父方の祖母CV:峰あつ子(1979)、高村章子(1987-2002)、羽鳥靖子(2006-)、宮本信子(2020、STAND BY ME ドラえもん 2)
母方の祖母CV:高村章子(1979)、久松夕子(2003)、稲葉まつ子(2004)、まるたまり(2007、2010)、瀧本富士子(2015、2022)
概要
藤子・F・不二雄の漫画『ドラえもん』(およびそれを原作としたアニメ)の登場人物。野比のび太の祖母。父方と母方の2人の祖母が存在するが、画像は登場回数が多い父方の祖母。
父方の祖母
本項ではのび太の父方の祖母(父・のび助の母)について記す。父方の祖母のことを、以下では「おばあちゃん」と呼ぶ。
のび助ら複数人の兄弟たち(のび助、のび助の数人の弟、のび助の妹)の母親。のび太が小学生になる前に死去。孫ののび太をとても可愛がっており、のび太は小学生に成長後もおばあちゃんの思い出を鮮明に覚えている。
おばあちゃんのおもいで
TC4巻収録「おばあちゃんのおもいで」ではメインキャラクターとして登場。おばあちゃんが繕ってくれた熊のぬいぐるみを見つけておばあちゃんのことを思い出したのび太は、おばあちゃんに会いたいとドラえもんに頼み、2人は「タイムマシン」で過去に向かう。
過去では花火を欲しがる幼少のび太の願いを叶えるためにおばあちゃんが花火を探し回っていた。幼少のび太に見つかった現代のび太を匿い、現代のび太の事を怪しむことのなく孫として接する姿が描かれた(ちなみにおばあちゃんの夫も「夢まくらのおじいさん」で小学生ののび太と会うが、彼も小学生ののび太が孫であることをすぐに受け入れた)。
このエピソード内で、「小学生のび太がおばあちゃんに会って大感激する姿」は感動的だが、同時に大いに残酷でもあるという意見が存在する。「未来から小学生のび太が会いに来て大感激する」ということから「その頃の未来には自分はもういない」ことが容易に推察できるからである。
あのダルマ
のび太の優しい性格のルーツはおばあちゃんの影響も大きい。
TC18巻収録「あの日あの時あのダルマ」ではおばあちゃんが「(あのダルマさんのように)転んでも、転んでも、ひとりでおっきできる強い子になってくれると…、おばあちゃん、とっても安心なんだけどな」と言いながらのび太の成長を願う場面が描かれている。
のび太は大長編及び映画版等のその後の作品内で、ここぞという場面で強い精神力を発揮。
TCプラス5巻収録「45年後…」では中年ののび太が上記のダルマエピソードになぞらえたエールを現代ののび太に送る場面が描かれている。
のび助の少年時代
TC14巻収録「夢まくらのおじいさん」では、少年時代の息子・のび助を育てる若かりし頃のおばあちゃんが登場。息子に対して厳しい面しか見せようとしない夫を陰で支える姿が描かれている(実は内心では息子に甘い夫に言われて部屋をあたためたり、「マンガを買ってやれ」と金を渡されたりする)。
その他のび太の幼少期
TC16巻収録「パパもあまえんぼ」は上記エピソードの後日譚の要素も含んだエピソード。おばあちゃんは以前に会いに来た小学生ののび太のことを覚えており、ドラえもんとも対面。泣きながら会社の不満をこぼす現代ののび助に優しく接する場面が描かれている。
TC6巻収録「赤いくつの女の子」にも登場。ノンちゃんと喧嘩したのび太に優しい微笑みで接する姿が描かれている。
その他、TC13巻収録「タマシイム・マシン」、TC15巻収録「人生やりなおし機」にも登場する。TC2巻収録「ぼくの生まれた日」では、おばあちゃんはのび太の誕生を先祖に報告しに行ったということが語られるのみで、姿は登場していない。
藤本没後に他者が作った要素
以下は1996年の作者没後に作られた作品内のオリジナル要素であり、作者の藤本は関与していない。
藤本没後の漫画
のび太がダルマでおばあちゃんに教わった何度でも立ち上がる強さは、漫画『宇宙英雄記』(2014〜2015年)の終盤に取り入れられており、動けなくなったドラえもん一行がイカーロスに逆転勝利する大きなきっかけになっている。
藤本没後のアニメ
映画『南海大冒険』の同時上映として制作されたアニメ映画『帰ってきたドラえもん』(1998年)では、のび太はおばあちゃんの死にショックを受けて押し入れに入り大泣きしていたことが語られている(藤本の漫画ではそのような設定及び描写は存在しない)。
アニメ映画『ワンニャン時空伝』(2004年3月)では、隠れたキーパーソンとして登場。
おばあちゃんはけん玉をのび太の前で巧みに操り(その傍らには「おばあちゃんのおもいで」で登場したぬいぐるみも置かれている)、現代ののび太もおばあちゃんのけん玉を難なくこなす場面が描かれた。
そのけん玉はイチの記憶を復活させるのに一役立ち、ドラえもんが「ビッグライト」を使用することでネコジャラへの止めとして使われた。
登場シーンは少ないものの、間接的ながらネコジャラ一行の人類への反逆を阻止する事にも繋がった(原作漫画ではTC40巻収録「架空人物たまご」の作中にて、のび太が初めてけん玉を大皿に乗せている)。
大山のぶ代版テレビアニメ「のび太の家出」(2004年8月)は、藤本の漫画「のび太のなが~い家出」(1981年)を原作としたエピソードだが、小学生ののび太がタイムマシンでおばあちゃんに会いに行くという原作漫画にはない場面が追加されている。
3D CGアニメ映画『STAND BY ME ドラえもん 2』(2020年)は、「のび太のお嫁さんが一目見たい」と言ったおばあちゃんの為に、ドラえもんとのび太がタイムマシンで彼女を未来に連れて行く展開になっている。彼女は未来ののび太としずかの結婚式を隅から見届けることが出来たのだが、同時に親族席に自分自身がいないことを目撃してしまっている。
母方の祖母
本項ではのび太の母方の祖母(母・玉子の母)について記す。
登場エピソードは2作のみ。玉子が野比家へ嫁いでいる影響か、のび太と母方の祖母が現代で対面しているシーンは描かれていない。母方の祖母のことを、以下では「玉子の母」と呼ぶ。
玉子の少女時代
TC7巻収録「ママのダイヤを盗み出せ」に、お転婆な娘・玉子に手を焼く若い母親としての姿が登場する。玉子が自身の母親の(ダイヤではなくガラス製の)指輪を持ち出した際、紙芝居に夢中になり道端に置き去りにした時にドラえもんとのび太により返却される(のび太の父方の祖母と違い、小学生ののび太が自身の孫であることは認識していない)。玉子の母は娘の教育のため、玉子には指輪が手元に返っているのを黙り、夕暮れまでダイヤを探させた。
現代
TCプラス1巻収録「グルメテーブルかけ」に、軽い病気にかかり布団で寝ている姿で登場する。一時的に実家へ戻り母親を見舞う玉子と共に、玉子の兄らしき人物も描かれている。