「ウレルゥゥッ~!」
データ
属性/怪人型モンスター
分類/オペラハウス目ファントム科
身長/186cm~45.6m
体重/285kg ~698.2t
分布/隠された小部屋
経験値/481
概要
第42話「決戦のステージ」に登場するクレオンがワイズルーの一世一代のショー(作戦)のために、劇作家の男性・玉田から生み出した、幻獣「ファントム(怪人)」の伝説を司り、その風貌を得たマイナソー。
真っ白なスーツを着た恐ろしい形相の怪物が、オペラハウスの屋根ドームとシャンデリアを模したマスクを被ったかの様な姿を持つ。
事前に用意した台本の通りに他者を動かせる能力を持っており、右手に持った杖型の万年筆で書いた文字で表せる事象を発生させる事も可能。
具体的には、『開幕』『第2章』と書けば台本内の配役へ割り当てられた人物を舞台に引き込んで操り、『かくしべや』と書いた周辺の空間を人目から隠す芸当も出来る等、応用性が非常に高い。この能力をワイズルーは活用し、悲恋の物語『ロミオとジュリエット』の舞台にリュウソウジャーを立たせて翻弄、劇中の悲劇を再現させる形で抹殺しようとする。
操られた人物が立つ舞台には直接近寄る事は不可能(こちらはワイズルーの妨害の可能性がある)で、舞台を止めるにはマイナソーを叩くしか無い。
しかし操る媒体の台本が破かれるなりして書いてあったト書きが欠落すると部分的に操りが解けてしまう等、応用性が高過ぎるが故の穴もある。
宿主は「最高に売れる芝居を作りたい」と言う願望を思い詰めたマイナス感情を抱えていて、それを見出したクレオンに唆されマイナソーを生み出した。
戦闘では「ウレルー!」と鳴きながら自らの能力を駆使して戦うも、総合的な戦闘力は大した事が無いが、宿主の感情の影響なのか、舞台を邪魔されると怒って誰であろうと容赦なく襲い掛かる凶暴性を持つ。
と言うよりワイズルー達からは文字通りの舞台装置扱いをされており、迂闊に巨大化しない様宿主と共に舞台ホールの一角に隠れ潜んでいた。
活躍
商品になる演劇がなかなか思いつかず、頭を悩ませていた玉田の元に、リュウソウジャー討伐に燃えるワイズルーとクレオンが来訪し、クレオンが玉田に体液を飲ませた事で誕生。
ワイズルー達は作戦を実行に移すため、リュウソウジャーを劇場へと招待しようとする。
玉田を隠し部屋へ隔離した後、「ドルイドンのアジトを見つけた」とのトワの連絡を受けて集結したリュウソウジャーが集まってくれたので、ワイズルーの指示で万年筆で「開幕」と描き、自らの能力でワイズルーがプロデュースする演劇へと引き摺り込んだ。
第1幕「オープニングショー」が始まり、マイナソーの力でメルトとトワは強制的にワイズルーのバックダンサーへされ、ワイズルーが大熱唱した後に催眠術をかけられて退場し、すぐさま第2幕へと移行。
第2幕「悲恋物語」ではアスナとカナロに、『ロミオとジュリエット』をワイズルー自身がアレンジした歌劇で演じさせ、原作のエンディング通りに2人を毒殺しようとするが、シナリオを長引かせる為に2人が途中でアドリブを挟んできたので進行が停滞、隠し部屋に待機していたクレオンと共にイライラしていた。
しかし、劇に参加していないので自由に動けるコウとバンバがマイナソーを探していた所、マイナソーの力で隠し部屋があるとコウが推測し、バンバがミエソウルで舞台ホールの一角に「かくしべや」と書かれてた所を発見され、コスモソウルで強竜装したレッドによって隠し部屋の侵入を許してしまうが、舞台を邪魔された事に怒ってレッドとブラックに襲いかかる。
自身が交戦している間、自分が目立たない事に立腹のワイズルーがシナリオを無理矢理変更する様クレオンに指示し、焦ったクレオンが台本を破る形で強引にシナリオが進んだ結果、アスナとカナロに服毒させる事に成功。
しかし、『ロミオとジュリエット』の内容を知っていたカナロが密かに毒薬を龍井尚久から手渡された、『ガチンコドリンク』と言う倒れる程激辛の健康ドリンクにすり替えていた。しかもクレオンが、台本のト書きの「毒」の部分も誤って破ってしまったのでシナリオが無効になり、毒殺に失敗してしまう。
それでもお構い無しに戦いを続けていたが、騒ぎに気付いて目を覚ました玉田がワイズルーが書いた台本を見て、その脚本の内容に激怒した事で放出した大量の生命エネルギーを取り込み成長、巨大化。劇場を突き破って市街地へと移動を開始してしまう。
劇場を脱出したリュウソウジャーは直ちにマイナソー討伐へ向かおうとすると、今回ばかりはリュウソウジャーとの決着を付けるべく本気のワイズルーがそれを妨害し、コウ/リュウソウレッドに挑戦状を叩き付けてきたのでそれにレッドは応じ、残る5人はマイナソー討伐に急ぐ。
市街地に到着するも、追い掛けてきたキシリュウオーファイブナイツブラックとキシリュウネプチューンと交戦。
万年筆で「バクハツ」と描いて周囲を爆破して先制攻撃を仕掛けるが、キシリュウオーファイブナイツブラックが投げたタイガーブーメランを喰らって万年筆を手放してしまい、そのまま相手が繰り出す多彩な攻撃を叩き込まれて追い詰められる。
最期は、キシリュウオーファイブナイツブラックが繰り出した「アルティメットスラッシュ」とキシリュウネプチューンの「トルネードストライク」の合体技で切り裂かれ、「ウッ、ウレルゥゥゥ…!」と叫んで爆散した。
その後、復調した玉田は「売れる芝居に囚われているから、ドルイドンに付け入る隙が出来た」とバンバに指摘され、売れることに固執していた自分の行いを反省したが、バンバの姿を見て役者としてスカウトしようとしていた。
余談
経験値は『芝居』の語呂合わせ。(し(4)ば(8)い(1))
ワイズルーが倒された事でマイナソーを活用する幹部陣が全員倒され、プリシャスの方もエラスの力を借りてマイナソーを必要としない自身の新体制へと移行したのでマイナソーが必要なくなってしまい、このファントムマイナソーが本編最後の新規のマイナソーとなる。
モチーフのファントムは幻獣では無く、ガストン・ルルーの小説『オペラ座の怪人』の登場人物『怪人エリック』の事。音楽や奇術に長じながら死体の様な異形の面相により表舞台に出られなかった不遇の人物で、自分が恋したオペラ歌手を表舞台に立たせるべく客席にシャンデリアを落とす凶行に走っており、それがマイナソーの被るマスクに反映されている(前方の仮面が映画『ファントム・オブ・パラダイス』のウィンスローの被ったマスクに似ている)。
また舞台裏に潜んでいたのは、エリックがオペラ座に隠れ住んでいた事を意識した物と思われる。
デザイナーの久正人氏曰く、演劇モチーフから怪人エリック(ファントム)と亡霊のファントムを掛け合わせた亡霊のマイナソーとしてデザインしたとのこと。
また、鼻の刃のだんだら模様は漫画『ファントム無頼』に登場するファントムの尾翼のマーク、マイナソー共通の尻尾は人魂風のものになっている。
声と宿主の玉田を演じた村岡弘之氏は、これまでのスーパー戦隊シリーズでゲスト戦隊怪人のスーツアクターを何度も務めている。
前年の快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャーの最終回では、ワイズルーの声役である緑川光氏の演じたカーゼミーのスーツアクターを務め、更に当作の1号怪人ルレッタ・ゲロウの声及び人間態を担当した。因みにルレッタのスーツアクターを務めたのは、リュウソウレッドを演じる伊藤茂樹氏である。
スーツはネクロマンサーマイナソーの改造。上半身が異なり、下半身も白一色でリペイントされているので一見新造の様に見えるが、ネクロマンサーマイナソーの特徴的な模様がそのまま残されている。
ちなみにネクロマンサーマイナソーは『現世とあの世を繋ぐ舞台装置』の役割を担い、死者と生者を入れ替える心霊関係の能力を披露している。
なお、この回の『ロミオとジュリエット』では最期は二人とも服毒自殺だが、原作ではジュリエットの死因は短剣での自殺である。
アスナが読もうとした本の作者として太陽戦隊サンバルカンの豹朝夫の名が登場している。
関連タグ
グリモワールマイナソー:こちらは描いて貰った絵を実体化する、汎用性が高い能力を有したマイナソー。ワイズルーはこの能力を気に入って使いこなした。
ゴーストシップマイナソー、ポルターガイストマイナソー:幽霊=ファントム繋がりのマイナソー。後者はどちらかと言うと心霊現象だが。
魂の活動屋グロカン:芝居の脚本をテーマに、戦隊メンバーを追い込んだゲスト怪人つながり。台本が破れた事が敗北につながった点も同じ。ただし、この怪人は実は・・・
ケサランパサランのペサラン挫:9年前の戦隊に登場した、「オペラ座の怪人」繋がりの戦隊怪人。(ただしこちらは名前のみ)