アクションベース

あくしょんべーす

アクションベースとは、BANDAI SPIRITSが発売するプラモデル用展示スタンドである。プラモデルと同じように組み立てて使用する。

概要

元々BANDAI_SPIRITS(旧：バンダイ)が発売するプラモデルには、基本「HGUC デンドロビウム」のような巨大サイズのモデルにしか台座は付かないものだった。2000年代半ばに入ると「HG105ダガー＋ガンバレル」や「HGUCアッシマー」、「HGグフイグナイテッド」などHG用の台座が付属するガンプラも増えるようになる。

転機が来たのは2006年6月発売の「1/100レジェンドガンダム」で初回生産限定で後の「アクションベース1」となるスタンドが付属したが、この時は単品発売までには至らなかった。

その盲点を狙ってWAVE社が2006年「フライングスタンド」というプラモデル用台座を単品発売する。それに影響されたBANDAI SPIRITSがWAVE社に対抗する形から単品発売したものである。

元々ガンプラは台座に載せて展示する事を考えていなかった構造のため、ジョイントは股間に引っ掛ける形になった。ゼロ年代後半以降のガンプラになると本体側に3mmジョイントの差し込み穴が用意されるか、アクションベース用ジョイントが付属するのが主流となり、今や対応していないものは極小数となっている。

この差し込み穴においても初期は穴を隠すためのカバーが用意されていたが、「HGUCジェガン」からは省略されるようになっていった。

ガンプラ本体だけでなく武器に使う事もある他、巨大な武器を構える時の支えにするようなポージングの補助に使う事も可能。

アクションベース一覧

アクションベース1

2006年12月発売。

MGなど1/100級サイズ用。大型機体の場合は1/144でも採用されることがある。主なカラバリは黒、グレー、クリア。ホワイトやレッド、GN粒子イメージのクリアグリーン(ラメ入り)などもあったが現在入手困難。

上述通り元々は「1/100レジェンドガンダム」に付属していたモデルを単品として発売したもので、説明書でも用途不明となっているBA3-C⑩パーツはこのレジェンドのものである(ただし実は「MGフリーダムガンダム(初代、Ver.RM共に)」とも共通規格)。ネームプレートのBA3-B2④もそのまま付属している。

初期モデルだけあって支柱だけ流用し、「連邦」「ジオン」「ソレスタルビーイング」など土台を変えたモデルも数多く出された。また発売当初はビックカメラなどの家電量販店でMGを複数買うと特典でガンメタリックカラーのものがもらえるキャンペーンも開催されていた。

後述するように同スケール版では改良型の4が発売されているが、デザインの良さや4では出来ない柔軟な動きが出来る点から今もなお1の需要は高い。

アクションベース2

2007年6月発売。

HG・RGの1/144級サイズ用。

主なカラバリは黒やグレー。その他現在入手困難なものにクリアブルーが発売された他、展開時「機動戦士ガンダム00」放送中だったのもあり、GN粒子をイメージしたラメ入りクリアグリーンや疑似太陽炉をイメージしたラメ入りクリアレッドなども発売された。その一方、意外な事に現在入手可能なアクションベースで唯一無色クリアで出ていないシリーズでもある。

1と比べると大分コンパクトな造形だが土台が台形パーツ2つをジョイントでつなぐ形で構成されているため分解しやすく持ち運びに向いていない。また1とは土台の形状が異なるため互換性もない。

さらにジョイント部分の接続が脆弱で、力のかけ具合ではねじ切れてしまう危険性がある。特に可変機をモビルアーマー形態で飾る場合はビス止めされていない部分が下を向いてしまうため、落下しやすいリスクも抱えている。

アクションベース3

2011年3月発売。1/144級サイズ用。

アーム部分はほとんど2からの流用だが、根元のみ専用のものに新造している。

下にポストカード一枚分を飾れるスペースを持つ。

「HGFCマスターガンダム+風雲再起」初回ロットに同ベース対応の直筆カードが付属したり、「RGウイングガンダムゼロ EW」用のオプションセット「セラフィムフェザー」にもアクションベース3本体とともに表裏別イラストのカードが付属した。

現在入手困難。カラバリも黒しかなく、ガンダムベース公式ブログでも説明を省かれるなど黒歴史と化している。

アクションベース4

2017年12月に5と同時発売。1/100級サイズ用。主なカラバリは黒、クリア。

六角形パーツを三つ組み合わせたハニカム状の土台と「く」の字を描いたアームが個性的だが、それぞれ分解してガンプラを2体飾ることも可能となっている。1と違いビス止めを必要としない。

アクションベース5

2017年12月に4と同時発売。1/144級サイズ用。主なカラバリは4同様黒、クリア。

まんま4の1/144対応版と言ったところで、4と共通の六角形パーツ1個が土台となっている。こちらも分解してガンプラを2体飾ることも可能で組み立てにビスは不要。

派生商品に、「ガンダムビルドダイバーズ」の土台パーツのみを変更したダイバーギアがある。

アクションベース6

2022年10月発売。1/144級サイズ用…というよりかはガンプラより小柄で軽量な30ミニッツミッションズ用。一般ではクリアのみの発売。

魂ステージに形状が似ている。上述の理由で支柱に保持力はほぼなく、ガンプラの場合は地に足付けた直立状態で飾るのが基本。

放送時期が近かった「機動戦士ガンダム水星の魔女」版も発売された。また、台座にミラーシールをセットにした仕様も発売予定だが、価格は二倍になっている。

アクションベース7

2024年1月発売。1/144級サイズ用だが、後述の理由で1/100級も軽いものなら対応できる。

6をガンプラの重量に合わせて改良したと言ってもよいモデルで、2セットある上支柱が太くABS樹脂同士を固く嵌め合わせて構成されているため、支柱1本のみの簡易構造ながらも保持力が高く頑丈なのを売りにしている。

その頑丈さは半端なく「νガンダム」や「ジオング」のような大型RGでも難なく保持し、一部MG1/100すら飾ってもびくともしないほどで、購入したモデラーからは800円台なのに2個付いている、台座がスペースを取らない、支柱がシンプルなので目立たない、1/144ならおおよその立体物が単体で対応できるといった汎用性の高さから「アクションベース最高傑作」との声も。数少ない難点は、5以前より使えるジョイントの種類が減っていること。

一般の成形色ではクリアのみの発売。だが、何故かブラックライトを当てると発光する仕様となっている。

発売時期が「機動戦士ガンダムSEEDFREEDOM」公開直前と近かったのもあって偏光樹脂成型のSEED限定モデルが展開されている。こちらもミラーシールセットが発売予定。

アクションベース8

2024年4月発売。1/100級サイズ用。現在クリアのみの発売。

7同様支柱が一本しかなく、保持力をナットとボルトの締め付けで固定するシンプルな構造をしている。またABS樹脂が主流だったこれまでのアクションベースとは異なりより強度があって透明度の高いAS樹脂(SAN)が使用されており、7同様貧弱そうな支柱に反してそれなりに重量のあるMGなども安定して保持が可能となっている。こちらも台座がスペースを取らない点は好評。

ランナーに疑似六角ドライバーとして代用出来るレンチパーツが付属する。このため切り出し以外は工具を必要としないが、素材が異なる点やゲートの太さからパーツの切断には薄刃ニッパー(特にアルティメットニッパー)は推奨されない仕様となっている。

レンチパーツはナット固定のトルク調整(レンチ型のプラの先端が変形したところでピーク)で使い捨てる事前提の設計であるため4個用意されている。しかし注意して締めないとナットの凹面にレンチが埋まったまま千切れてしまう、根本だけ締まりが緩いなどの不具合が一部のモデラーから報告されており、この仕様は賛否両論となっている。

番外

ライトニングベース

2009年12月発売。特に支柱はないが、台座がアクションベース1と連結できるよう共通規格になっている。LED回路とバッテリーボックス入りの台座にモールド入りのアクリルプレートを介し下から発光させる仕組みになっている。本体は全て黒一色だが、LEDのカラバリは赤、青、緑の三種がラインナップされた。現在は生産終了しており入手困難。

しかし2024年にワンダーウェイから発売されたLED内蔵型台座「LEDハンガーベース」が多くのモデラーやフィギュア愛好家から好評を得ている辺りコンセプト自体は悪くなく「出すのが早すぎた商品」とも。