プロフィール
概要
人の声を真似、人間を騙し溺死させる水の魔物リュムナデスそのものの能力を持ち、敵の心を読み相手の大切な人の姿に化けて安心させ殺す戦法を取る心の狩人。
化けている対象の技も真似できるが、本当に変身しているのか一種の幻覚技で表面だけをなぞっているのかは不明。
星矢に対しては「魔鈴に扮した姉・星華」(当時は星矢は魔鈴の正体が星華ではないかと思っていた)、氷河に対しては師匠のカミュ、瞬に対しては兄の一輝の姿になって油断した所を襲おうとし、前者2人はすんなり成功している。
瞬はチェーンが殺意に反応し、一旦は正体がバレてあわや止めをさされかけたが、再度一輝に化ける。重度のブラコンな上情にもろい瞬は、偽物と分かっていても攻撃の手を緩めてしまい、その隙を突かれて倒される。
その後、倒れている瞬を蹴りまくっていたところ、本物の一輝が出てきて当然のように怒りを買い痛みつけられる。瞬に化けて攻撃の手を緩めさせようとするが、「本物の瞬がここにいるのに化けてどうする」という突っ込みと共にとどめを刺された。
今際の際に、一輝の心の奥底にしまわれていたエスメラルダの存在に気付いたが、既に変身する余力は残っておらず、そのまま死亡した。
人格・実力ともに高い者の多い海将軍の中では、際立ってゲスな存在である。とは言え、戦法が卑劣なだけでポセイドンへの忠誠心と任務への忠実さは本物で、カノンやソレントにも評価されていた。
なお、一輝から鳳凰幻魔拳、左右のストレート、鳳翼天翔の4連コンボを受けながらも立ち上がって反撃しようとしているので素の実力は結構高い方であると思われる。
派生作品である『海皇再起』ではバックボーンが描写される。女遊びが好きな毒父のネグレクトにより病弱な母が倒れ、自身もストリートギャングに近い小悪党に成り下がった出自と性格が歪んだ理由が明かされた。その生き方の中で演じたり騙したりを重ねていく中で自分自身も騙してきたため、人間嫌いを拗らせつつ心に穴が空いたままとして、何かを成し遂げたいと言う無常感と孤独を抱いており、海将軍に選ばれたことでポセイドンに対して神も人間嫌いなのかと共感を抱きつつ、『神に選ばれた戦士』としてようやくアイデンティティを抱くに至った。
海将軍の中でも特に砕けた性格とあって、ムードメーカーに近く、場を弁えた範囲でカノンの所業を言及している。しかも、カノンとも真意を確かめた後はまがりなりにも海将軍最強の実力を認め、仕事も楽できると不信感を抱かず肩を並べて(彼は鳳凰幻魔拳で自分の命だけは傷付けられない臆病な面が暴かれている)事に当たっている。
人として悪党であるカーサが海将軍に選ばれた理由に、海皇再起の作者須田氏は神の考える人の悪性は『自然の理に逆らい害をなす、一生物としての分を弁えない傲慢さ』であって、人間が作った法や理を犯すことは、神にとっては取るに足らない小さなものとのこと。
上記にある通り、カーサのポセイドンへの忠誠に嘘はなく、心の内には『死んだ母に何か自慢したい』と言う純粋さを隠し持っており、ポセイドン軍の地上粛清も、地上には救う価値はないと言う建前があったが、実際は1人の男の野望で、海将軍の人生は正当性の失った無駄死にとなり、『神に選ばれた戦士』と言う純粋な思いは打ち砕かれ、蘇った時のカノンへの怒りは当然である。
技
- サラマンダーショック
曰く「リュムナデス最大の拳」。
小宇宙を集中し、両腕から稲妻の如きエネルギーを発射する。「サラマンダー」の名前通り、小宇宙を集中している際にはアホロートル(メキシコサラマンダー)じみた怪物のイメージが投影される。ちなみに鱗衣のデザインもそんな感じである。
なお、リュムナデスは他者の声を真似る怪物である事には違いないが、本来、彼女らは「ナーイアス」(海や水の精霊)の一種でどちらかといえば女性に近い外観をしている。
- 心を読む力(仮称)
変身して相手を惑わすための布石として用いる。
白銀聖闘士に心を読む「サトリの法」を会得した猟犬星座のアステリオンがいたが、彼と比較すると、アステリオンは「今考えていること」を読むため、格闘戦の攻防で先読み可能と言うメリットを持つが、逆に考えていないことは読めないと言う欠点がある。
カーサはリアルタイムで心中を読む事は出来ないため、格闘戦で優位に立つ使い方は出来ない。しかし、逆に今考えてなくとも心に残っていればカーサに見抜かれることに繋がる。しかし、じっくり心を読むと、少なからず時間がかかる欠点が存在しており、心の奥に隠されていた一輝のエスメラルダの思い出は簡単には見つけられなかった。その欠点を補うためか、姿を隠すハイドロミラージュで柱に向かってくる戦士には中々辿り着けない幻覚をかけ、妙な気配を抱かせていた。
- 変身能力
相手の心を読んで、親しい相手に変身する。単に表面的な変身ではなく、言葉を交わしただけでは見分けがつかない程度に性格や所作を真似ており、技などもある程度真似出来る。
- ハイドロミラージュ
周囲の水分を操り、自身の姿と音を隠す技。ある程度の密着は必要になるが、仲間も1人なら一緒に隠すことも可能。
海皇再起で技名が判明したが、ポセイドン編で瞬との戦闘で1度姿を隠している。また、自身が守護するピラァに近付く敵に妙な気配を与えていたことから、戦闘前に敵と接触して心を読み、心の隙を見つける伏線にしていると思われる。
- エビルアイズハレーション
真鱗衣で放つ技。閃光を浴びせた相手の過去を追憶させ、精神を完全に無防備にする。
余談
海闘士の中で唯一、ヘルメットが脱げる場面が無いため髪が出ない。
そのため、フィギュアでの髪型は原作者の車田正美先生が監修したデザインを採用している。
海王再起では、黒髪の短髪であり、肉体も細身というかやや痩せこけた感じなのが判明した。
別名・表記ゆれ
関連タグ
ゼータ星アルコルのバド:悪辣に振る舞うが、心の奥底に純粋な想いを抱えている点が共通する。