プロフィール
概要
北太平洋の柱を守護する海将軍。海底神殿では一番手で登場。ペガサス星矢と対戦。
攻撃・防御とも高い能力を備え、息吹で敵を吹き飛ばす「ゴッドブレス」や、腕の旋廻で巻き起こす空気の防御壁など気流を操る闘技に長けている。
対峙した星矢を初めは全く寄せ付けず、星矢からも黄金聖闘士に匹敵すると評される。が、星矢は黄金聖闘士の血で強化された聖衣に守られ、また同様の防御法の使い手である蜥蜴座のミスティとの戦闘から防御壁の仕組みを看破された事で「黄金聖闘士には及ばない」と先の評価を撤回され、次第に追い詰められて最後はペガサス彗星拳で倒された。
ライジングビロウズの威力や堅牢な防御など、素質として見れば黄金聖闘士に匹敵するであろう。しかし、ライジングビロウズから聖衣に傷一つなく戻ってきた星矢を見ても「たかが青銅」と言う評価を変えず、空気の防御壁を破られ攻撃を受けても余裕を(悪い意味で)崩さなかった。一方で、逆境と激戦を潜り抜けてきた星矢は、経験を活かして防御を破り、攻撃を当てて鱗衣が砕くや、必殺技を出させる暇を与えず速攻で決めている。倒しきれない相手を侮り続けた詰めの甘さ、実戦勘と戦闘経験の積み重ねこそバイアンに足りなかったものであろう(設定で海闘士はその運命にある者や小宇宙に目覚めた者が鱗衣を纏うことでなれるので、修行の必要がない)。
星矢は、この戦いでは大して消耗せずに勝利し、次の柱に向かう。
海皇再起で、他の海将軍と共に蘇り、主君の命によりネメシスとの戦いを受諾。
他の海将軍は、敗北と死を糧に成長を見せたのに対し、バイアンは飄々とした余裕のある態度は変わらず、悪い意味で「甘さ」が抜けておらず変わっていない。行動を共にするイオは、ドライだが目的に徹する様になったのと対照的に描写されている。
敵の幻覚でソレント、イオの3人に分断されたが、それぞれの力と技で幻覚を破ると、その張本人たるテレプシコラが女性だと知るや、気乗りしない様子だった。
しかし、ソレントにその場を任してイオと前進し、アイネイアースと対峙。彼から、もしも海将軍に選ばれずに歩む人生、ifの世界に送られる。
学生時代は期待の水泳選手で、環境に関する論文も認められて卒業後の進路に外国の天才育成機関への推薦も受けるほどの文武両道の青年で、美人の彼女もいた。そんな彼にいけ好かない不良達も返り討ちにしており、全てに優れ、恵まれていた。
そんなバイアンも、胸中に虚しさを感じていた。恵まれていることの退屈などではなく、優れた自分でさえ、天災や人より上位なる存在からの気紛れで滅ぼされる現実を理解していたことだった。同時に根は人が好い彼は、周囲からの期待を裏切れずに推薦通りの道を歩もうと決意していた。
その世界に、イレギュラーな存在、人魚が現れる。テティスだった。
海将軍としての使命を思い出し、例え死する未来があっても自分がかつて選んだ道に悔いはないと、イオと共にアイネイアースに挑む。
波状攻撃と、格闘戦は不得手なアイネイアースだったが、神の力を借りた暴風の力で形勢は逆転されてしまう。それでもイオは特攻して、羽交い締めに成功し、自分ごとアイネイアースを倒せと叫ぶが、バイアンは味方への攻撃を躊躇ってしまい、イオは反撃を受けて倒れてしまう。
仲間の覚悟を無駄にし、自身の甘さを痛感したバイアンは、アイネイアースのとどめの攻撃を空気の防御壁で対抗。かつて自分が敗北した少年の様に、鱗衣が砕けても泥臭く粘っている間に、イオが目覚めてきて、2人の小宇宙が共鳴するかのように高まり合い、イオと共に真鱗衣に目覚める。
格闘戦で圧倒したが、アイネイアースは暴風コロッサルタイフーンで対抗。バイアンとイオは互いの必殺技を掛け合わせたサイクロンメイルストロームで跳ね返し、勝利。
その後は追い掛けてきたクリシュナとソレントと合流する。
技
- ゴッドブレス
強烈な息吹で敵を吹き飛ばす。
一発目から数回は星矢も見切れずに喰らってしまったが、黄金の血で強度が増していた聖衣の前には大したダメージを与えられず、最終的に見切られ受け止められてしまった。
- ライジングビロウズ
巨大な水柱で敵を打ち上げる。その威力は、星矢を海底から海面まで吹っ飛ばした程。
ゲーム「ソルジャーズ・ソウル」では旧アニメ版を思わせるエフェクトになっており、原作再現度が高い。
- 空気の防御壁
体の前面で両手を旋回させ、ジェット気流を作って攻撃を防ぐ技。海底で湿度が異様に高いため、攻撃が当たった部分に波紋が生じていた。
海馬(シーホース)について
肩書の「海馬(シーホース)」についてだが、これはタツノオトシゴのことではなく、上半身が馬で下半身が魚の神話生物ヒッポカンポスの事である。神話ではポセイドンをはじめとした海の神の乗り物となっている(本作でのオブジェ形態は、魚の尾を持つペガサスと言って良いデザインだったが)。
ちなみに「聖闘士聖衣体系」では海龍のカノンの鱗衣がタツノオトシゴ形態に変形するので当時はややこしかったらしい。