「ハァイホンバァン!」
データ
属性/海獣型モンスター
分類/スクリーン目シン科
身長/186cm~45.6m
体重/293kg~717.9t
分布/霧の楼閣
経験値/496
概要
ワイズルーの策略の為、クレオンがういの高校時代の後輩で消防学校の生徒・椎名雅章から生み出した、幻獣「蜃」の伝説を司り、その風貌を得たマイナソー。
ホタテ等の二枚貝が複数集まって人型になった様な見た目で、顔面や頭頂部、腹部等からは二枚貝の口吻が飛び出ている。更に頭部を横から見ると、映写機を連想するシルエットになっているのが分かる。
思念の元である椎名は、消防学校に通う身でありながら火を嫌い、「本当は映画監督になりたい」と言う願望によるマイナス感情を抱えており、それをクレオンによって見出され利用された。
その誕生経緯から、ワイズルーから火に対抗出来ると思われていたが、実際は後述する幻を生み出す能力を持った。
伝承元が『蜃気楼』の名の由来である事に因み、口吻より噴き出した水蒸気=霧に映像を投影、霧に包んだ相手へ幻を見せる能力を持つ。これで相手を同士討ちさせる、自らが別の物に化ける事等が可能。ただし霧を一定範囲に充満させて幻の媒体にする構造上、霧を風で吹き飛ばしたり空気を乾燥させる事で排除したり、逆に高熱を加えられ蒸し焼きにされてしまう等の弱点がある。
また頭部から放物線を描いて飛来する光弾を発射したり、両腕より鋭い棘を伸ばして武器に出来るが、幻による撹乱が本領の為等身大時で戦闘する事は少なく、「ハイホンバーン!」と鳴きながらドルン兵を嗾ける場合が殆どである。
ただし、クレオンは騎士竜と戦う事を想定してこのマイナソーを生み出していて、成長が進んだ巨大化時は幻を駆使して相手のペースを乱しながらの同士討ちや不意討ち戦法で善戦しており、総合的な実力は高い。
顔らしい物が無い外見からか感情が読み辛く行動パターンは気紛れ気味。また、上記の通りに騎士竜を倒す為に生み出された為か好戦的な気質で、リュウソウジャーと遭遇した時はすぐに戦いを始めようとしている。
活躍
第11話
既にクレオンが椎名に処置を施して誕生させ、等身大サイズで実体化した段階にあり、街中に現れた所をリュウソウレッド・リュウソウブルー・リュウソウピンクと交戦。だが程無く相手を霧に包み、お互いがドルン兵に見える様幻を見せて翻弄する。すると自身の傍らにワイズルーが現れ、「こんな所で油売ってる場合じゃあ~りませんよ? 本番はこっちじゃない」と彼の要請に従いその場を後にする。
ワイズルーがシンマイナソーを生み出した理由は、新たな騎士竜・ディメボルケーノの出すクイズへ答えられなかった時のペナルティである火炎攻撃から逃れる為(※この時のワイズルーは、シンマイナソーに火へ対抗する能力があると勘違いしていた)。しかし実際にディメボルケーノの前へ連れて来られた際に宿主の火嫌いな一面を引き継いだか、ワイズルー達がディメボルケーノと話している間にこっそりと場から逃走。おかげでペナルティをかわせなくなったワイズルー達はディメボルケーノの放つ猛火から逃げ回る羽目となった。
その後、ディメボルケーノが目の見えない少年・渡辺遙斗と交流している事を知ったワイズルーが作戦を変更。人質として捕らえた遙斗を縛り付けた爆弾の護衛にドルン兵と共に就く。
しばらく後、場所を突き止め駆け付けたリュウソウジャー5人と交戦。ドルン兵を嗾けながら以前と同じ幻を見せて同士討ちさせようとする。
だが、ディメボルケーノに認められたレッドはついさっき手に入れたメラメラソウルを使って『強竜装』。彼が振り回すリュウソウケンから放たれる炎の刃で霧はドルン兵ごと薙ぎ払われ、自身も巻き込まれて痛手を喰らってしまう。
これで本気を出したかリュウソウジャーとやり合おうとしたのを、アーマーを装備したレッドの力を危険視したクレオンに強引に連れてかれて撤退した(※遙斗は爆弾が爆発する寸前でレッドに救出された)。
第12話
潜伏場所の谷間で着々と椎名よりエネルギーを吸い上げており、ワイズルーもシンマイナソーの力を活用したディメボルケーノの懐柔作戦を思い付く。
だが潜伏先をリュウソウグリーンとリュウソウブラックが強襲して来たので、ワイズルーが応戦している間にクレオンにまた強引に連れてかれてその場から立ち去る。
その後エネルギーを吸い上げ続けて巨大化、街中に出現。そこへリュウソウジャーも現れ、ディメボルケーノに嫉妬して対抗心を燃やすティラミーゴを始めとする騎士竜達と交戦。しかし対抗心から先走るティラミーゴへ他の騎士竜が自身に見える幻を見せて同士討ちに持ち込み、それに動揺した所へ攻撃を加えてダウンさせる。
すると次はディメボルケーノが現れたので、今度はワイズルーの指示で雌のディメボルケーノ(CV:尾碕真花)に化けて色仕掛けを行う。
これにまんまと嵌ってしまったディメボルケーノにワイズルーは、
ワイズルー「そのかわい子ちゃんともっと仲良くなりたいだろ? ディメボルケーノ」
ディメボルケーノ「いや、それは…」
ワイズルー「連絡先、交換したいだろ? ディメボルケーノ」
ディメボルケーノ「交換したいっ!」
ワイズルー「一人暮らしかどうか知りたいだろ? ディメボルケーノ」
ディメボルケーノ「知りたいっ!知りたいっ!」
ワイズルー「知りたければ、我々の側につけ。そのかわい子ちゃんはこっち側だぞぉ?ほれほれ~」
ディメボルケーノ「えぇっ! どうしよう…」
幻影を餌にディメボルケーノを懐柔し、迷い始めたディメボルケーノをドルイドン側へ引き込もうとするが駆けつけたグリーンがマワリソウルで回転して起こした強風で幻が揺らいだので気付き、怒って反撃されかけるも鋭い棘でディメボルケーノを退けた。
しかし、レッド=コウの励ましで復帰したティラミーゴとディメボルケーノが竜装合体したキシリュウオーディメボルケーノと交戦。相手の猛火を纏った連撃に圧倒されたので幻で撹乱しようと霧を噴き出すが、ブルーがカワキソウルで空気中の湿度を下げた事で霧は消えてしまう。
それでも負けずに濃い霧を噴き出し、なんと巨大なういに化ける。これで相手が手を出せなくなった隙に、挙動不審な動きからの不意討ちでキシリュウオーディメボルケーノを怯ませた上で今度はアスナに化け、背負い投げで投げ飛ばす。
更にはメルトに化けて追撃しようとするが、これにはキシリュウオーディメボルケーノは怯まず斬り付け、幻を解除させた(※これを見たブルー=メルトは、「言い終わる前に、斬ったな…」とその場でしばらく落ち込んだ)。
直後、また濃い霧を吹き出そうとするシンマイナソーだったが、これに対しブラックからアドバイスを貰ったレッドがメラメラソウルで霧に高熱を与えた事で蒸し焼きになって悶え苦しんでいた所に『ボルケーノスラッシュ』を喰らい、「ハァイホンバアアァァァァンッ!!」と叫びながら爆散した。
余談
モチーフの「蜃」とは、吐き出した霧状の呼「気」に空中「楼」閣の幻影を投射する妖術『蜃気楼』の使い手と言われる伝説上の生き物の事。一説には齢を経た巨大なハマグリの妖怪であるとされる。
経験値の合計は『蜃気楼』の語呂合わせ。(し(4)んき(9)ろ(6)う)
二枚貝の寄せ集めのような造形だが、両腕は巻貝の一種・イモガイになっている他、本来二枚貝の水管は2本だが、あえて3本でデザインされている。
また、胸部がハート(心臓)の形になっているのも見逃せない。
蜃モチーフの特撮怪人はこのシンマイナソーが初。蜃気楼モチーフでは忍風戦隊ハリケンジャーの蜃気楼忍者ジン・ギローンが前例となる。
なお、幻獣としての蜃は龍(蛟)の一種とされ、デザインに竜(ドラゴン)のシルエットを取り入れたマイナソーのコンセプトに近しい要素を有している。
スーツは、第32話に登場するジャックオーランタンマイナソーに改造された。
関連タグ
霧吐き忍者キリキリマイ師:『忍風戦隊ハリケンジャー』に登場した怪人で、同じく霧を吐き出す能力を持つ。モチーフもカタツムリとハマグリの貝繋がりでニアピン。
ブロッケン妖怪のセマッタ霊:『天装戦隊ゴセイジャー』に登場した怪人で、こちらも霧を媒体に幻影を操る。
妖精のサラワレテ居:同じく『ゴセイジャー』に登場した怪人。こちらは鱗粉による催眠と幻覚に、擬態と声帯模写も駆使して他者に成りすます能力を持つ。
デーボ・タンゴセック:『獣電戦隊キョウリュウジャー』に登場した怪人で、同じく霧を操る。
ネンドガミ:轟轟戦隊ボウケンジャー」に登場した怪人で、幻を使い翻弄する能力が酷似しておりモチーフは映写機とスチールカメラと近いところがある。また、巨大戦では戦隊を翻弄させるため巨大化した人に化け、そして一蹴されてボコボコにされるという点も酷似している。