概要
フィリピン辺りからずっと東にある孤島「ウェーク島」に生息していた小鳥。大きさ30センチくらい。
天敵がいないので飛べなくなり、この島に唯一生息する鳥だった。
闘牛よろしく赤い布を振ると寄ってくるというかわいらしい習性があったそうな。警戒心も薄かったらしい。
絶滅の経緯
1.太平洋戦争でウェーク島が日本軍に占拠された
2.攻め込んで奪い返すよりも補給線を絶って兵糧攻めにした方が効率的だ
3.食べ物がない→この鳥食糧になりそうだ
4.マトモな食料がないのでもはや手当たり次第に狩りまくる「意地でも生き延びてやるんだ!」
5.そうした抵抗も空しく日本降伏
6.終戦後に島を調査したところ生存個体は0だった
仏教の言い伝えには飢え死にしそうな聖人のために自ら身を捧げたウサギの話が出てくるが、こっちはそんな美談でもなんでもなく、モロに戦争の犠牲。
当時を知る体験者の証言とはまた違った形で「戦争の愚かしさ」を語る存在となってしまった。
ウェーク島の兵士の飢えを救ったウェーククイナは1944年に絶滅したのである。
余談
この太平洋戦争で絶滅した鳥がもう一種おり、その名はレイサンクイナ。
こっちはハワイ諸島のレイサン島に生息しており、環境破壊にネズミの乱入のせいで絶滅した。
毎年戦没者が追悼されるが、その裏では彼らも犠牲になった事も忘れないであげてほしい……。
関連記事
スチーブンイワサザイ→スズメの仲間(クイナはツルに近縁)だがこっちは灯台守の連れてきたネコに食べ尽くされた。1900年頃に絶滅。