機体データ
型式番号 | OZ-15AGX |
---|---|
全長 | 24.6m(高機動MAモード:19.4m) |
重量 | 21.7t |
装甲材質 | G-METAL(ガンダニュウム合金)+チタニュウム合金 |
出力 | 15965kw |
総推力 | 316950kg |
機体解説
スターダストナイツらデルマイユ侯爵の関係者を排除しOZプライズの支配者となった、「暗黒の破壊将軍」の異名を持つヴァルダー・ファーキルが操るモビルスーツ。
ハイドラの名称は、88星座の中でも最大とされる「うみへび座(ハイドラ)」に由来する。
頭部正面にガンダムの顔、左右側頭部にゲルググの様な顔、そして後頭部にはあのジオングによく似た顔を併せ持つ異形のガンダムであり、両肩のアームを展開させ4本腕の様な出で立ちとなったその姿は、仏教の守護神である阿修羅を彷彿とさせる。
本機は、オペレーション・メテオによってコロニーから地球へ送り込まれた5機のガンダムへの対抗兵器としてDr.ペルゲによって開発された経緯を持つ。
射撃偏重の武装選択は、トレーズ・クシュリナーダの開発した格闘戦重視の機体であるガンダムエピオンに対抗する機体としての性格が強いと言われている。ただし、ビームサーベルを2本装備するだけでなく、ショルダークロー2本のビーム発射機構からもビームサーベルを展開する事で四刀流の戦法も可能となっており、それに搭乗者であるヴァルダーの技量も加わる事でエピオンに匹敵する格闘戦も発揮する。さらにはクローユニットの遠隔操作も可能であるため、状況によってはエピオンをも超える戦闘能力を発揮できるとされる。
ヴァルダー本人もエピオンとの決闘を望んでいたが、実際にエピオンと本機が対峙する事はなかった(実際に対峙した際は勝負が見えている気がするが)。
アフターコロニーに於けるモビルスーツで初めて精神感応型兵器を搭載した機体であり、マルチセンサーと呼ばれるパイロットの精神と直結したセンサーシステムを装備し、頭部ユニットは複数のセンサーを状況に応じて使い分ける構成となっており、正面、左右、後方とそれぞれ違うデザインの顔が取り付けられているかのような外観を有する。
このマルチセンサーによってパイロットは敵の位置を正確に把握し、攻撃を行う事が可能となっている。
最大の特徴は高機動モビルアーマーモードへの変形機構であり、脚部をスカートに収納して下半身を推進システムにする事で、宇宙空間では圧倒的な機動力と加速力を発揮。PXシステムを搭載するガンダムジェミナスの機動力も難無く追従し、オーバードライブ状態であっても対応する事が可能となっている。
また、スカート・アーマー内にはステルスジャマーを搭載しており、敵のレーダーを無力化する事も可能となっている。
武装
バスターカノン
本機の主兵装で、ハイドラ用の大型ビームライフル。基本的に肩部に固定したまま使える他、右腕で抱えて使う事も出来るが、ウイングガンダムのバスターライフルと同様、戦艦を難無く破壊してしまう出力であるが故に、その反動が強すぎて左腕で補助する。
GジェネレーションFやOWなどのゲーム作品では、片手で使用する描写も見られる事が多かったが、クロスレイズにて補助する描写が追加されている。
ビームサーベル
近接格闘武器。EMFシールドの裏側に2本装備している。
高機動モードでも使えるため、パイロットの腕次第では応用が効く。
デザイン画の段階からサーベル二つを連結してビームナギナタ形態に可能であったが、ガンプラや1997年の漫画でともに省略。その後はGジェネレーションクロスレイズにて使用された(サーベルをショルダークロ―に接続できるデザインも存在したが、こちらは劇中にてクローそのものからサーベルを発生させている)。
おそらくはゲルググのオマージュだろう。
ショルダークロー
両肩部のクローユニット。
ビーム砲を内蔵する攻撃端末型のマニピュレーターとして両肩部が稼働する、本機を象徴する武装の一つでもある。パイロットの脳波に応じて攻撃方法を変更し、バスターカノンと組み合わせた砲撃を行う事も、格闘戦時にはビーム砲のビームをビームソードのように展開して手数を増やすなど用途は多岐に渡り、2本のビームサーベルも持って四刀流に展開させた姿は、宛ら闘神を彷彿とさせる。
さらに、有線式の遠隔操作端末としての機能も搭載しているため、これによってオールレンジ攻撃が可能となっている。
EMFシールド
G-UNITにも採用されている電磁フィールドを搭載したシールド。Dr.ペルゲの設計した機体に共通する標準装備で、本機にも採用されている。
ガリアレスト編において改良が行われており、A.S.プラネイトディフェンサーにように防御範囲が広がった「EMFシールドの完成形」となっている。
ハイドラワルツ
バトルマスター2から追加された必殺技。
パンチやキックを連続で叩き込みながら接近し、ビームサーベルを振り上げる。
クロスレイズにて復刻された。
立体物
1/144シリーズにラインナップ。劇中で使用した武器が同梱し、MS形態⇔高機動形態への変形が可能。1/144ガンダムWの旧キット時代のPCを使用しているが、プラ製の手首が個別に付属する。
ゲームでの扱い
流石に登場している作品は少ないが、一作品のラスボスでありWの世界で最強クラスの高性能機である事からか、極めて強い機体として登場している。
「Gジェネシリーズ」ではFが初登場で、極めて高いスペック(攻撃力と防御力は共に33で、∀ガンダムとマスターガンダムと同値)と隙のない武装で纏められており、大変使い勝手の良いユニットと評された。本機が参戦していない後発作品ではその存在を懐かしんだり、参戦されない事を嘆くユーザーが現れるほど高い評価を得ていた。
以降はNEO~ワールドまで未参戦だったが、OWで復活。武装はF時代より一つ減ったものの、代わりに大気圏内の飛行が可能となったり使い勝手の良さは依然変わっていない。
クロスレイズにも登場し、あろう事かバトルマスターの超必殺技までもが追加された。
また、「ガンダム・ザ・バトルマスター」シリーズでは2作目のラスボスとして登場している。
これは登場する機体が1st~逆シャアで縛られている本シリーズにおいて、異例ともいえる大抜擢である。
ただし、パイロットはヴァルダーではなくピクシーという少年。
ラスボスなだけありかなり強いのだが、前座(前作のラスボスでもある)のサイコガンダムMk-Ⅲの方が圧倒的に強く、割を食わされている。
更にバトルマスターシリーズの流れを汲む「SIMPLEキャラクター2000シリーズ新機動戦記ガンダムW THEバトル」でも登場しており、トレーズ搭乗エピオンとの夢の対決を再現する事も可能である。
余談
- デザインについて
元々はG-UNITとは異なる別のガンダム企画のために用意されていたものを再デザインしており、モチーフは3メートルの宇宙人とジオング。尚、G-UNITに登場したデザインは頭部の四面がそれぞれ宇宙世紀の他のMS(正面はガンダム、側頭部がゲルググ、後頭部がジオング)を思わせる形状となっている。ただし、1997年のG-UNIT劇中で頭部を反転させたシーンはなく、「ムシャ戦記 光の変幻編」に登場する妖術師ハイドラが人格交代のキャラ付けとして使用した程度である。その後、ゲーム作品やガリアレストにて後頭部がビーム砲を持つ扱いとなっている。
- ショルダークローについて
有線を用いてオールレンジに展開する攻撃をインコムと呼ばれる事が多いが、PS用ソフト「SDガンダムGジェネレーションF」のみの表記である可能性が高い。
実際にプラモデルの解説等の資料にはインコムの表記は存在せず、後年再登場を果たしたOWでも最新作のクロスレイズでも武装欄にインコムの表記は無い。
また、ショルダークローの描写が作品や媒体ごとに統一されてない時期があり、二種類の展開方法が見られる。1つは、漫画版G-UNITを始めとした背部ユニットを含めて攻撃端末として展開する方法で、GジェネレーションFやOWなどの作品でもこの演出を採用していた。しかし、クロスレイズやガンダムウォーズでは背部ユニットはそのままになり、マニピュレーター部分だけが攻撃端末として飛ぶように変化している。いつ頃に演出が変わったのか不明。
SDガンダム外伝シリーズでは、
SDガンダム外伝では、モビルスーツ形態と高機動モビルアーマーモードの二体が別個体扱いで登場している。
- 新SDガンダム外伝 鎧闘神戦記
モビルスーツ形態が、覇界神バロックガンが支配する世界カッズ・ザルド界に生息する4体の魔物が融合し誕生した古代モンスター・四面獣ハイドラとして登場。360度全てからの攻撃に対応し、4つの命を同時に失わないと倒すことが出来なかった。創世超竜譚の時代にヴァーチェゴーレムの秘術によりバロックガンと共に封印されたが、バロックガンが復活した事で封印が解かれた。
鎖で固められ、鉄になった植物ザクレロを盾にしている。
新約SDガンダム外伝 創世超竜譚本編では、同じく鎧闘神戦記で登場した古代モンスター・テディザクマと共に登場した。
- SDガンダム外伝 円卓の騎士SP レジェンド オブ ブリティス
聖機兵物語の前日、遠国からの使者として高機動モビルアーマーモードが登場した。
その正体はネオジオン族の邪騎士バーザムが召喚したモンスター四元龍ハイドラゴン。力を求めて禁呪に手を出してしまった騎士ハイドラの成れの果ての姿で、強大な力を得た代わりに理性を失い、破壊の限りを尽くす怪物と化した。火.水.風.雷の属性を持っている。
ワンダースクールのSDガンダム外伝イラストで投稿され大賞をとったキャラである。
デザインしたカモスー氏のTwitterでの詳しいキャラ解説と経験