概要
宇宙幕府ジャークマターに所属する怪人で、今作の『今週の怪人枠』。
エリードロンといったカローの配下で、一惑星を丸々支配できる程の地位を与えられた悪い宇宙人。
各惑星に1人ずつ配置され、その惑星を構成するエネルギー“プラネジューム”を採取し、各惑星の住人を圧政で支配している。戦闘では出身惑星特有の能力と装備品を駆使して戦う。
ダイカーン毎に戦闘員以上の位が所持することが許される印籠・“キョダインロウ”と、プラネジュームを吸い取る為の戦艦“モライマーズ”を1隻を与えられており、キョダインロウは各ダイカーンの体の何処かに吊り下げている。
倒されると、キョダインロウの力“ヒカエオロー”で、キョダインロウが自動的に粉砕した際に放出されるエネルギーを浴びる事で巨大化する事が出来る。ただし、キョダインロウごと破壊されると巨大化出来ずに死亡する。
また、ジャークマターで製造される戦闘擬似生命体にもダイカーンへ昇格出来る権利が与えられている。強化戦闘員ツヨインダベーの中で高い能力や特色を持っていた為に、ダイカーンへ昇格した個体が存在するのが主な例として挙げられる。
基本的にプラネジューム採取に関する任務(モライマーズの管理及び有事の際の守護)をこなしていればジャークマター本国より干渉されないので、各ダイカーンの圧政は基本的に自分が私腹を肥やす為の物ばかりの様だ(ツヨインダベーからのし上ったダイカーンは除く)。もっとも、これにより、支配下の住民を疲弊させてジャークマターへの反抗心を摘み取れるメリットもあるので圧政その物は事実上、本国から容認されている。
その一方、侵略する際の戦闘指揮官でもあるカローと比べると平均的な戦闘力は低く、その低さは戦闘員を引き連れてもキュウレンジャーに全く敵わない程。3~5名を相手に戦えるならまだいい方で、酷いと1対1の戦闘でキュウレンジャーに倒された者すらいた。
また圧政と言う名目で私腹を肥やすのにかまけ過ぎた為なのか、自分で自分の首を締める行動等の不甲斐無さを晒す事も少なくない。
ただ、これはダイカーンは支配している惑星の住民に対して圧政を行う役職の為、ジャークマターの前に反抗できる力さえも残っていない住民に対してはダイカーン自身が弱かろうが関係ないので、仕方のない事なのかもしれない。
通常は一惑星に1名配置されるダイカーンだが、何故か遥か辺境にある惑星チキュウには多数のダイカーンがモライマーズと共に配備されている。後にチキュウへ滞在したキュウレンジャーは、地道に各地区のダイカーンとモライマーズを潰しながらチキュウの解放を目指していたが、チキュウに膨大なプラネジュームが蓄えられる原因になったと思わしき人物が覚醒する直前で、補充戦力として新たなダイカーンを乗せたと思わしきモライマーズ艦隊がチキュウに刺さった事で解放作戦は振出しに戻ってしまう。
しかし程無く、独立部隊がチキュウ諸共キュウレンジャーを殲滅すべく来襲。それへ巻き込まれるのを恐れたダイカーン達はモライマーズを放棄してチキュウから脱出し、その状態でキュウレンジャーが独立部隊を打ち倒した事で、結果的にチキュウの解放が達成されたのが仄めかされている。
実態と顛末
ジャークマター全体(と言うよりは最高管理者)の目的が“膨大なプラネジュームの入手と集積”であるからして、組織の主な活動は宇宙全土の惑星に散ったモライマーズの統括管理となるも、その組織力や無尽蔵に量産製造される疑似生命体及び兵器が主戦力である事実からして、採掘システムの完全オートメーション化もやろうと思えば出来た可能性はある。
それをあえて実用化せず、個々のモライマーズの管理権を与える事でプラネジューム採掘完了=惑星破壊までの生殺与奪を握り、それを盾として惑星の住民を服従させて扱き使うのを黙認した役職がダイカーンである。彼等は支配先の惑星の住人にとってジャークマターの支配を受けている事実を実感させる象徴であり、圧政で心身を疲弊させられるのも相まって虐げる側の反抗心を大きく削ぐのへ役立っている。
一方、モライマーズの管理権を用いた圧政を敷き、目先の欲望を叶えられる様になったダイカーン達はその殆どがその安穏とした環境に溺れ、成長や向上心等といった謀反や反逆を考えうる感情・精神性を失っていく。加えてこの環境を可能な限り味わおうとして、彼等の行動は採掘作業の完遂より圧政の延命に注力していく戦術的目標に流れる可能性が高く、それに影響されて被支配対象への締め付けが一部緩くなり、より反抗心が募り難くなる副次効果もあるのが想像出来る。
そしてこんなぬるま湯を享受し続けた上でカローに昇格しても、『搾取出来る対象が惑星一つから星系丸ごとに広がった』としか考えず、せっかく拡大した権力を己が欲望にしか使わない者が殆どとなる。その結果、従来の戦隊敵組織構成員みたく“幹部が一般怪人を指揮運用する”、“同格の怪人同士が連携行動する”みたいな行動を自主的に起こす事が無く、上役が直々に命令しなければ一般怪人が協力の姿勢を見せないと言う、下の階級になる程人員が増えるピラミッド型の独裁組織にはまずありえなかっただろう、横の繋がりが極めて希薄なスタンスが当たり前となっている。
だがジャークマター中枢部にしてみれば、こうした横の繋がりが出来難いスタンスが権力層の当たり前へなっているのは、組織弱体化の原因になる派閥の台頭や謀反勢力が勃興し難い土壌が形成されている、大変都合の良い状態でもある。
総じて、ダイカーンを基にしたジャークマターの支配及び昇進システムは、長期的な目で被支配層はもちろん構成員も徹底的にスポイルさせ、アルマゲによる一極独裁を維持する真の目的を持たされた、恐ろしい程に残酷で効果的な支配手段であった。
またここから、ツヨインダベーから昇格したダイカーン達は表向き栄転に見えても、その裏では消耗品の量産戦力として分不相応な自我や個性を発現した個体を弾いて除き、疑似生命体兵士の品質上限を制限維持する思惑があったと推測される。
しかし裏を返すと、ダイカーン達は事実上惑星破壊兵器でもあるモライマーズの管理権があるから被支配対象を恫喝して支配出来ているのであって、そのモライマーズもといそれに繋がっているジャークマターの威光を失えば権威的な力も無くし逆に丸裸同然へ成り下がると言える。
また前述の通り、横の繋がりを徹底的にスポイルされたダイカーン達は、逆に自分達が持っている物より遥かに強大な力へ対し団結・協力する概念も失っていると思われる。だからこそ劇場版で独立部隊がチキュウに来襲した際は無数に居たダイカーン達が我先に逃げ出し、かつその独立部隊を壊滅させたキュウレンジャーを恐れて二度とチキュウに戻って来なかった状況が想像されるのであって、所詮は力による庇護と目先の欲望に釣られ、いつの間にかそれへしがみ付き続けるしか能が無い存在に成り下がっていた愚者に過ぎなかったとも断言出来るだろう。
最終的に、ジャークマターの真実を知ったカロー達が次々と離脱、事実上組織システム諸共ジャークマターは崩壊しその威光も失われた。特に言及された訳ではないが、生き残ってキュウレンジャーと戦わなかったダイカーン達もジャークマターを去っていった、あるいはその地位が完全に無意味な物となって虐げていた者らよりそれ相応の報いを受けたと思われる。
ダイカーン一覧
他惑星出身
Space. | 名前 | 装備 | 特有 | 分類 | キョダインロウ | 担当惑星 | 出身惑星 | モチーフ | CV |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2 | ガメッツイ | ツタンガン | ガッポ尻尾 | クリーチャーエイリアン | 右胸 | イテ座系ジガマ | トカゲ座系ツタン | ツタンカーメンの黄金マスク&ナメクジ&大富豪 | 石川英郎 |
4・5 | ユメパックン | ドリウマキャッチャー | ジョーズノーズ | 海獣型宇宙人 | 右腰 | チキュウ | クジラ座系ニューネ | ニューネッシー&貘 | 近藤浩徳 |
6 | デンビル | ビリビルウィップ | ロングロ首 | 長首宇宙人 | 左腰ベルト | チキュウ | イッカクジュウ座系ジャジー | ジャージーデビル&軍曹 | 粟津貴嗣 |
7 | トゥーミー | バースライサー | スティールベリーライト | 機械生命体 | 右腰 | チキュウ | サイダン座系ストーンヘン | ストーンヘンジ&バースデーケーキ | 伊藤健太郎 |
10 | モズマ | - | アヤツリンプン | 昆虫型宇宙人 | 右腰ベルト | チキュウ | ワシ座系ガ | モスマン&蛾 | 飛田展男 |
14 | ユーテルジャン | ユーテイル | トラクタービーム | UFO宇宙人 | 右脇 | チキュウ | オウシ座系キャトルミ | キャトルミューティレーション&領主 | 江川央生 |
15 | ゴネーシ | オオボライデント | ナニカシラ | 水棲宇宙人 | 右腹部 | ホ座系ベラ | ミナミノウオ座系ネス | ネッシー&潜水士 | 津久井教生 |
17 | シャイドス | オサキマックロー | シークヘッド | 影宇宙人 | 右腰 | チキュウ | ヤマネコ座系ピーポー | シャドーピープル&暗殺者 | 上田燿司 |
19 | オメーガ | メーガトンパンチ | 一重まぶた | 岩石宇宙人 | 右腰 | リュウコツ座系キール | チョウコクグ座系ヂントゾー | オルメカ文明の巨石人頭像&ボクサー | 飯島肇 |
22 | マナビル | ユビサスティック、マナビル歴史書 | ロングロ首 | 長首宇宙人 | 帽子 | チキュウ | イッカクジュウ座系ジャジー | ジャージーデビル&教師 | 沼田祐介 |
Vシネマ | ザンダバルド | ザンダーバー刀 | ボルトンボイス | 甘言宇宙人 | 左腰前 | チキュウ | ワシ座系トテム | サンダーバード&ウォーリアー | 磯部勉 |
〃 | ミカ・レーツ | ミカクロー | - | 元・チキュウ人 | 左腰前 | チキュウ | チキュウ | 人体発火現象&アンモナイト | 間宮夕貴 |
ネット | コウチョウインダベー | 杖、ユルシワ竹刀 | - | 一族経営 | なし | ジョウギ座系スリービー・ジャークマター学園都市 | コンパス座系エイトゴールド | スカイフィッシュ&校長先生 | 伊藤陽佑 |
サントラ | クロックー | - | - | - | - | オヒツジ座系ホノボノ | - | - | 高戸靖広 |
ドラマCD | チュウネンシャチュー | - | - | - | - | カミノケ座系ウィーグ | - | - | 鈴木達央 |
戦闘擬似生命体
※ゲース・インダベーが率いる、DNAカスタマイズと特殊能力付与を施された高級クラス個体もここへ表記する。
Mツヨインダベー
space. | 名前 | 装備 | 高い能力や特色 | キョダインロウ | 担当惑星 | CV |
---|---|---|---|---|---|---|
3 | モーレツヨインダベー | バズーコン、モーレツマスク | 猛烈に秀でた強さ | 左肩 | サソリ座系ニードル | 奥畑幸典 |
8 | マモリツヨインダベー | マモリマスク | 高い防御力 | 不明 | チキュウ(ホシガタ地区) | 坂井易直 |
〃 | メガツヨインダベー | メガクレスト | メガレベルのパワー | 左肩 | チキュウ(ホシガタ地区) | 坂井易直 |
〃 | メシウバインダベー | ハラヘルメット | 食の暴慢さ | 胸中央 | チキュウ(ホシガタ地区) | 村岡弘之 |
9 | メッチャツヨインダベー | メッチャマスク | 滅茶苦茶な強さ | 胸中央 | チキュウ(ホシガタ地区) | 不明 |
〃 | ムッチャツヨインダベー | ムッチャメット | 無茶苦茶な強さ | 左肩 | チキュウ(ホシガタ地区) | 不明 |
13 | モンドムヨインダベー | バジトウフード | 強引に意見を論破するリーダーシップ | 右肩 | チキュウ | 大泊貴輝 |
23 | メディアツヨインダベー | カーディガード、トラナキャメラ | 刺激的な映像を生み出すディレクション能力 | 胸中央 | チキュウ(ジャークマター放送局・チーフディレクター) | 大山鎬則 |
独立部隊・隊員(高級クラス個体)
Space. | 名前 | 装備 | DNAカスタマイズ | 特殊能力 | キョダインロウ | モチーフ | CV |
---|---|---|---|---|---|---|---|
劇場版 | オーモ・インダベー | フリーザー・クサリィ | パワー特化 | 冷気の噴出 | 左腰 | ビッグフット(イエティ)&ヒールレスラー | レイザーラモンHG |
〃 | カール・インダベー | フライングロッド、専用バイク | スピード特化 | バイクの操縦テクニック | なし | スカイフィッシュ&モトクロスライダー | レイザーラモンRG |
余談
今作のキャラクターデザインをK-Suke氏と共に担当している久正人氏によると、カローと違いダイカーンにはとくに星座モチーフは無く、Mツヨインダベー以外のダイカーンの出身惑星の星座系は東映側が設定している。
ただよく見ると、ダイカーンの情報に共通点がある物、モチーフに関連がある物になっている。
通常怪人枠だが今までの作品と比べると幹部怪人との戦闘が多い今作では、登場数はかなり少なめである。ついでに言えば作中戦闘員が進化・強化して通常怪人に昇格するパターンはそちらがメインになるか戦闘員と異なる種族がメインの場合は1回限りの所を、本作では複数回登場し両方が共存している形である。
Space.32で登場したドーギュンを最後に登場しなくなり、その後はカローへ通常怪人枠が移る事になった。これは「ジャークマターその物を倒す」目的を常に見据え、より高い壁=強敵を超える事へ挑み続けたキュウレンジャーにはもはやダイカーンなど取るに足らない格下へなっていたのを暗示していたとも読める。
関連リンク
最強ロボダイオージャ:水戸黄門+宇宙活劇と言うロボットアニメで、各惑星で悪政を敷く大名や家老等を成敗するというのがストーリーの基本構成。