概要
ポセイドンに仕える戦士海闘士のトップである七人の海将軍の一人。
しかし実は海闘士などではなく悪に走った聖闘士の離反者で、双子座のサガの双子の弟である。
本項ではポセイドン編のカノン及び海将軍としての活動について記載する。
後に改心して聖闘士に立ち戻り、双子座のカノンと呼ばれる事となる。
詳細は双子座のカノンを参照。
経歴
北大西洋の柱を守護する、最強の海将軍。
当初はポセイドンに唯一の謁見した存在として、ポセイドン軍の指揮権を得ると同時に、ポセイドン軍に素顔と正体を晒さなかった。
海将軍が揃い、サガの乱で黄金聖闘士たちが半分となり、アテナが戻ったとは言え聖域の不安定さを好機と見てを開始する。
更に体内にポセイドンが眠っていたジュリアンも、ポセイドンの銛を手にして海王となる。
雑兵によるアテナの拉致が失敗して、今度は海将軍のソレントを派兵すると、アルデバランと星矢たち4人を守るためにアテナは、海底神殿に赴き、ポセイドンとなったジュリアンとの対話で、メインブレドウィナにアテナを囚われると、聖闘士に宣戦布告をし、アテナ軍とポセイドン軍の共倒れと、ポセイドンの世界洪水による世界の疲弊を利用して野心通り世界征服を目論む。
海底神殿に来たのは青銅聖闘士だったが、カーサの活躍とクリシュナと紫龍の相討ちで、自分が守る柱を放棄して唯一、戦闘可能な一輝の前に現れ、彼を圧倒する。
そこでギャラクシアンエクスプロージョンを放ったことで、正体を明かす。
カノンの野望も大半を達成し、後は一輝を葬りアテナの死を待つだけとなったので、一輝の不死身さを警戒して、ゴールデントライアングルで異次元に閉じ込める。
その後、ポセイドン軍の動向に疑問を抱いたソレントから、実は黒幕がいてアテナとポセイドンが戦い合うことを望んでいるのではと疑問を呈する。
しかし、青銅聖闘士たちが立ち上がり、残る柱の破壊阻止のため柱の守護に戻る。しかし、星矢たちがポセイドンの元へ直接向かったことで、カノンは北大西洋の柱の守護のため、足止めを受けてしまい、計画に狂いが生じ出す。
異次元から戻ってきた一輝の鳳凰幻魔拳を受け、海将軍となった過去を暴かれる。
アテナが聖域に降臨した頃、カノンはサガにアテナを殺め、兄弟共に聖域の支配を口にし、サガも看過出来ないとスニオン岬の牢に幽閉されてしまう。
カノンが囚われた牢は、潮の満ち引きで牢の中が海水で満たされたため何度もカノンは溺れかけるが、暖かい小宇宙がギリギリのところでカノンを守り、生き延びた。
ある時、カノンは牢の奥の壁に何かを感じ、そこなら砕けると渾身の力で破壊した先には、アテナの封印がされた三つ叉の鉾であり、カノンは引き抜くと海底神殿に引き込まれていた。
無尽の海底神殿を散策したカノンは、そこで封印の力が殆ど尽きたアテナの壺を開けてしまったカノンの前に、封印から目を覚ましたポセイドンが現れ、咄嗟にカノンは復活の時期が来たとシードラゴンを名乗り、ポセイドンは自身と縁のあるソロ家のジュリアンの肉体に宿り、彼が16歳の時に復活を宣言したことで、それまでのポセイドン軍の掌握にカノンは成功した。
ジュリアンと対峙した星矢が射手座の黄金聖衣を纏い、更に紫龍と氷河、シャイナも集結して、ポセイドンの兜を黄金の矢が射貫き、ポセイドンは完全覚醒をしてしまう。
ジュリアンとポセイドンの狭間で、曖昧な状態を盾にポセイドン軍の指揮権を掴んでいたカノンにとって、ポセイドンの完全覚醒は自信の野望の終焉を意味してしまう。
もはや八つ当たりに等しい怒りを一輝にぶつけ、彼だけは倒そうとするが、カノンの野望を知ったソレントと、天秤座の聖衣を運ぶ貴鬼が訪れ、最後の柱を破壊されてしまう。
その後もその場に残り、カノンと戦う一輝が、ポセイドンを封印していた壺のありかを問われ、更に先の鳳凰幻魔拳でカノンの過去を見た一輝にスニオン岬の牢屋に幽閉されていた際に、何度も暖かい小宇宙=アテナの小宇宙に救われていた事実に気付かされたカノンだったが、計画の破綻で自暴自棄に陥っていたためにより絶望感を煽るべく、海底神殿最大の強固な場所に隠したことを伝える。
自分の恩人に目を背け、醜い八つ当たりばかりのカノンに、一輝もソレントももはや戦う価値はなしとカノンを置いて去っていく。
そのことで、ようやく自分の過ちと向き合ったカノンは、海底神殿の崩壊の中で対峙するアテナとポセイドンの、三つ又の鉾の投擲からアテナを庇い、鉾は引き抜いた自分が受けるのが相応しいと倒れる。
ここで死亡したかに思われたが、次編の冥王軍にてアテナへの恩義と贖罪のため、聖闘士復帰を申し出る。
外伝『海皇再起』では、ネメシスの暴挙から地上を守るべく、海将軍たちの一時的な蘇生と共にポセイドンは冥王ハーデスからの依頼で再び戦いに身を投じることとなる。
ソレント以外の海将軍たちは、不意の蘇生に疑問と戸惑いを抱き、かつて行う必要のない地上粛清は無用な犠牲を出しただけに終わり、自分たちも死した結果をもたらしたカノンが関わっているのではないか、そうでなくとも恨み言をぶつけられる。
カノンも、内心で申し訳なさが天元突破していたため、無言で受け止め続けたが、主君のポセイドンから諫められ、新たな戦いを命じられ、ネメシスとの戦いを決断する。
進行中に、カノンに不信感を抱いていたカーサ、アイザックの暴行の伴う追求に対しても無抵抗を貫き、信用を得る。
アイザックは単独で先行するが、まがりなりにも海将軍最強の実力は認めているカーサは監視役とカノンとの協力する利を認めて同行を選択。
海将軍の中で、悪徳な手段も辞さないタッグを組み、竜牙のカドモスと遭遇して、タッグで挑む。
2体1も辞さずにギャラクシアンエクスプロージョンとサラマンダーショックを、腕力で受け止め跳ね返され、劣勢に。真正面からは勝てないと見越して、ゴールデントライアングルを放ち、カーサに心を読む時間を稼ぐが、カーサでも読めない虚無を持つカドモスの反撃を受け、1度は心が折れてしまう。
敗北したカーサから、過去を語り合う中で、このまま終わりたくないと言う思いからカーサは真鱗衣に覚醒し、カーサの作った隙をついて幻朧魔皇拳を放ち、カドモスにネメシスの元へ案内と、カドモス自身の手でネメシスを討つことを命じる。
その後、カドモスはネメシスの神殿の裏口から寝所に向かい、その守護をするポルクスは、話を聞かないカドモスを倒してしまう。
カーサのハイドロミラージュで身を隠して通過しようとするが、見抜かれてカーサも倒され、単身ポルクスに挑む。
ポルクスが双子座の神話に登場する双子の片割れであることに皮肉な宿命を感じながら攻撃を仕掛けるが、カノンの攻撃は全て空を切り、逆にポルクスのボクシングに一方的に打ちのめされてしまう。
実力差に圧倒されたカノンは、かつてラダマンティスとの決着時と同様、相手を拘束して自爆による相討ちを狙うが、いつの間にかポルクスは拘束から逃れ、ボディに攻撃を打ち込まれ、再度ダウンしてしまう。
全く攻撃が当たらないポルクスの防御術を破られなければ、根本的に勝負にならないとカノンはポルクスの何かに気付き、鱗衣を脱いで第2ラウンドだとポルクスに挑む。
余談
聖闘士聖衣体系のシードラゴンスケイルのオブジェ形態は作中の海龍形態とタツノオトシゴ形態の2形態に変形する。タツノオトシゴ形態を保持するために三角形の台座が付属しており、カノンのゴールデントライアングルを想起させた。
筆者は学研の図鑑「魚」でタツノオトシゴの近縁種にシードラゴンがいる事を知っていたので当然のように受容していたが後年知己を得た星矢ファンにとってはなかなかの衝撃だったようである。
全くの余談だがシードラゴンはカノンの守護する北大西洋ではなくオーストラリア近海の南太平洋に生息する。
ピクシブでは
ピクシブのタグとしては、鱗衣を着用しているなどの海将軍としてのカノンの姿を描いた作品に使用されている様子である。
スピンオフ海皇再起の展開で今後増えていくかも知れない。