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ザトウムシ

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ざとうむし

ザトウムシ目に属する節足動物のこと。豆のような体で、細長い脚を多くの種類に持つ。

概要

ザトウムシ(座頭虫)とは、鋏角亜門クモガタ綱のうちザトウムシ目に属する節足動物のこと。6,600以上の種が知られ、クモガタ類の中ではダニクモ(どれも5万種以上)の次に多い。

和名は人が杖で探りながら歩くような姿に由来する。古くは前述の特徴とクモのような姿から「メクラグモ」(盲蜘蛛)とも呼ばれていた。学名「Opiliones」(オピリオネス)はラテン語の opilio(収穫)、英語名は「Harvestman」(ハーヴァストマン、収穫者)といい、収穫のによく現れることに由来とされる。「Daddy Longleg」(デディロングレッグ、あしながおじさん)とも愛称されるが、これは地域によりユウレイグモガガンボ等、他の脚の長い節足動物を指す場合もある。

鋏角類での類縁関係は不明確。大まかな見た目に反してクモの近縁ではない。かつては学説によりダニクツコムシサソリに近縁と考えられたが、遺伝子解析に否定される。

形態

本体はのようにまとまって、これは多くの種類では8本の細長いに支えられて宙に浮く。なお、一部の種類(ダニザトウムシ等)は脚が短く、ダニの様な姿をしている。背面の甲羅に1対の単眼を持つ。

茶色や黒など地味な種類が一般的であるが、意外にも多様で、派手な色を持つもの、強大なハサミや棘で重武装したものもいる。

クモとの違い

発達した8本脚を持つため、しばしば同じクモガタ類であるクモ(特にユウレイグモなど脚の長い種類)と混同される。両者の違いは主に次の通り。

種類クモザトウムシ
本体の形くびれるまとまる
腹部の外骨格柔軟で通常は分節しない丈夫で通常は分節する
口元(鋏角)ハサミ
能力ありなし

生態

全てが陸棲で、極地砂漠以外の環境に生息するが、湿度が高く植物の多い所がメイン。腹面の気管で呼吸する。

ほとんどの種類は視力が悪く、脚で周りを察知して歩く。脚が極めて細長い種類では、脚先が触手のように物を巻いて掴める。基本は単独で行動するが、群れに集まることもある。

ほとんどが雑食性で、などを捕食する他、死体キノコなどの真菌を食べることもある。マイマイカブリみたくカタツムリを主食とする種類もいる。

また、クモガタ類類の中では唯一、固体の餌を呑むことができるグループである(他の種類はほとんどが液体しか呑めない)。

天敵に対する防御手段は多様で、硬い外骨格・擬態・警告色・忌避物質・死んだふり…そして何より脚を自切することが代表的である。切られた脚はしばらく小刻みに動き、天敵の気を取る隙に本体が逃げる。なお、切られた脚は再生できず、機動性にも影響するためコストがかかる防御手段でもある。

クモガタ類の中では例外的にオスはペニスを持ち、真の交尾を行う(他の種類は「交接」で、精包など間接的な方法で精子を雌の生殖孔へ注ぐ)。メスもそれに劣らず長い産卵管を持つ。

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