機体解説
基本情報
型式番号 | OZ-19MASX |
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全高 | 25.2m(MS形態)/22.8m(MA形態) |
重量 | 18.2t |
装甲材質 | G-METAL(ガンダニュウム合金) |
出力 | 18945kw |
総推力 | 344796kg |
OZプライズに所属していた仮面の男シルヴァ・クラウンが廃棄衛星内で極秘裏に製造していた可変モビルスーツ。
名前の「グリープ」の意味は不明。おそらくグリフォンのドイツ語読みのグライフ、もしくはラテン語及びギリシャ語読みのグリュプスの捩りという説がある。
シルヴァの正体は主人公アディン・バーネットの兄オデル・バーネットであり、廃棄衛星を敵にぶつける作戦「オペレーション・パンドラ」と偽り、アディンの元へ機体が届けられた。
OZの試作型可変モビルスーツをベース機とし、設計にはアディン達の父親マーク・バーネットが開発したプラズマエンジンが使用されている。また、操縦系統にはパイロットとの神経接続により、機体を自在に制御するシステム「MSCS」(精神同調型操縦システム)を採用している。
通常のMSモード以外に、高速機動が可能で「バスターメガ粒子砲」を発射できる形態である高機動飛行モード、ガウォーク的形状になるアサルトモードの3つの形態を取る事が出来る(アサルトモードのモチーフはビグ・ザム、もしくはジャムル・フィンと思われる)。
最終決戦仕様ではハイパーメガ粒子ランチャーが手持ち火器として装備され、更に機首部分を取り外してシールドとして運用できるように改良されている。
G-UNIT
本機もG-UNITであるため、ガンダムジェミナスと同様の機能が搭載されている。
特にジェミナスが発動する「PXシステム」を有しているため、発動すれば機体の設計を越えた出力を得ることもできる。
ヴァルダーとの決戦後はG-UNIT最終型の下半身として組み込まれた。
なお、この際にジェミナス・タイプとパーツを共用できると言っているが、換装用装備の互換性については不明(模型では不可)。ガンダムグリープはOZで開発された試作機をベースにしており、ガンダムジェミナスとは開発・運用コンセプトも異なる。緊急的な措置として組み合わせていたため、G-UNITの規格はあくまで応急処置に用いるものと思われる。
ちなみに、機体のサイズはスペックの通りだが、作中の格納庫での様子を見る限りリフレクトシールドを除けばガンダムジェミナスと大差はない(あくまで頭長高としての大きさではあるが)。
武装
バスターメガ粒子砲
本機の主兵装で、MA形態時もしくはアサルトモード時の機首の下部に搭載されたビーム砲。MS形態では使用できない為、使用時は変形する必要がある。
ちなみに機首はシールドのような使い方が可能だが、当初は想定していない機能である。
ビームランサー
本機の近接格闘用の武器。未使用時はリフレクトシールド内に収納される。
リフレクトシールド
MS形態時に翼のように展開されるシールド。偏向効果のある特殊コーティングを施しているためビームを無効化するほどの堅牢さを持つ。MA形態やアサルトモードでは機体を覆い主翼として機能する。
ハイパーメガ粒子ランチャー
最終決戦時に追加された装備。
フルパワーであれば暴走する宇宙戦艦1隻さえも貫通させてしまう。
MA時は2つに分割されて両足に装着される。
ちなみにランチャーは後付けの登場だったためか模型には付属していない。
出力
本来宇宙船のエンジンとして開発された動力炉はMSとしては規格外なほどの出力を本機にもたらした。
その出力は 18,945kW と設定されている。
なお、ウイングガンダムゼロの出力が3,732kW。その差なんと5倍以上である。
他シリーズと比較しても、V2ガンダム7,510kW、ZZガンダム7,340kW、ターンA27,000kW(±5,000、推定)、ターンX68,000kW (±5,000~500,000+、推定)となっており、ターン・タイプの2機を除くと全ガンダム最高レベルの出力(ワット換算の設定が存在するもののみで)。
これはG-UNITの設定が考えられた当時は本編のガンダムの数値スペックは存在していなかった(当時は総合性能をリーオーを基準としたアビリティポイントで表していたため、ジェネレータを含むスペックは表示されていなかった。OVAの際にこれらの基準は整理され、それに応じて総合スペックが表示されることとなった)。そのため本編のガンダムが単機でも凄まじい戦力を持つMSとして描写されていることを踏まえたうえで、それ以下のスペックとして扱うというG-UNITスタッフ側の考えと、W公式の「宇宙世紀の最強はF91」という意味不明な考えから生まれた(当時はアナザーガンダムとしての境界線が曖昧だったことも関係している)明らかに矛盾しかない数値との行き違いから生まれたものであり、デザイナーの阿久津氏は本編ガンダムより遥かに弱いと発言している。つまりは出力が高くとも絶対的な強さにはつながらない、と言うことである。
そうなると同じOZ製のエピオンはどうなのか、と言う疑問が生じるが、開発自体がG-UNIT勢と異なる系列と考えれば矛盾は解消する。つまり完成度の違いから性能の差が出ていると考えるべきである。
バリエーション
ガンダムグリープ ノーヴィ
型式番号 | OZ-19MASX-2 |
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装甲材質 | G-METAL(ガンダニュウム合金) |
「G-UNIT オペレーション・ガリアレスト」の新章にて登場。
ガンダムポリュクスとの戦闘で「部品」とまで比喩されるほどに大破したグリープをガリアレストからの脱出時にパーツに分解し、それを元にしてMO-Ⅴで新造された新たなグリープ。
開発時にはアディンの戦闘データや意見を取り入れてよりアディン向けの性能に調整され、性能が大きく向上している。
また全体的にデザインが鋭利になり、カラーリングもジェミナス01に近いトリコロールに変更されている(ときた氏へのツイートのリンク)。
高機動モードとアサルトモードも健在で武装も最終決戦仕様と同じだが、ハイパーメガ粒子ランチャーは高機動モード時には機体下部に懸下する方式になり、シールドに「ビームディフュージョンシールド」という防御フィールドの展開機能が追加されている。
G-UNITとの互換性も残されており、G-UNIT最終型も本機のパーツを用いている。
実は、前作G-UNITの時点で最終決戦用にを改良した「ガンダムグリープ ver.2」を登場させる予定はあったのだが、時間も予算も無くお蔵入りにした経緯があり、代わりに登場したのがハイパーメガ粒子ランチャーと「最後のG-UNIT」である(名残なのか額の部分に「Ⅱ」の文字があり、胴体部のカラーが黒から赤に変更されている)。
同機は前作で実現不能だったグリープ ver.2を新生させた形となる。型式番号の「2」もここに由来すると思われる。
なお、グリープ受領から最終決戦の間の空白期間を描いたガリアレスト編は、工業コロニー「ガリアレスト」での戦いが終わった時点で完結を迎えたため、ノーヴィが登場する新章以降は前作G-UNITのリメイクもしくはパラレルになると思われる(ある意味ではEW版G-UNITとも言える)。
立体物
- 1/144シリーズにてラインナップ。劇中同様のギミックが再現されているが、ハイパーメガ粒子ランチャーは収録されていないためフルスクラッチによる製作が必要となる。
- ガシャポンRシリーズにて、ラインナップ。アサルトモードへの変形はオミットされているが、アーマーパーツやブレードアンテナが部材によって異なる。※現在、入手困難