概要
昭和16年(1941年)発行の『民間伝承』六巻八号で紹介された、越中国東礪波郡利賀村(現富山県南砺市)で伝承される妖怪。
本文では「センポク、カンポク」と報告されており、2柱の存在である可能性も考察されている。
人間に似た顔の四つ足の大きなドンビク(ヒキガエル)の姿を持ち、家に死んだ者がでると掛けられたむしろのそばに現れ、死後1週間までは大戸の外、3週間までは家におり、4週間たつと霊を墓場まで送るという。
霊魂が正しくあの世に行けるように導く案内人であり、火車などの死体や霊魂を狙う悪しき妖怪を退治・監視する存在であると考えられる。
なお同地区では蝦蟇のことをテンテンゴット(疣蛙)やカサゴット(瘡蛙)と呼んでいた。
命の危機を感じたときにこの名を呼ぶと、蝦蟇の妖術によって助かると信じられており、ある種の守護神として祀られていたのだという。
英語ではSenpoku-Kanpokuと表記するが、旧ヘボン式のローマ字表記法ではバ行・パ行・マ行の前に「ん」が来た場合は「n」ではなく「m」を使うためSempoku-Kampokuと表記する事もある。
創作での扱い
創作においては、二足歩行する手に何か持っているヒキガエルの姿で描かれる。
持ち物は提灯や鬼灯といったものが多い。
- 水木しげる作品
四つん這いの人間のような前歯が2本ある、ディフォルメされた蛙姿の妖怪画が描かれた。
モバゲー『妖怪横丁』においては、「鶯餡おはぎ」があると来てくれる。
※中央
2016年に発売された『妖怪ウォッチ3』から登場したニョロロン族のSランク古典妖怪。
笠をかぶって着物を着た二足歩行の蛙の妖怪で、手には提灯を持っている。
狐面の人影7人に会うことで、おおもり山にある「桜町地下水道 カンポクの宿」に出現する。
ゲーム内での設定等は →センポクカンポク(妖怪ウォッチ)
pixivに投稿されているものを含めた現在の絵師による姿は、この作品での描写の影響が大きい。
2023年3月30日の新イベント「戦国風雲絵巻-巻ノ九-」において、灯りを掲げし霊魂の案内人・センポクカンポクとして登場。
笠を被り灯りを持つ僧形の蝦蟇の姿をしている。
- 秘録 妖怪大戦争
角川コンテンツゲートによるソーシャルゲーム。pixivユーザーでもある北条院桜氏がイラスト担当。
カエル好き漫画家海産物氏がイラスト担当。