空間認識能力(ガンダムSEED)
くうかんにんしきのうりょく
機動戦士ガンダムSEEDシリーズの世界観コズミック・イラでは、「ニュータイプ(以下NT)は存在しない」為、こうしたオールレンジ攻撃兵装を運用するガジェットとして『超人的な空間認識力』を持つ人間が用意されている。
そう言った面々の描写はメディアによってまちまちだが、脳内で想像するだけで視認していない戦域の状況(具体的な機数とその配置に至るまで)を把握する事が出来ると示唆されている。
ある種の空間把握+未来予知的な技能で、フラガ家元当主アル・ダ・フラガに至ってはこれを生かし「株の値動きを予測して巨万の富を得る」という芸当さえやってのけた。そしてそのクローンであるラウ・ル・クルーゼはMSの操縦に必要な神経接続をこの能力で補い、コーディネイターだらけのザフト内でまんまと素性を隠す事に成功している。
空間上の物体の配置と未来位置を完全に把握出来る為、このスキルを用いれば自らが操る個別の端末の位置と、攻撃すべき敵機の位置を平行して感知し攻撃する事が出来る。
ドラグーン・システムやガンバレルなどの誘導式端末は神経接続を用いた脳波制御を拠り所とする関係から、常人レベルの空間認識力ではこれらの装備は使えない。
設定からして大方の場合、コーディネイターがナチュラルよりも空間認識能力が高く設計されていると思われるが、その中ですらドラグーンやガンバレルを扱えるのは限られた人数しか居ない。
しかしながら、外科手術によって三人のナチュラルの脳をつなぎ、X・Y・Zの三次元における座標軸の空間認識を分割して担当する事でこれを補うという荒業もある。
また、超人的な空間認識力はマルチロックオンシステムを完全スペックで使用する際の敵機捕捉にも活用される。
また、この超人的な空間認識力は特定の人間を感知する事も可能な様で、MSV戦記によると、この能力を持つ数少ない一人であるモーガン・シュバリエの記述には「探査機器に拠らず味方機の布陣や敵機の位置を言い当てた」という趣旨の文章があり、これがモーガンの空間認識能力の発現であるという描写がある。
同能力を持つラウ・ル・クルーゼとムウ・ラ・フラガ、ネオ・ロアノークとレイ・ザ・バレルがお互いの存在を感知し合う他、キラ・ヤマトも前述のネオやレイに対して反応する描写がある。
外伝作品に登場するプレア・レヴェリーに至ってはモーガンにテレパシーを送ったり幽体になって登場するなど最早ニュータイプとあまり変わらない扱いである。
一方で劇場版機動戦士ガンダムSEED FREEDOMではシン・アスカがこれらのキャラと同様の描写でキラを感知する場面があるのだが、シンには超人的な空間認識能力があるとは明言されていないので、これが空間認識能力によるものなのかは不明と成っている。
その他の候補としてはアスラン・ザラも、相手の素質を入念に調査しているギルバート・デュランダルの思惑通りに物事が進んでいれば、第2世代ドラグーンを採用したレジェンドのパイロットと成っていた事から、アスランも同様の能力を持っている可能性が高いと一部の人に言われているものの、第2世代ドラグーンと第1世代ドラグーンの主な違いは通常のコーディネイターでも扱える点にあるから、必ずしも未来予知、テレパシーなどの性質を有する超人的な空間認識能力を有すると言えない。
実際に、ジャスティスの操縦と同時に無人リフターのコントロールをAIによるオートパイロットと切り替えながら敵機を撹乱したり、更にマルチロックオンシステムを使いこなして360度の敵機に対して即座に回転式機関砲で対応している。また、武装プラットフォーム「ミーティア」の一斉掃射であるミーティア・フルバーストをキラと同じく、短期間で習得しつつ「なるべく敵機を撃墜しない」様に頭部や武装を破壊している。そしてガンダムSEED FREEDOM終盤では敵にハッタリをかます為にとある機体に搭乗し、難無くドラグーンを操作していた事から、アスランにも空間認識能力は備わっていると一部の人に言われているものの、ストフリのドラグーンは第2世代であり、普通のコーディネイター(常人より高い空間認識能力を具備する)でも使えるようなものになったから、キラ・ラウくらい使いこなせるのでなければ、ここにいう超人的な空間認識能力を有するとは言えない。
誤解され易いが、あくまで『超人的』のレベルの話であり、空間認識能力を持つ事そのものは特別な事では無く、誰しもが持つ。ただし個人差はあり、現実でもアルら程でないにせよ、天才的な空間認識能力を誇る者は実在する(特にサヴァン症候群であれば常人より高い傾向がある)。
また、ガンバレルやドラグーンシステムへの適性が高くとも、必ずしも相手を感知するまでには至らない事もある。
- ラウ・ル・クルーゼ(クローン)
- レイ・ザ・バレル(クローン)
- コートニー・ヒエロニムス
- プレア・レヴェリー(カーボンヒューマン)
傭兵サーペントテール
- 叢雲劾 (ピキーン描写無し)
その他(所属なし)
- プレア・レヴェリー(クローン)
その他(感知描写なし)
- アル・ダ・フラガ
- スティング・オークレー
- リンナ・セラ・イヤサカ
- ???(リンク先劇場版のネタバレ注意!)
- ???(リンク先劇場版のネタバレ注意!)
- ???(リンク先劇場版のネタバレ注意!)
アル・ダ・フラガのみ株価など経済で能力を使用、彼以外はMSパイロットとして能力を使用。
この他、グリマルディ戦役で戦死したメビウスゼロ部隊の隊員たちが全員ガンバレルを使用している。
また、戦後にエグザスが製造されているので、連合軍ではガンバレルの使い手を逐一確保している…のか?
※1:ドラグーンやガンバレルを使えるかどうかは現在不明。ただし、簡易ドラグーンであるフラッシュエッジ系ビームブーメランを使用する場面はある。
※2:搭乗艦のセンサーよりも先に把握している描写があるが、高い空間認識能力(即ち作中ラウのような超人的なもの)を持っているか、未確認である。
第一世代ドラグーン・システム
- ニクスプロヴィデンス
- ドラグーンストライカー
ドラグーン・システム(世代不明)
- ???(リンク先劇場版のネタバレ注意!)
※1:第二世代ドラグーン・システムをベースとしているが、キラ・ヤマト専用のチューニングを行っているためか"高度な"空間認識能力が必要となっている。
- デストロイ※2
※2:公式では「無線誘導が可能な移動砲台」としか呼ばれず、ドラグーン・システムとは明言されていない。一部の資料ではガンバレル・システムの発展型とする記述もある。
- カナード・パルスとドレッドノートイータの設定の様にドラグーンが扱えない事を、ファンの間では空間認識能力を持たないと言われる事が多いが設定としては、
- ドラグーンへの適正が無かったが正しい。そもそも、ドレッドノートイータの設定には1度も「空間認識能力を持たない」と言う表現が使われた事は無い。
- 因みに、空間認識能力を持たないとするならば、日々の日常生活も困難に成ってしまうレベルの問題が起きてしまう。
- セカンドステージのカオスに採用されたEQFU-5X 機動兵装ポッドはコートニー・ヒエロニムスが調整を行い必要な空間認識能力がある程度あれば使えるようになった。