるブルーナイトとレッドナイトがW主人公となる。
その為旧外伝からは相当時間が経過しているので、子供だったアンポンタンの3人ももう既におじいちゃんという時の移ろいを感じさせる展開となっている。(その間に12回も代替わりしているラクロアもおかしい気がするが)
二人の主人公は勿論キラ・ヤマトとアスラン・ザラの機体がモチーフだが、素体はガンダム5号機とガンダム4号機が元になっている。
EXでは1弾はブリティス公爵ストライクガンダム、2弾4弾は騎士インパルスガンダム、3弾は騎士ユニコーンガンダムが主人公となる。
え? デスティニーガンダム? 悪役。シン・アスカに至っては(ルナマリアや議長は出てるのに)登場しない。こんなところまで不遇なのか…。
現時点では『SDガンダム聖伝』を除き、最後の時系列の作品となる。
新世聖誕伝説(2017年)
ベースとなっているのは『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ』で、前半は『新機動戦記ガンダムW』がメインで『鎧~』と『救世騎士~』の間の時系列が舞台となっている。
第1章は『鎧~』の後日談として開始し、第2章以降は『機甲神伝説』の月光騎士ネオガンダムの過去の話の裏でスダ・ドアカワールドに逃れていた月の民、鉄華団と機甲神伝説で名前だけ登場していた月の悪と呼ばれるジークドミヌスが登場し長きにわたる月光騎士ネオガンダムのストーリーの完結を題材とした物語となる。誰が呼んだか騎士ガンダム補正。
本作では、鉄血の主人公サイドは全員生存している。鉄血モチーフの人間キャラで死んだのは、鉄血本編では死ななかったラスタルだけ(正体は、ジークドミヌスの傀儡で月の裏側に生息するメタルモンスター親バグが放った種である子バグが人間に擬態していた姿)。ギャラルホルン側(厳密にいえば、ギャラルホルンの人々は、過去の月の大戦で一度死んでおりジークドミヌスによって機械人間として蘇っている)のマクギリスやガエリオ等は、ジークドミヌスの呪縛から解放され味方となった。
創世超竜譚(スペリオルサーガ/2019年)
ベースとなっているのは『機動戦士ガンダム00』。サブで『Gのレコンギスタ』。
2章では、スペリオルドラゴン00と覇界神バロックガンとの戦いが書かれている。勇者ガンダム(エクシア)とバロックコア(リボーンズガンダム)との決戦でバロックコアは敗れるが、勇者ガンダム達(グラディエータガンダムエクシア、狩人ケルディムガンダム、龍王アリオス、妖精ナドレ(セラフィムモード))を道連れにバロックガンの故郷であるカッズ・ザルド界へと転送する。そして2章の「次回へ続く」で勇者ガンダムの装備していた電磁スピアが、バロックガンとの決着が付き後のラクロア王国へとなる地面に付き刺さった。
そしてこの電磁スピアは、SD外伝の第1章『ラクロアの勇者』で、目覚めたばかりの騎士ガンダムが地面から抜き取ることとなる。
(現時点では)SD外伝で最も古い時系列の物語。
第3・4章は『黄金神話』と『鎧~』の間が舞台である。
先代のシャッフル騎士団とスペリオルドラゴンが「カッズ・ザルド界に先代のスペリオルドラゴンの勇者ガンダムとバロックガンの核であるバロックコアがいる」とスダ・ドアカ十二神の渦流神ストリームカイザーから聞き、一行はカッズ・ザルド界に向かいバロックコアを信奉する邪教集団ジットと戦う。
メガファウナ団の騎士団長騎士Gセルフと勇者ガンダムが転生した姿の騎士セツナ、そして勇者ガンダムと共にバロックガンと戦ったかつての仲間達の転生した姿が登場し、バロックコアとの決着をつける物語。
ここで主を失ったバロックガンが、オズワルド軍により掘り出され、天使の郷ピースミリオンを襲うこととなる。
「俺がガンダムだ」というネタにされがちなセリフを本当に再現している(まあ、Wや鉄血もそうなったし)。
また期待の新人声優ネタも。
騎士王物語(ガンダムキングストーリー/2020年)
ベースとなっているのは『MSV』であり、人間キャラや悪役は今までスルーされてきたキャラクターやMSの総決算となっている。
キングガンダムⅠ世とそれに使える初代円卓の騎士時代のブリティスが舞台であり、時系列的には第1作『ジークジオン編』より前に当たる。
主な敵は総統の尾と呼ばれる悪の組織で、組織名から想像できる通りのお方がラスボスである。従って、「ガンダムシリーズ最初の悪の総帥が、SD外伝最新作のラスボスのモデル」という奇妙な帰結を辿る事となった。
この物語で円卓は、スダ・ドアカ十二神の渦流神ストリームカイザーとの関連性があった事が明らかになった。
時系列の整理
以下は「『騎士ガンダム』世界の歴史は何となくこんな感じで進んでいるのね」という解説であり、公式の設定というわけでは無い。太字は本項目で紹介した4部作。
- 太古の昔
- 『創世超竜譚』前半
- 騎士ガンダム登場の数十年前
- 『騎士王物語』(この時代のキャラの息子たちが『円卓の騎士』の若き騎士たち)
- 旧章
- 新章
- 新約SDガンダム外伝
- 『新世聖誕伝説』(本作の鉄華団はセレネス難民の子孫にあたる)
- 『救世騎士伝承』(『円卓の騎士』のキャラはみんなおじいちゃんになっている)
- 遠い未来
- 『SDガンダム聖伝』