概要
第7回ガンプラバトル選手権に於けるキュベレイパピヨンとのバトルで破損したリカルド・フェリーニのウイングガンダムフェニーチェを全面改修したガンプラ。
「ウイングガンダムに後継機が存在したら」というコンセプトを元に左右非対称だったフェニーチェを左右対称の機体として完成・強化する方向で改造が加えられ、フェニーチェではオミットされていたバード形態への変形機構を復活させた、またフェリーニが使用する事を前提とした調整と塗装を加えた上で完成した。
フェリーニ曰く数日間部屋に篭って作り上げた逸品である事だが、この改造プランはフェリーニが以前より胸に抱いていた物であり、シールドや武装は予め制作されていた為、比較的短期間で形となっている。
その外見はウイングガンダムがデザインの大本にあるにもかかわらず、関節パーツ以外に面影を残さない程に変化し、ガンダムキュリオスやガンダムAGE-2のようなシャープなシルエットを成している。
また、機体の左右対称化に伴いメインカメラもオッドアイではなく左右揃いの緑色になっており、フェイス部もへの字スリットが無いタイプに変更されている。
名称こそ「ガンダムフェニーチェリナーシタ」とあるが、「ウイング」が省かれたことについての詳細な理由(例えばGPベースの登録名として長すぎるゆえの省略なのか、ダブルオーライザーやワグテイルⅡのような事情による省略かなど)は不明。
リナーシタはイタリア語で「復活」「再生」などを意味する。なお、Wとは無関係だが、「機動戦士ガンダムΖΖ」の主人公の妹リィナ・アーシタともかけてるとの説も存在する。
デザインはウイングガンダムフェニーチェに続き海老川兼武による。
実際に販売されるプラモでフェニーチェと完全に共通しているのは前述の通りHGACウイングガンダムの武器・関節に相当するEランナー、エフェクトパーツのIランナー部分のみ。
武装
頭部バルカン/マシンキャノン
頭部と肩部に装備された機関砲。主に牽制などに用いられる。
バスターライフルカスタム
フェニーチェから受け継がれたメイン武装。
バスターライフル自体に変化はないが、下部にマウントされている小型ライフルはハンドガンとビームサーベルを組み合わせた物に改められている。
可変時は上下に分割してから腕部にマウントされる他、非使用時はバックパック中央にマウントする。
小型ライフル(ハンドガン/ビームサーベル)
バスターライフルカスタムの下部に装着される武装。
出力を任意に変更可能なビームサーベルと、ハンドガンへの分割が可能。
ビームサーベルは最大出力時には相手のサーベルごと両断するほどの高出力を発揮する。また、バスターライフル下部に装着した状態で銃剣のように使用できるなど運用の幅も広い。
ビームサーベル
ビームレイピアに代わり装備されている格闘用装備。
サーベル自体の出力は高く、相手を一刀両断するだけの威力を持つ。ウイングガンダムのそれとは違いビーム刃の色はピンク。
非使用時はシールドに内蔵される。
ビームマント
フェニーチェから受け継いだ装備。
基本的な使用方法はフェニーチェと同じだが、フェニーチェが左肩のみに装備していたのとは違い、肩アーマーの左右対称化に伴い、右肩にも増設されている。
リナーシタウイングシールド
フェニーチェでオミットされていたが、変形機構の復活に伴い新造されたシールド。
ウイングガンダムのそれと同様、ビームサーベルを内蔵し変形時は機首も兼ねるが、ウイングのそれと比べ大型化しており、他のパーツ同様シャープなフォルムが特徴。
シールド単体での飛行も可能であり、支援機として偵察などにも使用できる。
ミサイル
劇中未使用。
翼の白いパーツに内蔵されており、主に飛行形態時で使用する。追尾性が高く、使用用途は広い。
バリエーション
ガンダムフェニーチェリナーシタアルバ
フェリーニが、マスターグレード限定エキシビションに参加する為にMGウイングガンダムをベースに、ガンダムフェニーチェリナーシタのコンセプトである「ウイングガンダムの後継機」の側面を突き詰めて完成させたガンプラ。
リナーシタの持つウイングガンダムフェニーチェの要素を削ぐ形で改造されており、肩アーマー、頭部、脚部アンクルガード、爪先等のデザインが異なり、カラーリングもウイングガンダムに通じるトリコロールに改められている。
武装面に関しては、ビームマントがオミットされている以外はリナーシタと変わらないが、1/144スケールより大型の1/100スケールで制作されている為、そのパワーはHGの比ではないが、それ故に目に見えない所まで作りこまれている。
なお、模型雑誌「Hobby Hobby」にこのガンプラが掲載された際には、そのデザインに感銘を受けたメカデザイナーエビカワ・カネタケによって、このガンプラの再現設定画も併せて描かれている。
ガンダムフェニーチェリベルタ
リナーシタの頭部、バックパック、リアスカートを換装した形態。
空戦に対応したバードモードに変形するリナーシタとは違い、メテオホッパーと同等以上の性能を発揮するバイク形態への変形が可能。
バイク形態時は大型のウィングとバックパックからビームタイヤを発生させるが、使い方によっては武器としても威力を発揮する。
パーツ換装によってリナーシタに戻す事も出来る。
外部出演
Gジェネレーションシリーズ
『クロスレイズ』にて参戦。
ガンダムWから鉄血のオルフェンズ月鋼までの全てのステージをクリアするとプレイ可能なファイナルステージで 『全てのガンダムWの機体を倒す』という条件を満たすと隠し機体として登場。
当然リナーシタ形態ゆえに変形も可能。
対の機体はガンダムダブルオースカイ。
入手出来たのならグラハム・エーカーを乗せて思う存分暴れ回らせてあげよう。
立体物
HGBFで発売。上述どおり関節以外ほとんど面影を残してないため、HGACウイングガンダムからは関節フレームしか流用されていない。
その後MGBFでも発売される。こちらもオリジナルのMGからはフレームしか流用されていない。
主役とラスボスポジション以外のキャラで機体がMGBF化したのは他に戦国アストレイ頑駄無しかいないためかなりの高待遇といえる。
また、地味にオリジナルと違って肩部の家紋状パーツのスリットが開口されているという技術の進歩がある(これは後にRGウイングガンダムでも引き継がれた)。
どちらも手首を外す以外は差し替えなしで変形し、ビームマント展開とバスターライフルの組み換えも可能。ただシールドのビームサーベル収納ギミックはHGBFでは省略されている。
その他アルバはMGBF、リベルタはHGBFでそれぞれプレミアムバンダイ限定で立体化している。
なお、アニメはあくまでコックピットが存在しないHG 1/144の使用がルールなので問題ないが、MGの方はガンプラファイターがそのままコックピットに乗る形となっており、オリジナルでは少年サイズの小柄な人間しか乗れない設定のはずのXXXG系のコックピットに明らかに大人で大男のフェリーニがそのまま搭乗しているという矛盾点が出て来ている。