「敵は倒せる時に倒す…それが傭兵のやり方だ。」
概要
性別 | 男性 |
---|---|
年齢 | 26歳(C.E.71年)→28歳(C.E.73年)→30歳?(C.E.75年) |
所属 | 傭兵集団「サーペントテール」 |
主な搭乗機 | アストレイブルーフレーム、ジン、メビウス等多数 |
CV:井上和彦
角川スニーカー文庫で描かれたASTRAYの主人公。以降ほぼ全てのASTARYシリーズに登場。
傭兵部隊「サーペントテール」を纏める凄腕の傭兵。元は地球連合軍に居たらしく、連合軍の軍服を着崩したスタイルで居るシーンが多い。
戦闘中でもサングラスを着用しているが、この理由は後述。
元々は特定のMS等を持たず、依頼の内容に合わせ搭乗機を変えていたがコロニー・ヘリオポリスでの任務中に、ジャンク屋「ロウ・ギュール」と交戦。
依頼主により、機密MSアストレイ目撃を口実としてロウ共々処分されかけたが、アストレイブルーフレームを駆りこれを撃退。
それまでは依頼内容に合わせてMSや装備を調達していたが、この件以降は搭乗機をブルーフレームに絞り、依頼内容によってブルーフレームにオプションパーツを取り付けて依頼をこなすようになる。
高い身体能力や戦闘技術、MS操縦技術を持っているだけでなく、戦術・戦略的な観点から見ても、豊富な知識と経験を持っている一流の傭兵。
それら知識や経験を活かして、ブルーフレームの改修にも携わっている。
作戦や戦闘に於いても、事前の入念な情報収集や装備の準備を行ってから、作戦内容や相手に合わせて最適な装備、手段で対処する。
所謂「勝つべくして勝つ」を信条としている。
また、裏切りを決して許さない。
その戦闘スタイルから様々な武器やMSを使いこなす。
「無駄になるもの、戦闘の邪魔になるもの」を嫌って、重量のかさむシールドをあえて装備しなかったり、ビームサーベルよりも取り回しの良いアーマーシュナイダー(対装甲ナイフ)を使用する作戦が多く、通用しないと判断された武器や装備は戦闘中に即刻破棄する等、信条通り無駄のない戦い方を好む。
後年の作品では、ガンバレルやドラグーンを操作できる程の空間認識能力の高さも明かされており、以後任務に応じてドラグーンも使っている。
無敵の傭兵、その正体
前述の通り着崩した連合軍の軍服を着用しているが、OSの変更も無しにブルーフレームを操る等、端々でナチュラルとは思えない能力を見せている。
それもそのはずで、叢雲劾の正体は地球連合軍により生み出された戦闘用コーディネイター。
普段からサングラスをかけているのは、網膜にプリントされた管理コードを隠匿する為。
ロンド・ミナ・サハクの元に多数いるソキウスのプロトタイプであったが、マインドコントロールを受ける前に脱走。
その後は傭兵として生活を続けていた。
ちなみにときた氏版(通称無印)とスクライド等でおなじみの戸田泰成氏版(タイトルの末尾にRがつく)が存在し、はっちゃけた台詞や挙動は大体戸田氏の作品で見られる。
ネットで出回っている「くるくる回りながらの名乗り」を決めたのは戸田氏版。
上記の通り実は空間認識能力を持っている。しかし、その事実はサーペントテールの仲間は疎か、地球連合軍で自身を作りだした研究者達にまで秘匿しており、その研究者達に協力していた人物の1人ダンテ・ゴルディジャーニに披露したのが初となる。
戦闘能力
CE最強クラスのパイロットであり、父にも等しいダンテが「自分の最高傑作」と評価するほど極めて優れた資質を持っている。以下はその活躍の一部。
- ソキウス達に負けた後、その時の戦いで負った傷が完全に回復しないまま出撃、コクピットが赤く染まるほどの出血が起こる状態、普通の人なら気絶したはずのGを受けながらも、ソキウス2人を5分で圧倒した後、その状態で連合の地上部隊を相手に連戦するが、またも勝利。
- 初見の戦闘にハイペリオンのALの弱点を最初に見抜き、攻略する洞察力。
- ブルーフレームDでは、劾の戦闘技術を教えた師でもあるダンテが自分の死を直感し、途中で勝負を諦めようと思うくらい圧倒する。
- 人間やめるほど肉体強化したギナと、性能上ブルーフレームを圧倒するミラージュフレームセカンドイシューとの戦いで、一寸の被弾も許さず圧倒する。サードイシューにも勝利。
- セカンドイシューを簡単に倒した劾の姿に、エヌディ・ヒィは「それは人間にできる可能な操縦技術ではない」と驚愕し、戦わずに自身の敗北を認めた。
- 短いが刀身アンチビームコーティングされたナイフでビームを切り裂く
- ペルグランデ、ニクスプロヴィデンスのドラグーンを全弾回避。タクティカルアームズでドラグーンを斬る。
名言集
ASTRAYはSEEDシリーズでも屈指の名言のデパートであり、劾もまたその1人。
上記のセリフは劾の代表的な物であるが、それ以外の名言を下記に挙げる。
- 「傭兵は勝てる戦いしかしない」
依頼を受け、それをこなして生活の糧とする傭兵らしい一言。
しかし、作中では報酬無視で依頼を受けたり、あるいは勝てる見込みが薄すぎる依頼を受けている場面が散見された。
まさかの*公式*中の人ネタ。
青い機体で、このミッションは異なる者の共生に関わる話であった。
- 「俺はサーペントテール(クルクルゥ~)…、叢雲劾(シュピン)!!」
戸田泰成著の「機動戦士ガンダムSEEDASTRAYR」の外伝にて披露。通称クルクルシュピン。
地球連合軍の幹部が宇宙海賊により囚われた為に、その解放を求める為の交渉場において、宇宙海賊に名乗りを求められ……。
何故かクルクル回った後、指を突き出す謎の決めポーズを決めつつ名乗る姿を見せた。
ノリとしてはロム・ストールの「お前に名乗る名は無い!!」とは正反対だが似ている。
中の人的に。
- 「サーペントテールと知って掛かってくるならば、容赦はしない」
必要以上の被害や損害を出さないサーペントテールだが、必要であれば戦闘や攻撃を躊躇いはない。実際に劾は任務上、障害となる敵や襲ってきた相手を尽く排除している他「戦闘を辞めないと殺す」と警告して、それを無視した相手をその場でコックピットを潰して殺している。
- 「貴様のような奴が、傭兵を名乗るなど………!」
アリー・アル・サーシェスと戦闘時の特殊掛け合い。Gジェネクロスレイズより抜粋。
関連動画
サーペントテール:ミッション開始
叢雲劾のイメージトラックス。ロウ同様スパロボWやGジェネでも使用されている。
こちらもロウ・ギュールのジャンク屋:赤い一撃と並んで人気が高い。
※上の動画はwipe.氏のギターアレンジ
その他外部作品
近年ではGジェネシリーズやVSシリーズにも登場し、それによって
ガンダムASTRAYの知名度も上がってきている。
Gジェネレーション
GENERATION of C.Eや、ポータブル、GジェネSEED辺りから参戦するようになった。
近年では上記の専用BGMが用意される作品が多く、優遇されている。
覚醒値に若干難があるが、能力は高めで隙が少ないので、様々な機体を乗りこなせる。
平成のアナザーガンダムに焦点を当てた、最新作のGジェネレーションクロスレイズではガンダムSEEDASTRAYが本格的に参戦となり、PVでも登場。
愛機のブルーフレームの多数あるバリエーション登場も判明しており、ファンから活躍が期待されている。
スーパーロボット大戦シリーズ
スパロボWではキラを救ったロウに対抗するかの如くニコル・アマルフィ、トール・ケーニヒ、ナタル・バジルールの三人を救出するおいしい役だった。また、ムルタ・アズラエルの暴走を止めている為、結果的にはムウ・ラ・フラガをも救っている。
しかし「当のキラの出番が無くなった」「クルーゼがキャラ崩壊した」(クルーゼは基本的に正論を突き付けられても「それがどうした」と開き直るキャラであり、サルファではそれが顕著だったが、Wでは劾に黙らされる場面が存在する)との意見も存在しており、手放しで喜んでいいとは評価できないところ(実際のところ、Jやサルファですでに本編が出演したため、アストレイシリーズ初参戦ということで優遇した結果こうなったのでは?と言われている。劾以外のアストレイキャラの出番も多くなっており、その煽りでSEED本編キャラの出番が少なくなっている)。
尚、最終話でカズマの隠そうとした黒歴史を「していた」と簡潔な言葉でえぐり出した人物。
ガンダムバーサスシリーズ
家庭用EXVSから参戦。
搭乗機は「ガンダムアストレイブルーフレームセカンドL」。本シリーズではシールドとビームライフルを装備している。タクティカルアームズを用いた自衛能力に優れている万能機。
格闘攻撃ではアーマーシュナイダーを使用し、射撃、格闘チャージショットでそれぞれガトリングフォームと高出力ビームライフルを使用する。高出力ビームライフルは一出撃一回限りだが、マキシブーストONからは使用後、アーマーシュナイダー投擲にさし変わるようになった。
更にEXVS2では射撃チャージショットにローエングリンランチャーが追加された。こちらも一出撃一回限りとなっており、使用後はガトリングフォームにさし変わる。
また、EXVS2からは「アストレイブルーフレームD」も参戦した。
ジャンク屋の経歴があるキャラクター(ジュドー等)と開戦時に掛け合いがあり、「お前もロウの知り合いか?」と尋ねる他、ガンダム00のキャラクターとも掛け合いが用意されている。
特に同じ傭兵でありながら、思考や方針が正反対のアリー・アル・サーシェスとは多めに掛け合いがある。他に後々ではAGE作品出身のパイロットや、ジェリドとの掛け合いが存在する。理由は言わずがな。
余談
個人名の『劾』は実は構想初期の仮の名前で、変更する予定だった(変更理由は『他作品に同名のキャラクターが居るから、一時保留にした』)。
しかし、良い名前が全く浮かばない中、ブルーフレームのガンプラパッケージにて『叢雲劾』とプリントされてしまった為、そのままで通さざるを得なくなった事情が、機動戦士ガンダムSEEDASTRAYリマスターエディション5巻巻末の、座談会にて明らかになった。
作者の千葉智宏氏はSEEDシリーズの設定担当の森田氏との対談で「SEED世界で一番強い」と発言したが、森田氏に「キラより強いのはありえない」と訂正を求められたことで「単純な強さでは負けていても、勝てる状況に追い込んで戦うので、一番強い」ということにしたため、「傭兵としては合格」とお墨付きを得たことを明かしている。
これらのことは「勝てる状況に追い込むこと自体が無理では」というツッコミどころをはじめ、長編シリーズの常にしろ、アストレイシリーズが続いたことによる弊害で先述の劾(ロウたちもだが)の設定が盛られたこともあり、現在でもアストレイシリーズに対する批判の槍玉として挙げられている。
- ちなみに後の『FREEDOM』では敵に最強と目されたのはキラではなくアスラン・ザラであった。『FREEDOM』のアスランは腕前はもちろんのこと、決戦では敵の戦術に対して対策を講じた上で戦闘するという、劾の基本戦術と近いことをしていた。
- 戦闘用コーディネイターの劾も分析対象の候補となっていた可能性はあるが上の「戦闘能力」の段にあるような内容があまりにも眉唾ものすぎて「情報が胡散臭い」「売り込むために作ったデタラメ」などとみなされ「強くない」と判定された、あるいは分析対象から弾かれたのだろうか。
関連タグ
ジェリド・メサ:ガンダムシリーズで中の人が同じ。