メカニックデザイン:鷲尾直広
機体データ
形式番号 | ASW-G-08 |
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全高 | 18.0m(第1~第5形態)→18.8m(第5形態地上戦仕様以降) |
本体重量 | 28.5t(第4形態)→30.5t(第6形態) |
動力源 | エイハブ・リアクター×2 |
使用フレーム | ガンダム・フレーム |
武装 |
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パイロット | 三日月・オーガス |
概要
300年前の「厄祭戦」と呼ばれる大戦で運用された72機のガンダム・フレーム採用機の内の一機。
厄祭戦終結から長らく火星の砂漠地帯に放置されていたのをマルバ・アーケイの手によって発見され、彼が社長を務める民間警備会社「クリュセ・ガード・セキュリティ(CGS)」の基地動力源として用いられてきた。
武力組織「ギャラルホルン」によるCGS襲撃に際して三日月・オーガスらCGSの少年兵達が急遽起動させ、以降はオルガ・イツカを中心にCGSの少年兵達が組織した「鉄華団」の中心戦力となる。
バルバトスはガンダム・フレームの中でも汎用性に重点を置いた調整が行われており、各種兵装を換装し、あらゆる環境に適応できる可能性を秘めている。
マルバはこれを転売目的で所蔵していたが、いざという時の為に戦力として運用する事も想定し、メイスや滑腔砲などの武装もある程度取り揃えていた事もあって武器に困る事は無かった。また、これら装備以外にも敵機から鹵獲した武器や装甲などを換装する事が可能となっており、野戦換装によって機体の装備が一変する事も多い。
バックパックには武装ラック兼用の第三・第四の腕となるサブアームを装備しており、ユニットを展開する事で大型マニピュレータとしても機能し、武装の着脱などを補助する。
操縦には有機デバイスシステム「阿頼耶識システム」による交感を必要としているが、マルバによって発見された時点でコックピットのインターフェイスは取り外されており、三日月達はCGSの運用するモビルワーカーのそれを流用する事で、これを起動させた(流用されたCGSのモビルワーカーには阿頼耶識システムが搭載されており、三日月もこれに対応する為の手術を受けている事もあって機体を運用することができた)。
阿頼耶識システムによって高い反応性を発揮し、プログラムに頼らない生身に近い挙動での姿勢制御が可能となっているが、一方でモビルスーツの操縦系統はモビルワーカーよりも複雑であり、情報フィードバックによる脳への負担も大きく、パイロットへの負担を考慮しない運用を行った場合、その戦闘能力と引き換えにパイロットの身体に障害を引き起こす。
バリエーション
第1形態
火星の砂漠で発見された当時の姿。この状態で長い間CGSの基地動力炉として用いられていた。
機体装甲は経年劣化によって損傷が激しく、両肩の装甲は失われフレーム部分が剥き出しになっている他、左腕装甲は別の機体と思しき物が流用されており、そこにガントレットが装備されている。
三日月らが起動させた当初はその本来の性能を発揮できているとは言い難い状況にあったが、二基のリアクターによる高出力とそれによる機体の基本性能、三日月の戦闘センスと阿頼耶識システムの性質もあり、ギャラルホルンの最新鋭機であるグレイズと互角以上の戦闘を演じてみせた。
第2形態
鉄華団が宇宙へ上がる際に剥き出しだった両肩のフレーム部分を鹵獲したグレイズの肩装甲を移植する事で補強した状態。改修に際して武装に滑腔砲が追加された。
肩装甲は機体本体に用いられているナノラミネートアーマーを流用した結果カラーリングが改められ、バルバトス本体に合わせた青と白を基調とした物となっている。
なお、クランク・ゼントとの決闘の際には左肩にのみ装甲が追加され、カラーリングも改められていない第1.5形態とも言える状態で運用された。また、この際に阿頼耶識システムの調整も行われ、パイロットへの負荷をある程度抑えている。
第3形態
火星低軌道上での戦闘で喪失したガントレットに代わり、左腕部にガエリオ・ボードウィンのシュヴァルベ・グレイズから鹵獲したワイヤークローを装備した状態。
この段階で整備スタッフのノウハウ不足から来る整備不良(それまではモビルワーカーの整備しか経験が無いスタッフ達による手探りの状態が続いていた)の問題が表面化しており、タービンズとの戦闘に於いては百里の後手に回る事になった。
第4形態
厄祭戦当時に運用されていた本来の姿を再現した状態。
木星を拠点に活動する複合企業「テイワズ」の代表マクマード・バリストンに三日月の度量が認められ、マクマードの采配によって採算度外視で改修が行われた。
テイワズのデータベースに残されていた資料を元に、テイワズの本部施設「歳星」の技術者達の手によって当時の姿が再現されており(幻の機体を予算上限なしで整備できる事から改修時は技術者達の士気も高かった)、装甲の換装や消耗品の交換、エイハブ・リアクターの調整、武装の追加など徹底的な改修が行われた結果、機体の重量バランスが安定し同時にリアクター出力も向上している。
改修に際して補修用の予備装甲なども併せて製造されているが、この形態はあくまで本来の姿を再現したものであり、基本性能は厄祭戦当時のスペックには至っていない。
また、阿頼耶識システムは三日月用に特化した調整が施された為、彼以外の人間には操作する事は不可能。この頃から三日月もバルバトスに対して愛着を顕にし、次第に彼の愛機とも呼べる存在となって行く。
第5形態
ドルトコロニーでの戦闘でアイン・ダルトンの乗るシュヴァルベ・グレイズから鹵獲したGR-Es01フライトユニットを腰部に増設し、同時にモンターク商会から提供されたパーツを組み込み強化した形態。推進機関の増設によって機動力が強化されている。
戦闘で損傷した腕部装甲も更新されており、肘には追加武装として迫撃砲が、胸部にはガンダム・キマリスへの対抗策として反応装甲が追加された。
フライトユニットは第2~第3形態で装着されたグレイズ用肩部装甲と同じくカラーリングが改められている。
第5形態地上戦仕様
地球への降下完了後、戦闘と大気圏突入で損傷したフライトユニットをオミットし、重力下運用に適した調整を行った形態。
低軌道上の戦闘で損傷した脚部サスペンションもタービンズのエーコ・タービンから提供されたセッティング案に則り調整が加えられており、重心を上げる事で安定性を犠牲に戦闘機動時の初動の反応速度を上げ、重力下での機動性向上に繋げている。
武装は肘部迫撃砲が機関砲へと変更され、地球軌道上で損失したメイスに代わり大型特殊メイス「レンチメイス」を主兵装として装備する。
第6形態
エドモントンでの決戦に備え、第5形態をベースに武装・装甲の変更を行った形態。
当初はミレニアム島で喪失した肩部装甲を装甲強度に優れたグレイズリッターの物に換装し、サイドスカートを地上用ブースターユニットに換装したのみであったが、長期戦を見越して攻撃が集中するであろう胸部に鉄華団のエンブレムが施された増加装甲を装着し、この形態となった。
継戦能力に優れる一方で装甲の増加によって機動力は低下しており、ブースターユニットでそれを補っているが、装甲をパージすれば地上用サスペンションの効果も重なって機動力に特化した戦闘が可能となる。
各部の装甲は任意でパージして軽量化することも可能で、1期の最終決戦時にはこの機能によって形勢逆転することに成功した。
ガンダム・バルバトスルプス
エドモントンでの戦闘を経て組織規模を拡大させた鉄華団が、テイワズにオーバーホールを依頼し、その結果徹底改修が行われたバルバトス。
ガンダム・バルバトスルプスレクス
ガンダム・バルバトスルプスに更なる改修を行った形態。
ガンダムバルバタウロス
「ガンダムブレイカーバトローグ」に登場するガンダムバルバトスの改造ガンプラ。
ケンタウロスを彷彿とさせる姿をしており、製作に2基のガンダム・フレームを使用している。カラーリングはバルバトスとは真逆の黒。
武装
メイス
バルバトスの代名詞でもある、モビルスーツ用インナー・フレームにも採用されている高硬度レアアロイで精製された質量破壊兵器。柄の部分は上半分が伸縮機構を有しており背中に背負う際はこれによって短縮化して背負う。
ナノラミネートアーマーによって強靭な防御力を発揮する本作のモビルスーツに確実にダメージを与えられる武装であり、モビルスーツの装甲を破壊し、内部構造を抉る程の威力を誇る。
柄頭には4枚のブレードが十字に配置されており、また先端部にパイルバンカーとしてニードルの射出機構を備える。ちなみにどうやってニードル射出機構を任意で作動させているのかは不明(柄の部分にはスイッチ類や本体と接続するコネクター類と思しき物は無く、そもそも劇中では切り落とされた柄頭を掴んだ状態で射出した事もある)。
炸薬でニードルを突き立てる為、使用環境に威力が左右され難いが、ニードルは射出後にメイス本体から引き抜かれる為、使用回数は限られる。
一点に物理パワーを収束して貫くため、通常の攻撃が通用し辛いナノラミネートアーマー製の堅牢な機体の急所を貫徹して(三日月は専らコクピットをパイロットごと串刺しにして)無力化することが可能。
モビルスーツの装甲破壊の他に三日月はこれを牽制目的で投擲して敵の注意を逸らしている他、ニードルをスペースデブリなどに突き刺して機体を固定するといった運用をこなしている。
高硬度レアアロイ製なので盾としても融通が利く。
また、宇宙では重心を預ける「軸」としても機能し、阿頼耶識システムの恩恵も相まって宇宙空間に於いて自由度の高いマニューバを可能としている。
武装の入れ替えや機体改修が何度か行われている中で最も多用された武装の一つであり、長く主兵装として運用されたが、度重なる戦闘で酷使された為にスペアを含めて損耗が激しく、地球軌道での戦闘で喪失した物を最後に主兵装の座を大型特殊メイスへと譲る事になった。
ルプスでは機能を簡略化し、小型化されて二本搭載された他、シリーズを通して物語のエンドを締めくくった。
ガントレット
火星で発見された際に左腕に装着されていた小型盾。第1、第2形態で使用。
バルバトス本来の換装武装の一つと思われるが詳細は不明。
火星軌道上でのガエリオ・ボードウィン、マクギリス・ファリドとの戦闘で左腕を拘束され、難を逃れる為に装甲をパージした際に行方不明となった。
なお、第5形態と第6形態ではガントレットを両腕に標準装備した装甲が充てがわれている。
滑腔砲
主に宇宙空間での運用を想定し開発されたモビルスーツ用の300mm口径砲。同軸には60mmマシンガンが併設されており、第2形態より使用した。一部資料で使用弾種がAPDSである事(文字で記載されているのではなく画稿の弾体解説を素直に読み解けばそうなる)や弾倉部に計12発分の次弾が装填されている事が記されている。
バルバトスはこれをバックパックに背負い携行し、使用時には薬室ごと折り畳まれた砲身を本体に接続すると共にバックパックのサブアームを展開する事で射撃形態を取る。
命中率よりも破壊力に重点を置いた武装であるが、射撃兵装を無力化するナノラミネートアーマーの存在もあって対モビルスーツ戦では決定的な打撃を与えるのは難しく、その防御を突き破るにはセンサーや装甲の隙間を狙い撃つか、至近距離からの接射が必要となる。
その為、装備のサイズや単純な威力に反し、専ら遠距離での牽制や相手の姿勢を崩すといった目的で運用される事が多い。
展開初期の設定解説などでは「滑空砲」と誤記載されているがこれは「腔」の字が変換頻度の少ない文字である為に生じた誤植による間違いに過ぎない。
ワイヤークロー
ガエリオの乗るシュヴァルベ・グレイズとの戦闘の折に鹵獲した射出型クロー。
喪失したガントレットに代わって左腕に装備され、第3形態で使用された。
ワイヤーによって接続されたクローを撃ち出す事ができ、これを用いた多彩な運用が可能。
ワイヤーの強度は強く、モビルスーツ一機を牽引しても切れる事は無い。
太刀
テイワズの本部「歳星」のファクトリーで厄災戦時のサルベージデータを元に錬成されたモビルスーツ用実体剣。鞘はなく、バックパックのウェポンマウントに直接懸架される。
当初はグリップ部を剥き出しの状態で用いられていたが、後にバルバトスのマニピュレータに合わせた鍔と柄を装着、運動エネルギーの伝達ロスを最小限に抑える改良が施された。
メイスとは違い装甲の破砕には向かないが、軽量で取り回しが良く、稼働部や装甲の隙間などをピンポイントで刺突する局所攻撃で威力を発揮し、その性質と相まって堅固な装甲を持つグシオンやマン・ロディとの戦闘に於いて高い有用性を示した。
また、本来は刀剣としての切断能力にも優れており、高硬度の刀身にバルバトスの機体出力を上乗せすればモビルスーツの装甲をフレームごと両断する事も可能。
しかし、その真価を発揮するには剣術の「刃を押し当てて引く」動作が必要であり、それまで使用してきたメイスや銃火機類とはその使用感覚が異なる。また、三日月は当初「先が尖った鉄パイプ」程度の認識しかしておらず剣術の類の知識も有していない事から、彼から扱い辛いという印象を持たれており、専らメイスが使用できない状況に於ける予備兵装として使用される事が多かった為、扱いをマスターするのにかなりの時間を要した。
迫撃砲
キマリスとの交戦で損傷した腕部を修理する際に装備された近接射撃装備。クタン参型用のオプションを調整したもので、第5形態で追加された。
砲とは名付けられてはいるが砲身は存在せず、肘に装着された弾頭をそのまま発射して使用する。
使用時には後方にマウントされている砲弾を前方へ向ける事で射撃状態に移行し、発射後は機関部を再度回転させる事で砲弾の再装填を行う。
機関砲
迫撃砲から換装された170mm口径砲。
用途に応じて迫撃砲との換装が可能な装備であり、第5形態地上戦仕様より使用した。
近距離での取り回しを考慮しているため装弾数や飛距離が限られているが、格闘戦の際に砲撃を織り交ぜる事で真価を発揮する。
給弾はコンパクトかつ装弾数に優れるヘリカルマガジンを採用。
大型特殊メイス
ティラノサウルスの頭部を思わせる柄頭の形状をした白兵武装。通称レンチメイス。
モンターク商会から提供された装備の一つであり、地球低軌道での戦闘で失ったメイスに代わり装備された。
それまで使用して来たメイスよりも大型かつ重量があり、純粋な質量兵器としての威力に優れているが、「レンチ」の通称の示す通り先端部には開閉機構が備えられており、強大なパワーで敵を拘束し、圧壊させる事も可能。また、内部には特殊チェーンソーが組み込まれており、拘束した敵をそのまま切断するといった運用も出来る。ちなみにこれも先述のメイス同様に先端部の開閉や特殊チェーンソーの起動をどうやって制御しているのかは一切不明。
しかし、メイスより重い分機体が得物に振り回されてしまう事や機動力のある相手には避けられやすいという欠点があり、最終決戦に於いてはガンダム・キマリストルーパーやグレイズ・アインとの戦闘では決定打に欠く一面も見られ、その結果エドモントンでの戦闘で破壊された。
外部出演
ガンダムVSガンダムシリーズ
Forceより第4形態がGP20で参戦。メイン射撃の高速移動で相手に接近をかける格闘機。
アーケード版ではシリーズ初となる稼働時現行作品からの初参戦を果たしたマキシブーストONではコスト2000で参戦。アシストでグレイズ改を呼び出せる・滑腔砲がサブからメインへ移動など仕様変更を受けた。
後格闘で繰り出せるジャンプしてからの急降下斬り“ピョン格”で相手を翻弄しつつ、隙をついて高速移動で間合いを詰め、バルバトスの特徴であるメイスでの殴打を叩き込んでダメージをとる格闘主体機。
…と当初は思われていたのだが、実は滑腔砲が普通のBRより遥かに誘導が強く、これをひたすら押し付けた方が強いことが判明したため、現在は専ら射撃が優良な万能機として扱われている。
しかし射撃武装が優秀な為か、格闘攻撃は火力・発生こそ良いのだがそれなりだが足を止めての乱舞ゆえに敵相方からコンボをカットされやすく積極的には振っていけない為に流石にワンチャンスの火力では他挌闘機には敵わない。
また、ロック距離は短めで、アシスト含め全武装が実弾のため他のあらゆる射撃で弾が消されてしまう。ビームや弾幕を張れる相手には致命的に相性が悪いので注意。
覚醒技は太刀とメイスで滅多斬りにする乱舞技なのだが、それとは別に相手の格闘を受けたら始動するカウンター技も持つ。後のアップデートでカウンター成立までは何度も使用できるようになった。失敗しても再度の挑戦できるのでご安心を。
PS4のGVSではコスト300で参戦しているが、ストライカーシステム(ガンガンやガンネクでいうモビルアシスト)実装に伴いサブ射撃がグレイズ改から太刀【投擲】に、後格闘が瓦礫攻撃に変更されている。
なお、グレイズ改はストライカーとして選択可能。
後に改修後の姿であるルプスも参戦。
詳細は該当記事を参照。
ガンダムブレイカーシリーズ
シリーズ第三弾となる「ガンダムブレイカー3」より登場。
巨大ガンダム・ビルダーズパーツ載せガンダム・SD騎士ガンダムと共に、同作品のパッケージを飾った。発売当初時点での最新機体だったということもあってか、早期購入者にはこの機体の入手用コードが特典としてプレゼントされている。
第4形態の姿で登場している。残念ながら、肩のパーツを換装したりはできない。従って、第1形態などの形態にもできない。
武装はメイス(ランス扱い)と太刀(サーベル扱い)と滑腔砲(ロングライフル扱い)の三つ。オプション武装はなし。オプション武装どころかシールドもない。そのため、デフォルトで使うには打たれ弱い。Ez8あたりのシールドでもぶんどってくるといいかもしれない。
本作のメイスはユニークアクションである「槌連続攻撃」と「突進射出」が搭載されており、雰囲気出しに一役買っている。前者は三日月らしいメイスのぶん回しによる連続攻撃、後者はメイスのニードル射出機構を再現した特殊アクション。これらのアクションはメイスを直接ドロップで獲得した場合でしか搭載できない。
のちに、DLCで第6形態が登場。
武装は大型特殊メイス(大剣扱い)。オプション武装として機関砲が搭載されている。
レンチメイスの方もユニークアクションがあり、挟み込んで切断するというあのアクションが再現されている。
バックパックは、通常Ver.と大型特殊メイス搭載Ver.の二種類が登場した。
なお、このDLCではこの他に第六形態の腰に搭載されたブースターを再現したビルダーズパーツが追加されている。効果としては一気に間合いを詰める急速ブースト型。
なお、今作にはある意味兄弟機がいるのでパーツを拝借するのも悪くない。
立体物
ガンプラ
1/144
最速放送前日に「HG IRON-BLOODED ORPHANS」ブランドで発売された。
この手の1/144立体物では珍しくコレクションシリーズ、ファーストグレード、アドバンスドグレードのような簡易型プラモは一切出なかった。
にもかかわらず発売当初から話題となり全国の各家電量販店や模型店などでは完売が相次いだ。
二ヶ月後には「HGIBO 1/144 ガンダムバルバトス&長距離輸送ブースター クタン参型」も発売。
ガンダム・フレームを模した関節ランナーは「ガンダムフレーム1」が採用。武装はメイスと太刀のみで、滑腔砲は「HGIBO 1/144 MSオプションセット1 & CGSモビルワーカー」、劇中でもよく使われた鍔付き太刀は「クタン参型」から持ってくる必要がある。
オプションパーツに第1形態再現用のガントレット付き前腕や背部延長用アームなどが付属する。
翌年2月には第6形態が発売。無印からの流用はほとんどない大半が新規造形であり、関節ランナーも改良型の「ガンダムフレーム4」が採用された。主に関節の強度上昇と肩と足の接続方法が変更され、これによりグレイズの肩装甲を無改修で取付可能となった。
以後、HGIBOのガンダム群の大半に「ガンダムフレーム4」ランナーが流用されている。
その後プレミアムバンダイで第1~6形態の全形態を再現できるコンプリートセットが発売された(現在入手困難)。上述通り無印と第6形態では形成ランナーからして違うためかバルバトス本体は2体付属する。
限定商品としても発売され、無印は滑腔砲とセットのクリアカラー、ガンダムベース限定のグロスインジェクションカラー、セブンイレブン限定のゴールドコーティングカラーなどが存在する。また、鉄血のガンプラコンテスト入賞者の景品としてゴールドメッキバージョンがプレゼントされたこともあった。
第6形態の方もクリアカラーや、全身半光沢のブラックメッキでコーティングされたアイアンブラッドコーティングバージョンが発売された。
1/100
無印はノーブランド1/100とハイレゾリューションモデルで発売。
どちらもガンダム・フレームが再現され、後者は一部ダイキャストを使った完成品となっている。
ハイレゾはそれだけにとどまらず白装甲はパール、それ以外の色はつや消しメッキという豪華仕様である。
ただしこの2つには致命的な欠点がある。メイスがつかないのだ。太刀と滑腔砲はちゃんと付くのに何故だ。
そのため同スケールのメイスを求めるなら後述の第6形態を買う必要がある。
第6形態も上記無印と同じブランドで発売。ただしハイレゾはプレバン限定となった。
ノーブランド1/100ではようやく無印バルバトス用のメイスが付属。1/100のみならずハイレゾでも流用が可能。
ハイレゾの方は無印でやりすぎたためか装甲にメッキは使われずグロスインジェクションが採用されるようになっている。また無印では破損しやすかったガンダム・フレームの強度も見直された。
2019年12月にはMGでも発売された。
これまでとは違い第4形態のみの再現で、第1形態用のガントレットは付属しない。
ガンダム・フレームのシャフト部分にシルバーメッキを採用し、メイスは刃が分離し小型ブレードになるオリジナルギミックが組み込まれている。
プレミアムバンダイ限定で他の形態にも換装可能な拡張パーツセットが発売された。
限定商品としてはガンダムベース限定でMGのクリアカラーが発売。拡張パーツセットも同様にクリアカラーが発売された。
イベント限定だとMGのチタニウムフィニッシュとアイアンブラッドコーティング、水色メインのリサーキュレーションカラーも出ているが、こちらは専用の拡張パーツセットは出ていない。
SD
なぜだか種類が多く、「SDEXスタンダード」で発売されたわずか三ヶ月後に「BB戦士401 ガンダムバルバトスDX」が出ている。
特にBB戦士はHGIBOでもなし得なかった一般で全形態再現を達成している。
そして2023年10月にはMGSD第二弾での発売が決定。意外とSDとの相性は良いのかもしれない。
アクションフィギュア
第4形態がROBOT魂で発売された。
装甲一体型なのでガンダム・フレームの状態にすることは出来ない。
同様にガンダムユニバースでも発売。
肩の装甲アレンジがハイレゾに似ており、全体的に角ばっている。
余談
「バルバトス」の名はソロモン72柱序列8位の悪魔の名前に由来し、型式番号の「ASW-G-08」もバルバトスの72柱内に於ける序列が当てはめられている。ロボットアニメの主役機としては珍しく悪魔をモチーフとした機体であり、白い悪魔を体現した戦闘スタイルも相まって高い人気を誇る。
また、ガンダム・フレームを持つ機体は「バルバトスを含めて72機が開発された」という設定もソロモン72柱に由来しており、機体名と型式番号の法則は他のガンダムにも共通している。
なお、「主人公と共に成長していく機体」というコンセプトもあって作中では機体の装備変更が頻繁に行われており、第1クールのOPではそれに伴って冒頭とラストシーンのカットで装備がアップデートされていく演出が行われている。
このコンセプトのためか、ガンダム作品としては(特にアナザーガンダム作品としては)珍しく主人公がシリーズを通して機体を乗り換えていない。富野作品以外では大変珍しいことだといえるだろう。
また、表情のあまり変わらない三日月の心情を映す時もあり友人であるビスケット・グリフォンの仇であるカルタ・イシューを追い詰める際には
『溶けた雪がまるで涙の様に機体の顔の部分を流れている』というこの機体を象徴する場面がある。
00の主役一号機にあたるガンダムエクシアは「能天使エクスシア」の名を冠して第一話で空から登場していたのに対してバルバトスは「悪魔」の名を持つ事からか地中から登場しており、これを制作側が意図して描いたかは定かではないが、作品を超えた対比として評価が高い。
関連イラスト
関連項目
ガンダム・バルバトスルプス ガンダム・バルバトスルプスレクス
バルバトス(Gジェネ)…同名のGジェネレーションシリーズの機体。名前の由来以外関係は無いが、シリーズを通してモビルスーツの名前が被る事は稀である。