「フィアァァァァァァァァ!」
データ
属性/悪魔型モンスター
分類/悪夢目サタン科
身長/187cm~45.8m
体重/281kg~688.4t
分布/恐怖の霧中
経験値/409
概要
クレオンがドルイドン族の幹部陣を見返す為に独自に生み出した、幻獣「サタン(悪魔)」の伝説を司り、その風貌を得たマイナソー。
赤黒い体から無数の棘が生えた体に怒りを剥き出した様な恐ろしい形相をした、一目で見て恐怖と威圧感を与える姿であり、右半身を覆う布服の胸辺りには目から角を生やし下げ飾りを咥えた金色の髑髏のレリーフを誂えている。
宿主は人間では無く、見た者の死に様を映し出すと言われる呪いの鏡であり、以前にも登場した無機物から生み出されたマイナソーの一種。
その伝説からかつては恐れられたが、現在では単なる骨董品として倉庫の片隅にしまわれている境遇から、「存在を忘れ去られ、怖がられなくなった」と言うマイナス感情を抱き、そこをクレオンに見出された。
街中のあらゆる鏡を媒体に霧を発生・拡散させ、それを纏わせた者の悪夢や恐怖を具現化させる能力を発揮(その影響でアスナはお菓子の食べすぎで太る、尚久はせっかく完成した論文のデータが消える、トワは自慢のスピードを引き出せなくなったりと、恐れている事が現実になった)。但し、媒体となっている霧を排除すれば、具現化された恐怖を消す事が出来る。
マイナソーとしての姿は当初、媒体となる霧が集まり人型に見える形を取っているだけだったが、メルトが幼い頃からよく見ていた悪夢の中に出て来る、恐ろしい悪魔のイメージを彼から読み取った事で、その姿へと実体化した。
戦闘では「フィアー!」(※英語で『恐怖』の意)と鳴きながら、身体から無数のトゲやビームを乱発して敵を圧倒する。ビームは1本に集束させて威力を引き上げられる他、相手の恐怖を霧を介して取り込む事でよりパワーアップする。
これは恐怖の元のメルトに限らない為、その強さから「仲間を失う恐怖」をリュウソウジャーが感じた事で、リュウソウジャーを圧倒する強さを得るまでに至った。
更に知識豊富なメルトからの影響か、リュウソウルの力に関する様々な知識を有しており、それを活かして強竜装の特性を見切って攻撃を防御する創意工夫も披露。
マックスリュウソウレッド、ノブレスリュウソウブルーを容易く撃退しており、マックスリュウソウレッドやリュウソウカリバーを使うリュウソウジャーはドルイドン族幹部とも互角に戦う事が多い。
その為、総合的な実力はマイナソーどころか、作中でも上位に食い込むと言える。
公式においても「最強のマイナソー」と扱われていた。
メルトのマイナソー
当人曰く「悪夢が形になった」と言う経緯から、ある意味メルトも親元にして生まれたマイナソーと言える。
実際、後に誕生したメルトから生み出されたマイナソーも、姿や鳴き声は同じものを出していた。
但し、「恐怖を具現化する」と言う能力は、厳密にはこのマイナソーではなく霧の特性な為、メルトが生んだサタンマイナソーも同様の能力を持つかは不明。
最終回後の東映公式サイトで、裏設定として『マイナソーはリュウソウ族が増え過ぎないようにする自浄プログラム』であった事が語られている為、メルトはそれを感じていた可能性もある。
劇中での活躍
第40話
リュウソウカリバーが抜かれた事により、エラスが復活する話をワイズルーとプリシャスがしているが、外様でしかないクレオンはまるで教えて貰えず、「もう!何で誰も教えてくれねぇんだよ!あぁ、そうか。最高幹部になりたてだから舐められてんだな!」と悪態を吐いていた。
そんな中、ドルン兵が「自分の死ぬ姿が見える呪いの鏡」を見つけて持って来たのを受け、鏡を媒介に気合いを入れて生み出したのがサタンマイナソーであった。
誕生と同時にサタンマイナソーは自身の能力で霧を発生させると、その効力によってトワの足を動かなくさせたり、アスナの体重を増やしたり、尚久の論文のデータを消去したりと、それぞれの恐怖を具現化させて行く。
※後にトワの動かなくなった両足は、メルトがカワキソウルを使用して、足に纏い付いた霧を払った事で元に戻っている。
そんな中、とある公園の噴水に居合わせたカナロに霧の状態で存在を目撃され、カナロの連絡でトワ以外のメンバーが駆け付けると同時に姿を現し交戦。
ブラックの火炎攻撃を間欠泉を発生させて打ち消す、ゴールドの電撃を地面に逃がす等、リュウソウルを駆使したリュウソウジャーの技の数々を軽くあしらうと、今度はレッドからリュウソウカリバーを借り受けてノブレスリュウソウブルーとなったブルーを相手取る。自身の夢の中に現れたサタンマイナソーを、『自らの恐怖より生まれた存在』だとして、「自分が強くなって恐れなくなれば消える」と判断して立ち向かうブルーだったが、サタンマイナソーは身体から放つ光線で他のメンバー諸共一蹴し、変身解除に追い遣ってしまう。そして、その無双ぶりにご満悦のクレオンと共に、その場を悠然と去って行った。
その後、クレオンの指示を受けて街中で暴れていると、仲間との絆を確かめ合って、抱いていた恐怖を薄めたリュウソウジャー達が再び駆け付けて戦闘に突入。自身の放つ光線をカタソウルの強竜装で武装したブラックに阻まれて劣勢に立たされると、クレオンが「おい! 呪いの一発屋鏡! お前の事なんて皆忘れてっぞ!」と、媒介となった鏡を物陰でディスりまくった事で、鏡からマイナス感情のエネルギーが噴き出し、それを吸収したサタンマイナソーは一気に巨大化した。
対するリュウソウジャーはキシリュウオーファイブナイツとキシリュウネプチューンで応戦、キシリュウオーファイブナイツが集束ビームを受け止めた隙に、上空へ飛び上がったキシリュウネプチューンからトルネードストライクをもろに喰らう。
やがて「俺達は、明るい未来を形にする! それが俺達の騎士道だ!」と叫ぶレッドの想いと共に6人はキングキシリュウオーを完成。そしてキングキシリュウオーのキックで大気圏まで蹴飛ばされると、止めのキングキシリュウオービッグバンエボリューションを喰らい爆散した。
サタンマイナソーの敗北後、クレオンは触媒となった呪いの鏡を置いて泣きながら撤収。直後リュウソウジャーはその鏡を見付けると、人々の笑顔を映した方が鏡の方も幸せだろうと各々笑顔を映しあった。
第47話
メルトが、アスナとクレオンとともにエラスに吸収された際に、「俺からマイナソーを生み出せ!」とクレオンに自分からマイナソーを生み出させるように指示した(その際クレオンは「どうなっても知らないからな!」と言っていた)事で誕生、エラスに取り込まれ意識が朦朧としている事に対するストレスか、あるいはメルトの今まで溜まっていたストレスの為か、誕生後は最初から巨大な姿で誕生した。
すぐにエラスに瞬殺されたが、3人がエラスの体内から脱出する突破口となった。
余談
経験値の合計数は、おそらく『ショック』あるいは『弱気』や『フォッグ(=fog/英語で“霧”の意)』の語呂合わせ(シ(4)ョ(0)ック(9)、よ(4)わ(0)き(9)、フォッ(40)グ(9))。
モチーフは悪魔の王・サタン。宿主が鏡である点から、古来西洋にて「鏡は悪魔と交信するための道具で、夜中に合わせ鏡をすることで悪魔を呼び出せる」と伝承されたことにも掛かっていると思われる。
スーツは『スーパー戦隊最強バトル!!』に登場した究極大サタンのリペイント。本編のマイナソーとはデザインの法則性が違う究極大サタンだが、右胸のレリーフがマイナソー共通の第二の顔に見えなくもない。因みにグリーンとブラックは惑星ネメシスに招待されてはいたが、トーナメントや究極大サタン戦には参加していない。
他の戦隊作品からのスーツ改造怪人は、過去に『宇宙戦隊キュウレンジャー』のサザンキングが居る。
他番組のスーツを流用した怪人としては「最強のマイナソー」として扱われ、後にはリュウソウジャーの窮地を救うきっかけになる等、破格の扱いを受けている。
もっとも、究極大サタンの元ネタが恐竜スーパー戦隊の原点である恐竜戦隊ジュウレンジャーの大サタンにある事や、名前の「サタン」も流用している事を併せて考えると、意識して演出された可能性がある。
宿主の呪いの鏡だが、夜中に見ると言う条件が揃っていなかった事もあり、その呪いを見せる事はなかった。もしかすると「そもそも『呪いの鏡』と言われている」だけで、本来は普通の鏡だったのかもしれない。ちなみに『ジュウレンジャー』にも破滅の鏡という名前の鏡(こちらは鏡を見た相手が粉砕されて死ぬ)が登場している。
番組終盤の47話において唯一のリュウソウジャーから生み出されたマイナソーである。また、ほかのリュウソウ族のマイナソーは自然発生な為、クレオンから生み出されたリュウソウ族のマイナソーとしても唯一。
このサタンマイナソーが2020年代の最初に登場した戦隊怪人となる。
シアターGロッソにも登場した。
関連項目
シンマイナソー:こちらは霧を媒体に幻を作り出す能力を持つ。
ドドメキマイナソー、ジャックオーランタンマイナソー:感情を奪う能力を持ったマイナソー繋がり。前者は優しさを奪い、後者は憎しみを集めて雨を媒体に拡散させる。
大サタン:恐竜スーパー戦隊1作目『恐竜戦隊ジュウレンジャー』に登場した元祖。
ドーラガンサク:同じくジュウレンジャーに登場した怪人で、スーツが過去作怪人の改造品(鳥人戦隊ジェットマンのトランザの衣装)繋がり。
ジュゴーン・マナッティ:昨年に登場した怪人で、こちらは心配事と言う形で人間の恐怖を煽る。
トマト大王:『鳥人戦隊ジェットマン』に登場した怪人で、こちらも同じく戦隊メンバーの内に潜む恐怖心から生まれた繋がり。倒す為には本人が恐怖を乗り越える必要が有る点も共通。