熱可塑性プラスチックの一種。ポリスチレンの強度や耐熱性を改善するために開発された。
ABSとは、構成化合物のアクリロニトリル (Acrylonitrile)、ブタジエン (Butadiene)、スチレン (Styrene)の頭文字をとったもので、アクリロニトリルの耐熱性、機械的強度、耐油性、ブタジエンの持つゴムの特性、耐衝撃性、ポリスチレンの光沢性、加工性、安定性を併せ持つ。
強度・耐衝撃性が高く、染色や表面の印刷・メッキ加工などが容易。射出成形や押出成形、ブロー成形や真空成形、切削など幅広い加工手法が適用できる。3Dプリンターの材料としても最も一般的なものである。
一方で直射日光や紫外線により劣化しやすい、有機溶剤に弱く塗料によっては塗装すると劣化しやすくなる、という短所がある。
このため主に関節やフレーム部分に用いられていたガンプラでは、硬すぎて無理に動かすと破損するケースが見られた事も相まって、2010年代から大型キットなど強度が必要なものを除いて使用されなくなり、1/144スケールモデルではKPSへ置き換えられている。近年のキットではどのランナーにABSが使われているか説明書に記載されているので、必ずチェックしよう。