概要
Windows CE(記事タイトルはpixivのシステムの都合上スペースを省いている)はマイクロソフトが1996年から2009年まで(後身のWindows Embedded Compactは2018年まで)提供していたWindowsファミリーのOSである。ベースはWindowsNTで、そこから組み込み機器やPDAには必要ないAPIや機能を削って軽量化。そこに必要な機能を追加する形になっている。NTベースのため、プリエンプティブ・マルチタスク・マルチスレッド対応のOSになっている。移植性に優れており、様々なCPUアーキテクチャに対応できたのも特徴。
かつてはPDAやスマートフォンなどのモバイル環境、ゲーム機(ドリームキャスト)、POSレジやハンディターミナルなどに広く採用されたが、2020年代までにAndroidなどに置き換えられていった。
デスクトップ(パソコン・ワークステーション)向けのWindowsと異なりパッケージ販売はされず、機器メーカーにライセンスする形をとった。標準のGUIはデスクトップ版のWindowsに似せたものだったが、メーカーの判断でコンポーネントごとに実装することが可能であるため、あえて独自のGUIを実装したり、GUIを持たない実装(ドリームキャストなど)もされた。
PDA向けプラットフォームはPocket PC→Windows Moblleとして展開し、2000年代にはこのOSを採用したスマートフォンも多くあったが、2007年のWindows Mobile 6以降はiPhoneの攻勢の前に瞬く間にシェアを失い、2010年のWindows Phone7で全面的に設計を刷新したもののAndroidとiOSの牙城を崩すことはできずシェアは落ち込み、2012年にはOS自体をWindows NTベースに切り替えることとなった(そして2019年にはマイクロソフト自身がスマートフォン市場から撤退している)
Windows CE系のOSで最後のバージョンとなるWindows Embedded Compact2013の延長サポートは2023年10月10日に終了した。マイクロソフトは機器組み込み向けの後継のプラットフォームとして「Windows for IoT」を案内している。