曖昧さ回避
- 藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』の登場人物。ジャイアン(剛田武)の妹。本項で解説。
- マンガ『TG天使ジャイ子ちゃん』の主人公。名前の元ネタは掲載誌『TECH GIAN』からであり、更なる元ネタは同誌の初代編集長の顔が『(特撮版)ジャイアントロボ』に似ていたからと言う理由。なので1.とは無関係。なお同作者の代表作『ぱにぽに』にも端役として登場している。→二階堂光(本名)。
概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』の登場人物で、ジャイアンの妹。
cv:太田淑子→青木和代(テレビ朝日版第1期)、山崎バニラ、山田ふしぎ※一時代役(テレビ朝日版第2期)
初期はまさに女の子版ジャイアンと言って良いほどの粗暴なキャラクターだったが、出番を重ねるたびに性格は次第に緩和されていき、最終的には漫画家志望の乙女心全開な女の子というキャラクター付けに落ち着いた。
改変前の未来ではのび太と結婚する予定だったが、ドラえもんの介入により、彼女の人生もまた変わった為といわれている。後に茂手もて夫という同じ志を持つボーイフレンドができており、ドラえもんが介入している限りはもて夫と結婚する将来を迎えると思われる。
上記の通りドラえもんが来た事で未来も変化した為か、仲は進展せず1970年の「のろいのカメラ」以降10年間出番が途絶え、後にノビスケの登場によりのび太と結婚する未来が完全に消えたかと思われた。
しかし「ジャイ子の恋人=のび太」で約10年ぶりに再登場。
ジャイ子の登場にのび太、ドラえもんが警戒しジャイアンに「のび太に(ジャイ子が)好意を持っている」ことを伝えられると驚く、その後紆余曲折ありのび太が嘆くとドラえもんが「また運命が変わってきたのかな」という台詞を発言する等再びジャイ子と結婚する未来の可能性が再び浮上。
この時点で恋のライバルである出木杉が登場しており、のび太の成長という観点で未来の不確定さを表すかのような再登場になった。結局この件はジャイアンの勘違いだったという真相で事なきを得て、以降は漫画家面が強調されるようになる。
年頃の女の子らしく、やはり整った顔立ちな男子に声をかけずにはいられないようで、ひみつ道具の効果でイケメンになったのび太に、本人と気が付かずラブコールをかけてしまったこともある。
水田わさび版アニメでは料理が得意という設定が付加された。水田版アニメオリジナルエピソード「恐怖のジャイ子カレー」ではスパイスの段階からルーを作っており(その際、兄と違ってちゃんと味見をしている)、ジャイアンの前例の事で危惧していたドラえもん達を安心させた(ちなみにジャイ子の作ったカレーは黒いが、実際にブラックカレーという物が存在している。ただし、様々な料理を食べてきたスネ夫は存在を知らなかったらしく、仮病を使ってまで恐れていた)。
名前について
「ジャイ子」という名前はあくまでもあだ名であり、本名ではない。その由来はジャイアンの妹であることが分かるように、かつ女性らしい名前として「ジャイアン」の「ジャイ」に「子」を付けたものである。
ちなみに、ジャイ子の本名は決められていない。これは兄のジャイアンと同じく、藤子・F・不二雄氏が「本名を決めると同じ名前の子がいじめられないか」と心配していたことによる配慮である。ジャイアンについては本名を教えてほしいというファンレターが相次いだことを受けて「武」という本名が決められた(由来はえびはら武司)が、この時点ではジャイ子の本名は決められなかった。ジャイ子の本名についても決める動きはあったものの、結局本名が決められないまま藤子氏が他界してしまった。
そのため、いかなる場合にあっても作中に本名は登場しない。例えば、兄であるジャイアンを「武」と本名で呼ぶ母親からも「ジャイ子」と呼ばれている。それどころか、水田わさび版アニメ「どくさいスイッチ」では、(道具の力で)ジャイアンが存在しない世界になったにもかかわらず、従来通り「ジャイ子」と呼ばれている。さらに同アニメオリジナルエピソード「シンデレラはどこいった?」では、ジャイ子本人が自ら「剛田ジャイ子です」と名乗っている場面が存在する。また、映画『がんばれ!ジャイアン!!』でも、モテ夫の机に「剛田ジャイ子」という名前が書かれた紙が貼られていた。
「ジャイ子の本名はモタ子」や、「原作でスケッチブックに"香"という名前が書かれていた」という都市伝説が蔓延っているが、ジャイ子の本名は今まで一度も作中に登場していないため、全てデマかつ誤解(出典なき情報)である。前者は原作初期に登場したジャイ子に酷似したキャラクターである「ボタ子」との混同でさらに名前が訛ったもの、後者はスケッチブックに書かれた「クリスチーネ剛田」の「ネ」の文字を見間違えたもの(参照)と考えられる。
アメリカ版では「Little G(リトル・ジー)」と呼ばれており、ジャイアンの「Big G(ビッグ・ジー)」と対になっている。フランス語版では「Giannette(ジャネット)」と呼ばれている。一般的な綴りである「Jeannette」でないのは、ジャイアン(Giant)との兄妹関係を分かりやすくするために特殊な綴りを採用したという。
漫画家の夢
前述の通り、夢は漫画家である。
ペンネームは「クリスチーネ剛田」と名乗り、作中では仲間と一緒に同人誌を制作している。
「ジャイ子の恋人=のび太」の回で漫画家の夢が明かされたが、突然追加された後付設定ではなくそれ以前の回でのび太がジャイアンの家にあるインク瓶を投げつけるなど既に伏線が貼られていた。
最初はのび太に酷評されたり、投稿作がなかなか入選せずに悩んでいたこともあり、自分の作品がようやく雑誌に掲載された(ジャイ子自身は気がついていなかったが、実は彼女の悩む姿に心を痛めたジャイアンの手回しとドラえもんの道具の力によるものだった)末にプロデビューを果たすが、みんなプロの受け売りに過ぎないと作品を冷静に見直し、そしてスネ夫に漫画を見せて酷評の感想を聞かされたことで吹っ切れてプロデビューをなかったことにして欲しいと編集者に直談判するなど、漫画に対し真摯で情熱的な一面を見せている。
その後はその努力の甲斐あってなのか、漫画家の才能が少しずつ目覚め、「愛フォルテシモ」という漫画を描いた時はのび太を感動させ、投稿先の雑誌社ラフレジアの編集長からは漫画自体は落選したものの「すばらしい才能のひらめきを感じる」と電話をもらったり、「虹のビオレッタ」という漫画を小遣い貯めて自費出版した際には、その漫画を購入した漫画コレクターの学生から「結構面白い作品」「今に有名になるだろう」「そうなると(初版の)この本は古本屋で一冊10万円のプレミア物になるかもしれない」と褒められたり、「お兄ちゃん」という漫画を描いた時はもて夫を感動させ、「がんばれ!ジャイアン!!」では、もて夫と二人で発行した同人誌を完売させるほどに成長していく。
さらに大山のぶ代版アニメオリジナルエピソード「さきどりカプセル」では、未来にて「ウェディングメロン」という漫画が500万部突破するほど大成功する姿が描かれていた(さらにさきどりカプセルで召喚されてさまよって消えていくウェディングドレス姿の未来の自身の姿を偶然見かけて「ウェディングメロン」のインスピレーションが湧くというタイムパラドックスが生じた)。
なお、前述ののび太と結婚した未来では専業主婦のような描写がなされており、一族共々莫大な借金を背負う結果になったことを考えると、漫画の才能は芽を出すことすらなく潰えてしまったと考えられる(第1話の写真を見るに結婚してから借金を抱えるまでは笑顔で写っており、時間が経つに連れて肥えて行ったので幸せだったことが窺える)。
このため、ドラえもんが未来から来たことでのび太に次いで最も救われた人物として話題に上がることがある。
実写
2012年のトヨタCMの実写版ドラえもんではなんと前田敦子が演じることになった。
……が、実は二次創作では成長したジャイ子は美女・美少女で著名漫画家、というネタは以前からあった。そしてのび太のことを「未来の旦那様」と言っていることもあった。
演者がアイドルということもあってか、のび太役の妻夫木聡がデレーっと鼻の下を伸ばしているような描写もある。
2015年に放送された「T-Connect」編では、自分の名前が嫌いと言うカーナビの妖精・T子(演:渡辺麻友/指原莉乃)に、「私なんてジャイ子よ!ジャイって何!?」とキレていた。
関連タグ
水野英子…トキワ荘漫画家の紅一点。ジャイ子の漫画家を目指している点等のモチーフではないかという説がある。