概要
エンデュミオンの鷹とは、機動戦士ガンダムSEEDに登場するムウ・ラ・フラガの異名。
アニメ本編より前に発生したグリマルディ戦線にて、月面のエンデュミオン・クレーターに建設された鉱山基地をめぐる戦闘でムウの駆ったメビウス・ゼロがジンを複数機撃墜するという大戦果を挙げたことに由来する異名。
ジンとメビウスの圧倒的な性能差(キルレシオ ジン1:5メビウス)を物ともせず、大戦果と呼ぶに相応しい快挙をあげた。
しかし、実際の所は敗色濃厚となった地球連合軍がレアメタル採掘のためのマイクロ波発生装置「サイクロプス」を暴走させ、友軍を巻き込んだ自爆攻撃で無理矢理もぎ取った勝利であり、メビウス・ゼロ部隊唯一の生還者となったムウを「エンデュミオンの鷹」の異名と共に祭り上げ、事実隠蔽と士気高揚を狙った上層部のプロパガンダというのが真相である。
大々的に英雄として祭り上げられたあげく、口封じとして後方任務に回されたムウは当然ながらこの異名を好んでおらず、本人はもっぱら『不可能を可能にする男』という二つ名を好んで使っている。
ちなみにエンデュミオン・クレーターは実際に月面のクレーターに付けられている名称であり、神話のエンデュミオンに由来する。
余談
- CE世界において異名というものは軍の上層部の様々な思惑により付けられ、広まっている事が多い。
- 機動戦士ガンダムSEEDFREEDOMに登場するアグネス・ギーベンラートの異名『月光のワルキューレ』は、監督のXに投稿された初期プロットによると『腕がそこそこによく、若く中々に美人の華やかな子なので軍の広報に宣伝として使われ、「月光のワルキューレ」などと持ち上げられた。それがために危険な戦場に出ることも少なく、いわば井の中の蛙状態。』らしい。
- ある程度軍の実情を知る者は異名の持つ本質について理解しているため、軍の所属歴が長く経験を経ているムウは異名を好まず、逆に年が若く軍の所属歴がムウと比べて浅いと考えられるアグネスは異名を付けられ天狗になり自分の実力を勘違いしてしまったと考察できる。
- 機動戦士ガンダムSEEDFREEDOMでは、シン・アスカが「フリーダムキラー」という異名で呼ばれており、劇中では一貫してシンを詰る用途にしか使われていない。
- しかし劇中でザフトなどの軍事組織などから公的に「フリーダムキラー」の異名が使用されたことは無く、どちらかと言えば渾名としてつけられた可能性も否定できない。
- 逆にファウンデーション王国の間で「フリーダムキラー」「月光のワルキューレ」の名は知れ渡っていたのに、「エンデュミオンの鷹」には触れもしなかった理由は明かされていない。
- 考えられる理由があるとすれば、最高のコーディネイターすら見下すアコードの集団はたびたびナチュラルはそのさらに下だと決めつけている傲慢な発言をしているため、ナチュラルのムウを相手にすらしていない説が挙げられる。
- ただしムウはいくら優秀な部類のナチュラルとはいえ、まずコーディネイター第一に開発されるMS技術の急速的にインフレが進むC.E.75年に実力面で既に限界に達している状況にあるのは否定出来ない。DESTINYまではキラ達と並び最前線を張っていたが、FREEDOMでは最新鋭機ではなくいずれも旧式やその改修型にしか乗っておらず、終盤のレクイエム攻略においても戦闘シーンは少なく、3人のSEED持ちコーディネイターのサポートに徹し最前線を譲っている。
- それでもアカツキガンダムでレクイエムからオーブを守るというとても重要な成果を上げて、その上損耗の激しい機体でゼウスシルエットをシンのデスティニーガンダムSpecⅡに届けねばならないという劇中最も危険な任務をこなしている。歴戦の戦士の貫禄である。
関連タグ
サイクロプス(ガンダムSEED):レアメタルが混ざった氷を融解させる為の装置として月面のエンデュミオン・クレーターに設置されていた装置だが、本編開始以前に連合軍がレアメタル採掘施設がザフトに渡らない様にこれを暴走・自爆させた結果、大損害を出したザフトが月から撤退し軍事転用された大規模戦略兵器。