ブロッケン妖怪のセマッタ霊
ぶろっけんようかいのせまったれい
epic24「ミラクルアタック・ゴセイジャー」に登場する有名な未確認生物「ブロッケンの妖怪」の正体とされる幽魔獣。
赤く光る6つの眼を持ち、口元も鋭い牙を剥き出しに笑った顔をしている。また漆黒の全身には白い雲を思わせる飾りが付いている他、後光を思わせる背中のパーツも印象的。
モチーフにちなんでか幻影を作り出す能力を持ち、背中のパーツで気温を操り周囲に特殊な蜃気楼のフィールドを発生させる事で無数に幻影を出せる。また自身に使えば[[巨大化])したように見せる事も可能。しかし近くにいる存在も巻き込み、同じ大きさに見えてしまうのが欠点。
また幻影は文字通り単なる幻なので攻撃力は皆無で、撹乱には有効だが「地球の汚染」どころか破壊活動にすら向いてない。
しかし両腕や背中から幾つもの爪の様な鋭い物体を伸ばして攻撃する他、口から吐く黄色いガスで爆発を起こす技を持つため、コイツ自身の戦闘力は低くない。
チュパカブラの武レドランが太古に封印された「アバレヘッダー」を入手するまでの間の時間稼ぎとして、自身を巨大な姿に見せかける形で登場。
これを受けてゴセイジャーはゴセイグレートで迎え撃ち、セマッタ霊にパンチを食らわせる。もちろん本人は痛くもかゆくもないが、大袈裟に吹っ飛んで「あぁ~、えらいパンチじゃのう……」とさも有効打かのように見せかける。
流石にゴセイジャーも手応えが無いことに違和感を抱くが、それを誤魔化すためにこれまで倒された幽魔獣達の幻影を召喚。「ワシが地獄の底から蘇らせたんよ 恨みのパワーで強さ百倍じゃ百倍!!」とハッタリをかましながら幻影を嗾けて時間を稼ぐ。
これに対してゴセイジャーは必殺のグレートストライクを放つが、当然彼らはただの幻なのでまったく通用しない。面食らうゴセイジャー達に「ほーら、効かんじゃろうが!アハーハハハッ!」と得意気なセマッタ霊だが、そこへゴセイナイトが登場。セマッタ霊の特性を知る彼が「違う…ダマされるなゴセイジャー!! こいつは”ブロッケン妖怪のセマッタ霊” お前達が見ているのは特殊な蜃気楼だ!!」と告げた上で攻撃され、ダメージを負って幻影も消え去ってしまう。
更にゴセイナイトによって武レドランがアバレヘッダーを入手する為に時間稼ぎをしている事を暴露されるも、彼の計画の補佐という役目は完遂。武レドランがアバレヘッダーを入手したのを見届けると、本来の作戦に取り掛かるべく「あののう、あのねー勝負はお預けじゃけん!精々ジタバタしんさい…ハッハッハ!」と捨て台詞を残して撤退した。
その後、武レドランが街でアバレヘッダーを暴れさせるのに同伴していると、再びゴセイジャーとゴセイナイトが登場。これに対して武レドランが「セマッタ霊、力をやる。相手をしてやれ」とアバレヘッダーの力を分け与えてパワーアップ。「おわ~ッ!力が漲って来た!オラァッ、『御来光雲』!」と叫んで再び幽魔獣の幻影を呼び出す。最初はこけおどしと高を括っていたゴセイジャーだったが、ヘッダーパワーを与えられたセマッタ霊の幻影は実体を伴った幻影幽魔獣となって襲い掛かり、更に武レドランも力ずくで従えたアバレヘッダーの力で追い打ちを掛けてゴセイジャー達を葬ろうとする。
だが、アバレヘッダーの真意を聞き、その全てを受け止める覚悟を見せた5人にアバレヘッダー改め「ミラクルゴセイヘッダー」が力を貸し、スーパーゴセイジャーに超天装。その力の前になす術も無く、最期はスーパースカイランドシーダイナミックを食らい、幻影幽魔獣と共に仲良く消滅したのだった。
「あのね、あのね、あのねあのねの…」
武レドランもスーパーゴセイジャーに圧倒され、ビービ虫を召喚する余裕がなかったのかそのまま巨大化することなく倒される始末であった。
こうして武レドランの作戦は失敗し、結果的にゴセイジャーをパワーアップさせてしまった事に対しても筋グゴンが「武レドラン!オレ様達が協力していれば上手く行った!杜撰だ!杜撰だ!!杜撰だ!!!」と叱りつけ、続いて膜インも「勇んで出かけた割には随分お粗末な結果だったじゃないか……えェ?この大失敗の罰は受けて貰うからね」と非難。彼は地下牢に幽閉されてしまう。
この瞬間、武レドランの幽魔獣内における立場が急速に弱まったのだった。
モチーフはザトウムシとブロッケンの妖怪。胸部にはザトウムシの胴体があり、背中の後光にも足が繋がった意匠が見受けられる。
名前の由来は『ペット・セマタリー』(邦題『ペット・セメタリー』)+幽霊。
幽魔獣の幻影を操る為か「迫った霊」との語呂合わせにもなっている。
「ペット・セメタリー」はペット用の墓地となっている裏山に埋めた死体が復活するシーンがあり、これがすでに倒された幽魔獣を復活させる能力の元ネタになったと思われる。
もっとも、セマッタ霊の能力はあくまでも「幻影を作り出す」のであり、ネクロマンサーのごとく死者蘇生ができるわけではない。
幻影幽魔獣達は実体化した後本人達と同じ攻撃も使えるようになったが、あくまでも幻に過ぎないためか、相変わらず台詞は無い(精々唸るような声を出した程度)。
また彼らはそれぞれ過去作の怪人の武器を持っている。ト稀ヅがハイネスデューク・ラセツのナイフ、ギエム郎が脂目マンプクの斧、ワライコ僧のサーベルが賊兵ヤートットの剣ではないかと見るファンも(ペサラン挫は不明)。
基本的に幽魔獣は不鮮明ながらも視覚的な特徴の残るUMAがモチーフに選ばれているが、このブロッケンの妖怪(ブロッケン現象)は未確認生物でも何でもない単なる自然現象であり、UMAとしての視覚的な特徴は存在しない唯一の例外である。
ただ、今回のセマッタ霊の場合は蜃気楼で自身の姿を巨大に見せるトリックと、背部の後光を模したパーツでブロッケンの妖怪を表現する形となった。
声を演じる松田氏はスーパー戦隊シリーズでの出演は今作が初となる。『ポンキッキ』のムックの中の人である為に、セマッタ霊自身もムックを意識した喋りをしている。設定上ムックは雪男の1種だが筋グゴンのモチーフであるビッグフットと被り、差別化も難しかったのか、幽魔獣の中に筋グゴン以外に雪男をモチーフにした怪人は存在しない。
ブロッケンはドイツの妖怪だが松田氏が広島県出身であるためか、広島弁が言葉の節々で見受けられる。
デンキウナギン:『地球戦隊ファイブマン』の怪人で、同じく巨大化した自身の幻影を嗾ける作戦を展開している。
バクター、バルキバルキ:12年前の作品においてセマッタ霊同様、登場回ではヒーロー側の戦力を増強させる結果となり、上司の立場が悪化した繋がり。
妖帝イリエス、グレゴリ艦長、バングレイ:セマッタ霊同様、過去に倒された怪人を復活させる能力を持つが、一般怪人のセマッタ霊と違って彼らは幹部怪人である。
ドロドロ(百獣戦隊ガオレンジャー):『百獣戦隊ガオレンジャー』の怪人で、こちらも同じく巨大化した自身の幻や過去に倒された怪人の幻影を嗾けている(後者は死者に干渉した能力でもある)。
蜃気楼忍者ジン・ギローン:8年前に登場した蜃気楼繋がりの怪人。
シンマイナソー:9年後の作品に登場した、セマッタ霊と同じく幻影を操る怪人。こちらは「蜃気楼」の語源になった「蜃(山のように巨大で、妖気で幻を見せるハマグリの妖怪)」がモチーフ。
ネクロマンサーマイナソー:同上。過去に倒された怪人を復活させたが、セマッタ霊はシンマイナソー寄りである。
磁石団長:ブロッケン繋がりの怪人で、こちらはその子孫という設定。
ジェロニモン:過去に倒された怪獣を蘇らせる能力を持ったウルトラ怪獣。
ヒッポリト星人:こちらも実体の無い巨大な自身の幻を披露した者繋がり。
宇宙巨獣デボラス:幻星神ジャスティライザーで過去に倒された怪獣を蘇らせる能力を持った怪獣。
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VSブロッケン妖怪のセマッタ霊(天装戦隊ゴセイジャー)
今回は天装戦隊ゴセイジャーから幽魔獣の一員、ブロッケン妖怪のセマッタ霊です。 まさかの現象が怪人化するなんて、思いもよりませんでした。 幻覚で倒された幽魔獣を復活させましたが、スーパーゴセイジャーの前では敵いませんでしたとさ。2,590文字pixiv小説作品