アメリカンフットボール
あめりかんふっとぼーる
楕円状のボールを使ったスポーツ。18世紀のアメリカで、原始フットボール(サッカーとラグビーの元となったもの)を改良したものと言われている。
衝突の激しいスポーツであるため、ユニフォームの下にプロテクターを着けている。またヘルメット(フェイスマスク付き)とマウスピースの使用も義務付けられている。
ゴルフと同じく、ヤードで長さを測る。1ヤードは約0.9メートル。
北米四大スポーツの1つで、本国アメリカでは大変人気のあるスポーツであり、同じくアメリカ発祥のスポーツである野球(日本や台湾では人気の事)、バスケットボール、バレーボールを凌いて、最も人気があるとされる。
スクールカーストの最上位に位置するジョック(スポーツマン)の中でも、アメフト部は別格で、とりわけ花形ポジションのクォーターバックの権威は絶大。
アメフト部キャプテンのクォーターバックと、チアリーディング部のキャプテンが交際するというのは、アメリカの青春ドラマではお決まりの構図である。
因みに、カナダには似たような競技のカナディアンフットボールの他、北米4大スポーツとしてアイスホッケーがある。
サッカーも世界的に「フットボール」と呼ばれることが多いが、アメリカ国内で「フットボール」というと大抵アメフトのことを指す。
日本では戦前「鎧球(がいきゅう)」、「米式蹴球」などと呼ばれていたが、現在はほぼ使われない(鎧球の方が短く済まされる利点がある)。
ラグビーにボールの形が似ているため「アメラグ」とも呼ばれた時期がある。
知らない人からは混同されがちだが、ラグビーとは全くルールが異なる。ラグビーと野球を足して大相撲で割ったような感じ(詳細は後述)。
名前だけは知られているが、広いフィールドが必要で、チーム人数も最低で11人(できれば30人以上)、防具に費用がかかるなどのハードルの高さから、本国アメリカ以外での競技人口は非常に少なく、知名度の割にルール等の内容を知っている人は少ない。
日本で一番アメフトが盛んなのは大学スポーツ界隈であり、特に関西ではラグビー、野球などを凌ぐ人気を誇り、関立戦など万単位の観客を集めるカードもある。関東では法政大学などが伝統的な強豪だが、ラグビーや野球、駅伝などに比べると格段に注目度は低い。
2002年~2009年に週刊少年ジャンプでアメフトを題材にした漫画『アイシールド21』が連載され、普及にある程度貢献したが、作者の稲垣理一郎は普及を広めるために、もっと採り上げてほしいと愚痴もこぼしていた。
大きさは、縦160フィート(約48.78メートル)、横120ヤード(約109.73メートル)。
端っこから数えて10ヤードのスペースをエンドゾーンと言う(勿論、両サイド)。
中央のスペースをフィールド・オブ・プレー言い、1ヤード毎に線が引かれている。
縦の一番端っこの線(エンドライン)の中央には、音叉のような形をした、ゴールポストが立っている。
アメフトでは選手交代が無制限に認められているため基本的に他のポジションと兼任する事がほとんど無いのが特徴である。例外はスペシャルチームの要員
オフェンス
ディフェンス
ラインバッカー(LB)
両ディフェンシブの後ろにいる。相手のパスやランを邪魔する。真ん中にいるインサイドラインバッカー(ILB)と、その両脇にいるアウトサイドラインバッカー(OLB)に分けられる。
フォーメーションによってインサイドラインバッカーが1人の場合などでは、ミドルラインバッカー(MLB)と呼ばれる事もある。また、相手チームのフォーメーションによって守備位置が変わることもある。攻撃中チームの人数が多い側をストロング、少ない側をウィークと呼ぶことにならい、ストロング側のアウトサイドラインバッカーをサム、ウィーク側のアウトサイドラインバッカーをウィリーと呼ぶこともある。
スペシャルチーム
60分を15分(第2種のU-18及び高校生は48分を12分、第3種のU-15及び中学生は40分を10分)ずつ分けた、4クォーターで進行する。クォーター同士の休憩時間は、1st~2nd及び3rd~4thが1分(ノーマルインターバル)、2nd~3rdが15分(ハーフタイム)である。
※尚、アメリカで行われているリーグ(NFL等)や大会等ではトーナメントを始めとした所で4th終了次に同点の場合は10分程度の延長試合を行う事となる。
プレイヤーは両チーム11人で行う。バスケと同じく選手交代が無制限である。
まず審判が両チームのキャプテンの前でコイントスを行う。この際、キャプテンは表か裏かを予想する。
予想の当たったキャプテンは、攻撃するか守備をするかを決め、ゲームが開始される。
ディフェンス側が地面に置いてあるボールを蹴る(キックオフ)。蹴られたボールはオフェンス側のリターナーがキャッチする。リターナーが倒された時点から本格的に始まる。
オフェンスは最初に始めた時点から4回以内に10ヤード進むのが目的である。
審判がレディー・フォー・プレーを宣告すると、まずボールを持った人が、股下から後ろにボールを投げボールを仲間に渡す。ボールを渡された人は持ったまま走るか、仲間に渡せて走らせるか、投げて仲間にパスするかを行う。ラグビーと違い、ボールを持ったプレイヤーよりも前にいる選手にも手で投げてパスすることができる。
ボールを持った人が倒されたら、次はその場所からゲームが再開される。ボールを落とした場合、直前に始めた場所から再開する。
得点
前進を繰り返し、ボールを持った人が相手のエンドゾーンに入ればタッチダウン。6点が入る。タッチダウン後、相手ゴール前に2ヤード離れてボールが置かれ、ボール持った人がエンドゾーンに入る(2点)か、フィールドゴールする(1点)かでさらに点が入る。(ポイントアフタータッチダウン、またはエキストラポイント)
NFLでは'15-16シーズンから、エキストラポイントでフィールドゴールを狙う場合に限り、ゴール前15ヤードからの攻撃開始となっている。
また同じく'15-16シーズンのルール変更で、エキストラポイントのプレーで守備側がボールを奪った場合、そのまま相手エンドゾーンまでボールをタッチダウン同様に持ち込んだら2点が与えられる。
フィールドゴールは4回目の攻撃で相手40ヤードまで進むと選択が可能。(ルール上はそれより遠くても可能だが、実際問題ボールが届かない)キッカーがボールを蹴ってゴールポストの間を狙う。決めれば3点入る。
セーフティーは、ディフェンス側が得点できる特殊な得点。ボールを持ったオフェンスの選手が、自軍のエンドゾーン内で倒されると、セーフティーが成立し、守備側に2点が入る。さらにその後は、オフェンス側がキックオフする。(点を取った側がオフェンスに回る)セーフティーを取られた側にとっては、2点取られた上に、相手に攻撃権を渡すことになる。
また、滅多に見られないが、ルール上ではラグビーで言うドロップゴール(ボールを一度地面に付け、キックしてゴールに入れる)も認められている。(3点)
得点が入ると、攻守を交替して再びキックオフする。最終的に得点の多かったチームの勝ちである。
オフェンスの補足
最初の攻撃をファーストダウン10といい、今何回目の攻撃でどれだけ進めなければいけないのかを表している。この場合、1回目の攻撃で10ヤード進めと言う意味。
例えば1回目パスに失敗した場合、セカンドダウン10となる。次に走って5ヤード進めた場合、サードダウン5となる。そしてここで5ヤード進めなければフォースダウンとなってしまい、次失敗したら攻守交替である。5ヤード進行に成功した場合、倒された場所から再びファーストダウン10が開始される。
もし始めた地点より後ろで倒された場合、その場所から攻撃しなければならない。例えば最初で8ヤードも後ろで倒されると次はセカンドダウン18となり、18ヤード進めなくてはならなくなる。
アメフトでは反則を行った場合、そのチームが数ヤード後退しなければならない。反則の内容によって、罰則の長さは異なる。他のスポーツは反則が発生した時点でプレイが中断されるが、アメフトの場合は反則がコールされてからもプレイは続き、ボールが止まった時点で反則が適用されるという違いがある。
以下の表は、とられやすいとされる反則を書き出した。
オフェンス側
名前 | 内容 | 罰則後退距離 |
ディレイ・オブ・ザ・ゲーム | 審判がレディー・フォー・プレーを宣告してから設定されていた時間を超えてもプレー再開しない | 5ヤード |
フォルス・スタート | ボールスナップ前に攻撃側が先に攻撃する行動を起こした(攻撃側はボールをスナップする前に、1秒静止しなければならない) | 5ヤード |
エンクローチメント | ボールスナップ前に相手のエリアに入ったり、相手に触れたりする | 5ヤード |
イリーガル・パス | QBがスクリメージラインを越えてから前方にパスを投げる、あるいは前方パスを2度以上繰り返すこと | 5ヤード |
インテンショナル・グラウディング | QBが敵の攻撃から逃れるため故意にレシーパーのいない場所にボールを投げること | 10ヤード |
イリーガルブロック | 背後からの攻撃 | 10ヤード |
ディフェンス側
名前 | 内容 | 罰則後退距離 |
オフサイド | ボールスナップされる前に、相手のエリアに入ったり、相手に触れたりする | 5ヤード |
ラフィング・ザ・パサー | パスを投げ終えたQBに対するタックル。選手保護の観点から事故であっても反則になる。なお、キッカーやパンターに対しても同様の反則が取られるが、この場合はパサーの部分がポジションに代わる | 15ヤード |
ホースカラー・タックル | ボールキャリアの襟首をつかむタックル | 15ヤード |
攻守両方
名前 | 内容 | 罰則後退距離 |
ホールディング | オフェンス側がブロックの際に相手選手を掴んだり、抱きついたりする。又はディフェンス側がボールを持っていない選手を掴んだり、タックルしたりする | 10ヤード(注2) |
フェイスマスク | 相手のフェイスマスクを掴む | 15ヤード(注2) |
パスインターフェランス | フォワードパスのボールをキャッチしようとしている選手をタックル。あるいは攻撃側が守備側の選手を妨害すること | 15ヤード(注2)(注3) |
交代違反 | オフェンスがハドル(プレー再開までに行う、プレー内容の確認)を12人以上で行う。またはプレー開始時点で攻守どちらかが12人以上フィールド内に存在する。以外と自チームも相手チームも審判すら気づかないことがある。 | 5ヤード |
アンスポーツ・ライク・コンダクト/トーンティング | スポーツマンらしくない行為。具体的な例としてはアメリカやカナダを始めとした場合、対戦者や審判に対して中指を立てるようなこと | 15ヤード |
アンネセサリー・ラフネス/パーソナルファウル | 必要以上に乱暴なプレイ。日大対関大戦のあれ | 15ヤード |
スピアリング/ターゲティング | 早い話が頭突き | 15ヤード(注4) |
(注1)大抵のQBが右投げであるため。左投げの選手ではRTに代わる。
(注2)ディフェンスの反則の場合、オフェンスの残りヤードが10ヤード未満の際にはオフェンス側に1stダウン(ホールディングの場合、NFL以外ではパスプレーのレシーバーに対する場合のみ)
(注3)NFLではディフェンスの反則の場合、発生地点まで罰退
(注4)NCAAでは15ヤード罰退に加えて、行った選手が退場
関連記事
親記事
子記事
兄弟記事
コメント
pixivに投稿されたイラスト
すべて見るpixivに投稿された小説
すべて見るランジェリーボウル!〜戦乙女たちの祭典〜
アメフトシーズンが佳境を迎えてますね。アメフトやアイシールド21が好きで、艦娘(特にアメリカ勢)にアメフトをやったら面白そうかなぁという妄想から書いてみました。テンポ重視で書いたのでアメフトのルールなどは掻い摘んで書かせてもらいましたので間違ってたらすみません。オリジナルルール有り。14,793文字pixiv小説作品- Mein Schatz: 僕の宝物
【Jamie’s Crying】小説投稿 ☆八周年☆ 記念小噺
☆祝八周年!☆ 鰐がpixivに小説を投稿し始めて今日で丸八年。おめでとー、ありがと~!というわけで一年ぶりにまた短いお話を書きました。今は非公開にしている【空の南側】という作品をそれまでロム専だったpixivに初投稿したのが八年前、2013年10月21日。 それから五年ほどコンスタントに書いていましたが。多忙や加齢によるリビドーの消失などで書けなくなって早三年。この記念日はグーグルカレンダーに登録してあり、そろそろだなあって分かるので。今年は過去作の後日談を一本書いておくことにしました。 年に一度、それも短編しか上げないくせに、記念日とは?と我ながら呆れますが。pixivに残してあるお話は今でも大切に思っていて。ほぼ全てに書ききれなかった部分や未来があり、登場人物は鰐の頭の中で生き続けている。その中でも特に書きたかった一篇。 本編を読んでくださった方、覚えていて下さる方、に一人でも届くといいなぁ。いつものハロウィン短編集ではなく本編シリーズの一番後ろに入れておきます。年に一度しかしないせいでまた投稿画面が激しく様変わりしていて、上手く出来るかは疑問ですが。 今回のお話の題名【Jamie’s Crying】は、大好きなバンド Van Halenの曲名です。エディが亡くなってからもう一年経つのに、未だに信じられない。コロナ渦が未だ収束していないのも信じられないけど、鰐はアメリカの真ん中へんで今日も元気に引き籠っています。 リアタイで追っているジャンルも今や無く、pixivをチェックする頻度もかなり減りましたが。それでも週に数回は覗きに来ています。今でも時々鰐のお話にいいね!やブクマが付くこともあり、フォローして下さる方もいて。新作がなく心苦しく思っていますが。 今も昔もpixivの皆様からリアクションを頂くのは本当に嬉しくて感謝しています。これからも全てのお話はpixivに残しておくつもりなので、もし何かの機会に読まれたら是非いいね!を押して頂けると泣いて喜びます。長編もページ細切れで大変お手数おかけします。 それではまたお目にかかれる日まで、皆様もどうぞお元気で。それぞれのジャンルでのご活躍をお祈り申し上げます。 2021年10月21日 マッド鰐子 拝4,708文字pixiv小説作品