概要
北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、アフリカ大陸、ユーラシア大陸、日本、インドネシアなどの地域に26属が棲息しているが、日本では通常単に「ヒキガエル」と言えばニホンヒキガエルの事を指す。
英語ではToad(トード)と呼ぶ。
ニホンヒキガエル(「ヒキ」「ガマ」「ガマガエル(蝦蟇蛙)」「イボガエル」の別名がある)は体長は7~15センチメートル、ずんぐりした体形で四肢は短く跳躍力は弱い。背面は暗褐色、腹面は淡黄褐色。背には疣がある。地上性で、交尾と産卵の時以外はあまり水に入らない。耳腺がよく発達し、刺激を受けると此処から毒液を分泌する。間違っても素手で触ったりしないように。
アメリカなどではヒキガエルの毒液の幻覚作用を用いたドラッグが作られ、捕獲が禁止されている。
また、毒の作用や不気味なイメージからか魔法使いの使い魔としても好まれる。
しかしながら、アジア圏では単に不気味で人に害をなす存在として登場するわけではなく、中国神話では夫を裏切って不死の薬を飲んだ嫦娥が化身した姿として描かれたり、日本神話では「多邇具久」(タニグク)の名前で登場し、ある日出会った小さな神の真名を探ろうする大国主にアドバイスした知識人として登場するなど神霊に深い関わりを持つ存在として描かれる。
そのおデブな外見から鳴き声はさぞ野太いんだろうな…と思いきや、ニワトリのような高めの声で鳴く。むしろ野太い声で鳴くのはウシガエルの方で、どれぐらい違うのかと言うと、ゴスペル歌手の歌声とジャイアンの歌声くらい違う。夜に野太い声を聞いた貴方、それはヒキガエルではなく、間違いなくウシガエルです。
昆虫やミミズが主な食べ物で、本来ならカエルを襲うこともあるアメリカザリガニなども食べてしまう。
皮膚から僅かな水分を吸収するだけで必要な水分を補える為、水辺からかなり離れた思わぬ場所(住宅街や内陸の森林など)でも時折姿を見かける事がある。ずんぐりした外見によらず移動能力は結構高い。
講談『自来也』で主人公・自来也が巨大蝦蟇蛙を召喚して戦った事から、忍者の召喚獣(口寄せの術)扱いされる事もある。
ガマの油
「さあさあお立会い、このガマに鏡を見せたらアラ仰天! 自分の顔の恐ろしさにタラ~リタラ~リと油を出すじゃありませんか。この油一つつければ切り傷もピタリ! 紙に触れれば1枚が2枚、2枚が4枚…(中略)…とまあこんな鋭い刀で切ってもダイジョーブ! さあさあ買った買った!」というアレ。
所謂傷薬の一種であるが、前章を見れば明らかなとおりガマの油と呼ばれる分泌液は毒液であり、傷に塗ったら悪化するばかりである。実際は馬の油を加工したものであり、ワセリン(ボクシングの試合で切った傷にセコンドが塗るアレ)としての効果がある。
だが毒は薬とはよく言ったものであり、ガマの分泌液は蟾酥(せんそ)という強心作用をもつ生薬として日本薬局方に毒薬扱いで記載されている。
市販薬では六神丸や救心などのいわゆる気付け薬に微量が配合されている。
ヒキガエルをモデルとしたキャラ
忍者関連
- 自来也:ガマガエル召喚術の開祖
- 自来也(NARUTO):別名「ガマ仙人」。ガマ文太を始めとして妙木山には様々なガマが生息する。
- 自雷也(怪竜大決戦):召喚ではなく自らが大蝦蟇に変身する
- ジライア(天外魔境):ガマ族の勇者
- ジライヤン&ガマ吉(からくり剣豪伝ムサシロード)
- ジライヤ/ニンジャブラック、ゴッドガンマー(忍者戦隊カクレンジャー):児雷也の子孫。
- 水喰い忍者ガマジャクシ(忍風戦隊ハリケンジャー)
- 冥獣人ニンジャのキリカゲ(魔法戦隊マジレンジャー):「忍法・巨大ガマの術」で巨大ガマガエルを召喚
- 手裏剣戦隊ニンニンジャー:ガマガマ銃という武器を使う。
- ガマゴエモン(仮面ライダーX):抜け忍石川五右衛門とガマを合体させた怪人
- 仮面ライダーシノビ&ガマノ師匠(仮面ライダージオウ):2022年の仮面ライダー
- 殺し屋ガマ蔵(すがやみつる版仮面ライダーアマゾン)
- 蟇法師&千年蝦蟇(仮面の忍者赤影)
- 忍者じゃじゃ丸くん:ガマパックンの術
- 鎖ガマ(ワンパンマン)
- 紅影(ランブルローズ):巨大ヒキガエル「飛天丸」に乗って登場する
妖怪関連
- 大蝦蟇
- 蝦蟇仙人
- センポクカンポク
- バジリスク:ヒキガエルが温めた鶏卵から孵化した毒蛇の魔物。
- ウォーターリーパー
- 化けガマ(ゲゲゲの鬼太郎)
- 大ガマ(妖怪ウォッチ)
- カマイタチ・治(けものフレンズ)※カエルではないが、前述したガマの油の逸話をモチーフにした薬箱を持ち歩いている。
- 川馬(ベルセルク):全体のシルエットは馬だが、細部はヒキガエルの特徴を備える
その他
- がまくん(がまくんとかえるくんシリーズ)
- ガマ星人&ガマガエル怪獣(スペクトルマン)
- ガマギラー(仮面ライダー)
- ガマボイラー(仮面ライダーV3)
- ガマ獣人(仮面ライダーアマゾン)
- 奇械人毒ガマ(仮面ライダーストロンガー)
- ガマギラス(新仮面ライダー)
- ガマネジレ(電磁戦隊メガレンジャー)
- 冥府神トード(魔法戦隊マジレンジャー)
- 臨獣トード拳マガ(獣拳戦隊ゲキレンジャー)
- カマバンキ(炎神戦隊ゴーオンジャー)
- アカ地雷ガマ(人造人間キカイダー)
- ガマゴン大王(宇宙刑事シャリバン)
- ガバラ(ゴジラシリーズ)
- ガマ原人ガマツブラ(鉄人タイガーセブン)
- ガマオイル(電人ザボーガー)
- フシギダネとその進化系、ガマガル、ガマゲロゲ(ポケットモンスター):ちなみにトノサマガエルのようなポケモンや忍者っぽいカエルポケモンもいる
- ポイズントード、だいおうガマ、ガマキャノン、ガマデウス(ドラゴンクエスト)
- ガマオ(Yes!プリキュア5)
- トードマン(ロックマン4):名前は「Toad(ヒキガエル)」だが黄緑色の体色や人工降雨を操る特殊武器など「Frog(アマガエル)」のイメージに近い。
- ツァトゥグァ、ムーンビースト(クトゥルフ神話):あくまで似ているだけ
- ジャイアントトード(この素晴らしい世界に祝福を!)
- 屈木頑之助(駿河城御前試合、シグルイ)
- ジェルソ(鋼の錬金術師)
- デンキガマ(サンサーラ・ナーガ)
- ガマヘビ変化(ライブアライブ 幕末編)