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ボンボン版Vガンダム

ぼんぼんばんゔいがんだむ

ここでは過去に月刊漫画雑誌『コミックボンボン』に連載されていたコミカライズ版の『機動戦士Vガンダム』に関して記載する。
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概要編集

『ボンボン版Vガンダム』とは、テレビアニメ機動戦士Vガンダム』のコミカライズ版の通称。

かつて講談社が発行していた月刊児童漫画雑誌『コミックボンボン』にて、1993年4月号から1994年3月号まで全12話で連載されていた。

作者は『フォーミュラー戦記0122』『シルエットフォーミュラ91 クラスターガンダム編』の短編漫画などを執筆していた岩村俊哉


当時の編集長のインタビューによると「TV作品のストーリーそのままでは、読者に対して難解だと思ったので、コミック版はオリジナルのものから解りやすい方向に変更した」とのことで、主人公含め、ほとんどのキャラが原作から逸脱した別物となっている。

また、尺の都合上もあって主要人物の1/3ほどリストラされているのも特徴。


アニメ版との主な相違点は以下の通り。


  • TV版では温厚な主人公ウッソがホビーアニメの主人公のような性格と口ぶりになっている
  • 敵を挑発しまくり、挙句には仲間同士の喧嘩すら煽り立てるヒロインその2
  • TV版における狙撃用機体が格闘戦を挑んでくるなど、セオリー無視の機体性能
  • 騎士ガンダム風の装甲を追加された騎士Vガンダム(しかもそれは追加装甲ですらない代物
  • どう見ても実在の人物、あるいは著作権がヤバい版権キャラそっくりのザンスカール兵たち(どこかのパンアニメですか?)
  • 原作に輪をかけて空気ヒロインその1
  • 中盤での主要キャラであるファラ・グリフォンがポッと出の敵に変更(しかも原作では中佐なのに中尉に降格)され、あっけなく戦死する。
  • カテジナ・ルース存在しない(作者によるとヒロインはシャクティに絞りたかった事が理由)。

冒険王版『機動戦士ガンダム』や同じくボンボン掲載版『機動戦士ガンダムF91』と並んで「ガンダム3大型破りコミカライズ」などと称されることもままあるものの、TV版後半の陰鬱な展開が大幅に鳴りを潜めたのもあり(とはいえ、目の前で母親が爆死したり、主要キャラが次々と戦死していく悲惨さに変わりはないが)、こちらの方が本編より好きというファンもいる。

特にオデロ・ヘンリークハンゲルグ・エヴィンの両者に関しては原作以上の活躍を見せている。


2024年11月にはKADOKAWAより新装版が発売、KC版ではページ数の都合でハブられていたエピソードの完全収録の他、『フォーミュラー戦記0122』をはじめとした短編漫画も収録された。しばらく絶版となっていたこともあり、新装を待っていたファンにとってはありがたい朗報である。


主な登場人物編集

リガ・ミリティア編集

本作の主人公。原作の10倍は暑苦しい

ボンVガン ウッソ 

ヘアスタイルは前髪だけはアニメ版と同じなのだが、後ろ髪が黒くなっていて、尚且つバリバリに逆立っている

目つきも鋭く、怒ると更に目がツリ上がって凄く凶暴な顔つきになる。

一人称は「オレ」で喧嘩っ早く(先輩ポジションのオデロに些細なことで喧嘩を吹っ掛けるなど)、ことあるごとにキレまくり、技名を叫び目に「V」の字が浮かぶ

頭のキレも大したもので、毎回思いもよらぬ作戦を考え、逆転勝利を収める(七本束ねたビームサーベルを使用してエピオン顔負けな巨大ビームソードに仕立てるなど、この点では原作のウッソをも上回ってるといえなくない。原作に逆輸入されたネタもあるほど)。


読者が存在を忘れそうなほど出番が少なく、途中で宇宙に放り出され、暫くの間出番が無くなった不運なヒロイン(未収録の回でザンスカールに保護され、本国のコロニーに連れていかれたことが判明)。

コミックボンボンでの連載中は、シャクティが褐色肌だという設定を作者の岩村俊哉が知らなかったために、肌にスクリーントーンが貼られていなかった。

マリアの娘と判明した終盤はエンジェル・ハイロゥの中枢にいるということもあり、それなりに出番が多くなっている。

ラストで身体を張って助け出すウッソの姿から見ても、シャクティは(出番の割には)ヒロインとして忘れられてなかったといえるだろう。


ウッソに負けたクロノクルを煽りまくってウッソを危険にさらすなど、とにかくいい性格をしている。

オデロとウッソの殴り合いの喧嘩を止めもせず、「いいぞー!やれやれー!」と拳銃をバンバン撃ちながら囃し立てたりと、かなり好戦的。

終戦後はアニメ同様オリファーの子どもをいつの間にか身ごもり出産した。


ダイの大冒険』で言うところのポップポジション。

当初はヘタレでウッソとも仲が悪かったが、戦いの果てに抜群のコンビネーションを見せる。

誰が呼んだか「漫画版の真のヒロイン」

終盤は色々な意味で美味しいところを持って行った


オデロの弟分。コマによっては黒髪だったりする。

空気、その1。


オデロの妹分。ウォレンよりはマトモに描かれているが、登場シーンは少ない。

空気、その2。


初登場1話目で2名死亡、その後コマの外で全滅。

ちなみにジュンコさんは単行本未収録(KC版)のシーンで愛機を無残に破壊されてしまってたり。


本編ではメカニック担当。なのでMSに搭乗していない。コマの外でいつの間に戦死。

ウッソがVガンダムを戦闘で壊すと日本刀を振りかざして怒る。


上記の騎士Vガンダムを勝手に作ったRPG大好きジジイ。

ビームを発生させると即粉々になるビームサーベルの鞘に一番時間を掛ける、といった無駄な事には努力を惜しまない。


ウッソの母。しかし原作同様、ウッソの目の前で殺されることとなってしまった(本作では数少ないトラウマシーン)。人質にされたこと自体はほぼ同じだが死因が大きく異なっている。

その翌週、ウッソは母の死を忘れたかのようにV2ガンダムで捕鯨しようとしていたが(原作にもあるシーンだが、スージィの想像図であり本当にウッソがやったわけではない)。しかし次の話では故郷のカサレリアに戻り母の墓を建てているので、完全に忘れたわけでなかった様子。


ウッソの父にして真のジン・ジャナハ(原文ママ)※。

原作の数段かっこいい。

原作アニメ版の若い頃の設定画を基にアレンジしたのか、見た目がかなり若々しく、服装も原作アニメ版における「民間レジスタンスのリーダーらしく、地味で目立たないジャンパー姿」ではなく、どこかの宇宙戦艦の艦長の様な立派な軍服を着ている。

最期まで息子のことを心配していた点も原作アニメ版とは大きく異なる。

※さすがに新装版ではジン・ジャハナムに修正されていた。



ザンスカール帝国編集

本作では一応最後までウッソのライバルであり、アニメ版と比べて嘘のように扱いが優遇

姉マリアを失った悲しみで血の涙を流して覚醒し、ラスボスを務めた。


全然似てない事で有名なシャクティのお母さん。

顔出ししてはいるが大した出番も無いうちにオデロのガンブラスターの自爆に巻き込まれ事故死。


ウッソから「頭がヘンなんじゃないか」「支配しやすい口実を作ってるだけじゃないか」と完全に論破され、最後は部下の不手際で爆死する。


了解いたしたがあまりにも有名なサムライ。なぜか外見がピピニーデン似。

ゴッドワルド中尉のドット絵


  • ギンザエフ大尉(原文ママ)

ハ●ー市長にそっくりなMS格闘術の使い手にしてマイホームパパ。

どう考えても次の年に出るべきだった人物。

劇中にほんの数コマ登場するだけだが、彼の娘はチョイ役で終わらせるのが勿体ない程に凄く可愛い。

この回はCAPCOMとの権利的な問題が原因で削られた」とファンの間で語られていたが、作者の岩村氏は「単行本のページ数の制限による収録話数の問題で削っても影響のないエピソード」だとしてこの話が選ばれ、KC版の旧単行本では未収録話となっていた。

近年では、作者のTwitterフォロワー数2000人記念として描き下ろしイラストも公開された。

後に『月刊ガンダムエース』で連載していた『機動戦士ガンダムF90FF』で彼の名前が取り上げられた事で話題となり、同じくガンダムエースに連載中の『月刊モビルマシーン』では、彼の妻(ボンボン版の劇中でも1コマだけ登場)であるディナ・キム(・ギンザエワ)がライターとして活躍している。

後の新装版発表時に作者が「今回は収録されます」「(古本屋を巡る必要が)なくなります」とコメントしており、彼の勇姿が31年の時を経て公の場で堂々と見られることになった。

ちなみにクッソ紛らわしい名前だが、当の作者自身が「ザンギエフ」と呼んでしまい、慌てて訂正している

作者が自ら「ややこしい」なんて言ってしまったら、もう誰が間違えてしまっても文句は言えまい。

新装版のおまけマンガでは、ゴッドワルドとの仲の良さを見せつけていた。


MSレーシングの覇者と称される小隊『サンダーインパルス』の3人組。

この作品はフィクションです。実在の人物及びF1とは関係ありません

さすがに実在する人物の名称をそのまま漫画に出すのがマズかったのか、新装版では『ゼナ』『ブラスト』『シューバット』に修正された。


登場機体編集

一部機体名が準備稿なものがある。尺の都合上、登場しなかった機体も多い。機体によっては本来の性能を無視した扱いをされたものもあったりする。


リガ・ミリティア/地球連邦軍編集

セオリー無視のウッソのアイディアで『ヴィクトリー斬り』(覚醒後は『V字斬』にパワーアップ)という必殺技を披露する。しかしウッソの反応についていかなくなり、V2に乗り換えることに。

Vヘキサも登場し、原作通りマーベットが乗り込む(終盤はVガンに搭乗)。


イージはシュラク隊が搭乗、Vガンの窮地を救うなどの活躍を見せた。ブラスターは主にオデロが搭乗している。ブラスターの特攻はファンの間でも語り草。


必殺技が『真・V字斬』にパワーアップ。そのせいで本来の必殺技『光の翼』は最後の最後に披露する羽目に。機体パワーアップは尺の都合上アサルトパーツのみでバスターパーツは登場せず。先駆けてメガビームライフルとシールドは対ザンネック戦で装備している。


1コマ程度の登場で完全に空気。ビヒモスに3機まとめて惨殺されるなど悲惨な目に合っている。


ザンスカール帝国編集

シャッコーは原作通りウッソがクロノクルから奪って破壊、リグは上記の「サンダーインパルス隊」の3機が登場、スピードを生かした戦法でVガンを窮地に陥らせたが、ミューラが届けてくれたV2に乗り換えて撃破した。何気にリグは原作に先駆けての登場


ゾロはクロノクル機と一般機が序盤に登場。部隊を頭部バルカンで一掃した後クロノクルと接近戦で(偶然にも)勝利。ゾロアット部隊は囮として登場、超巨大ビームソードで一掃された。


2話続けて登場。初登場時はまとめてヴィクトリー斬りで殲滅、2度目は編隊を組んでカミオン隊を苦しめたが援軍のシュラク隊とウッソの『ビームシールドアタック』によって瞬く間に全滅。


一般機が登場。(コロニーから拝借した)鏡を利用した戦法でウッソとシュラク隊を窮地に陥れるが、看破したウッソに逆に利用されて撃破。


ゴッドワルドが搭乗、日本刀型サーベル『ザンテツブレード』を武器とする。剣の腕も確かで、騎士Vガンダムの鎧を一刀両断するほどの技量を持つ。


ギンザエフが搭乗。コロニー内の戦闘では武器など無粋!と言わんばかりの格闘マシンと化した。『ギギムセメントクラッシュ』という関節技を使い、(自称格ゲーチャンピオンの)ウッソと対決。


地球を我が物顔で走るバイク戦艦を葬るためMS用地雷を利用した作戦を提案するミューラだが、作戦中にゲドラフ部隊に見つかり捕まってしまう。駆けつけたV2はコックピットを狙い爆発させずにゲドラフを停止させたが・・・。


V2が自作の釣り竿で釣り上げたものがこれ。巨大タイヤ攻撃でウッソとオデロを苦しめたが、タンカーを放り投げた隙に二人の合体技『ダブルクロスカッター(ダブルビームサーベル)』で撃破。


ツインラッド部隊を失って激昂したドゥカーが搭乗、ウッソとオデロのコンビを苦しめる。オデロのブラスターが身体を張って囮になりその隙にV2が背後から一刀両断、撃破した。ついでに砲塔に挟まって動けなくなったブラスターを破壊し、バイク戦艦も撃破。


原作同様ファラが搭乗、ザンネックキャノンと接近戦用のビームサイズ死神の魔手(デスイビルハンドでウッソを苦しめた。Vガンのハンガーを利用した戦法『(ビーム)バリアーシューティングスターアタック』(上記のビームシールドアタックの強化版。原作でもそれに近いことをしてはいる)で撃破。


今、復讐の竜が戦場に飛び立った!

クロノクルが搭乗した本作のラスボス。原作のリグ・コンティオ搭乗時より数倍強敵感があった

センシティブな作品

強力なビームバリアでの攻撃でウッソを追い詰めるが、メガビームシールドを利用しての『電子レンジ殺法』で機体をズタズタにされる。しかしクロノクルの執念で暴走し、ウッソを道連れにしようとするが、偶然漂っていたオデロ機のビームサーベルを用いての『ハラキリ戦法』でコックピットを貫きようやく倒した。


関連タグ編集

機動戦士Vガンダム

コミックボンボン 岩村俊哉

コミカライズ 漫画版

騎士Vガンダム

原作クラッシャー

俺の知ってるのと違う これじゃない

熱血 公式が病気


機動武闘伝Gガンダム:明らかに本作のノリを本編に持ち込んている次回作。

機動戦士ガンダムSEED:本作最終回で主人公がラスボスに行った電子レンジに入れられたダイナマイト戦法地球連合軍大西洋連邦ザフト本当にやりやがったシリーズ。


機動戦士ガンダムAGEクライマックスヒーロー:およそ20年後にライバル誌に連載されたコミカライズ

  • クロノクルポジションの人物主人公のライバルでラスボス
  • 主人公のアイディアと機転でピンチを脱する
  • Vガン終盤で行ったウッソのハラキリ戦法を対イゼルカント戦で披露
  • バーストモードを発動する前に食い過ぎたせいで本当に腹がバーストする

本作ほどはっちゃけてはいないが、上記のように独特のノリは受け継いでいる。また、(いろいろな意味で)原作と異なる点や一部の人物が登場しない(特にヒロインが一切登場しない点はVガンより徹底している)点も類似している。最終回もいたってシリアスな締め方になっている点も同様と言えよう。

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