概要
1987年公開の映画ドラえもん第8作。地底に存在する恐竜の国を舞台にドラえもんたちが地球の歴史を揺るがす大事件にかかわっていく。本作は第1作『のび太の恐竜』と同じく、原作者の藤子・F・不二雄が大好きな恐竜がテーマになっている。
あらすじ
ピー助との別れから時は過ぎたが、のび太はいまだに地球のどこかに恐竜がいると信じていた。しかしそのことをスネ夫に笑われ、100%の的中率を持つドラえもんのひみつ道具「○✕うらない」を使っても「地上に恐竜は一匹も生き残っていない」と夢を打ち砕かれてしまう。
そんなある時、スネ夫は絶滅した筈の恐竜の姿を度々目撃するようになり、ショックでノイローゼになってしまう。一方のび太は0点の答案を隠すために「どこでもホール」で地下大空洞を捜し当て、そこに秘密基地を作ってみんなを遊びに誘う。
しかし、スネ夫は地下大空洞でまたもや恐竜の群れを目撃してしまい、ただ独り、自分が見たものの正体を突き止めるべく単独行動を続けた末、地底深くに迷い込み行方不明になってしまう。ドラえもんらがそのことに気づいた時にはどこでもホールを壊されたことで地下には行けなくなってしまっていた。
スネ夫が落としていたビデオカメラを手がかりに、多奈川の底から地下大空洞につながるトンネルを見つけたドラえもんたちは、スネ夫を救出すべく地下世界へと潜入する。
そこは、巨大な植物がうっそうと生い茂る、恐竜たちの世界だった…!!
世界観・用語
本作の重要なキーパーソンであり、いわゆる地底人。恐竜の中で最も知能が高いと言われるトロオドン(作中では執筆当時の名前のステノニコサウルスと呼ばれる)が6500万年かけて進化した生物。高い知能を持ち、オルニトミムスに似た恐竜に跨り活動する。次元船というプレートをすり抜けられる地磁気船が発明されており世界各地の地底空洞(彼らはこれらの大空洞を「大陸」と呼称する)に文明社会を築き上げている。
神への信仰心に篤い者が多く、高い宗教性と道徳性・技術力を持った種族であり、迷い込んだ地上人に対しても、それなりに警戒心は強いものの殺さずに地上へ送り返すなど基本的には穏健。
バンホーらも、地底世界の安全と秘密保全のための厳しい掟の存在を示唆しつつも、ドラえもんらが危機に陥れば見捨てずに助け、約束通り地上に送り届けてくれたりと、地上人に親身に接している。
一方でナンジャ族のように原始的で野蛮な、文明を固辞する種族もいる。
- 地底国
ネッシーや河童などの爬虫類系のUMAの正体は地上に迷い出た恐竜やナンジャ族達だと示唆されている。
閉鎖された地底空間であるため排気ガスを出す化石燃料などは用いられず、自動車の代わりに恐竜の馬車が用いられているが、リニアモーターカーなど極めて高度な科学文明が築かれている。
のび太たちの住む現代と同時代に存在しつつもその技術力は次元転換船にとどまらず、実用に耐えうる巨大なタイムマシンを建造する程で、地上世界はおろか22世紀の未来をも凌駕している。
地下なので太陽は存在せず、本来は真っ暗だが、22世紀のバイオテクノロジーが生み出したはずの日光ゴケが岩脈に自生しており、これが24時間ごとに萎む事によって昼夜が存在している。
季節は存在せず、雲もないので雨や雪も降らない。
街の外れは原生林となっており、恐竜が昔のままの姿で生息している。
地上人が地底に迷い込んだ時には、経歴や住所氏名、ウィルスや病原体の保持、危険物所持の有無など、徹底的に調査をした後で記憶を消してから地上に戻すようにしている。
主な登場人物
地底国の騎士で本作の看板。理系男子。勇敢で心優しき指揮官。普段はメイン画像のように兜を被っている。
兜を脱いで素顔を見せた際にはのび太たちに「人間ばなれして見えたもんで」と驚かれるが、それに対して恐竜人類という種族の違いから「失礼だなあ、ぼくからみればきみたちこそ、"人間"ばなれしてみえるんだぞ」と伝えはしたものの、紳士的な対応は崩さないナイスガイ。
体色は緑。
- ロー(CV:神代智恵)
関連項目
地底大魔王の謎 - ドラえもん学習ゲームブックの一つ。この映画の続編と言っても過言ではない内容のゲームコミックでもある。
ゲッターロボ - 設定が非常によく似ているが、たぶん気のせいだろう…、と思いきや、実はてんとう虫コミックス第一期のラインナップにそれぞれの第一巻があったりする。
騎士竜戦隊リュウソウジャー:恐竜+騎士繋がり
風雲!たけし城 - 同番組のパロディと思われるひみつ道具『風雲ドラえもん城』が作中に登場している。
少しだけネタバレあり
劇中で実際に見るまで地底に恐竜がいると思ってなかったドラえもんだが実は彼がロボット養成学校に通っていた頃修学旅行で地底の恐竜の国を訪れている。本作ラストで望まれていた地上との正式な交流が22世紀には行われるようになったようだ。後付け設定ではあるもののドラえもんはこの事を忘れ去っていたということになる。