ガンダム・キマリス
がんだむきまりす
ガエリオ・ボードウィン「この出力!この性能!予想以上だ!ま、それでなくては、骨董品を我が家の蔵から引っ張り出した甲斐がない!」
メカニックデザイン:形部一平
形式番号 | ASW-G-66 |
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全高 | 19.3m |
本体重量 | 31.7t |
動力源 | エイハブ・リアクター×2 |
使用フレーム | ガンダム・フレーム |
武装 |
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パイロット | ガーギン・ボードウィン(初代ボードウィン卿)→ガエリオ・ボードウィン |
厄祭戦末期に建造された72機のガンダム・フレーム搭載型モビルスーツの一機。
戦時中、後にギャラルホルンの中枢たるセブンスターズの一角に加わるボードウィン家の初代当主のガーギン・ボードウィンによって運用された機体である。
戦後は厄祭戦を終結に導いたギャラルホルンの理念の象徴として式典などの行事に使用されてきた為、その存在は広く認知されていたものの、時代の移り変わりと共にその記憶は風化していき、戦後実戦での主だった運用記録は無かった。しかし、ボードウィン家の跡取であるガエリオ・ボードウィンが鉄華団追撃の折にシュヴァルベ・グレイズに代わりこれを乗機とした事で、およそ300年ぶりに実戦投入された。
厄祭戦後は機械化思想の排除が進んだ事でキマリスも機体に搭載されていた阿頼耶識システムは取り外されており、コックピットもグレイズと同系統の物に変更されている。しかし、ガエリオの操縦技術も相まって三日月・オーガスの駆るバルバトスと互角の戦闘を演じる。
キマリスはガンダム・フレーム搭載機の中でも近接格闘戦に特化した機体として調整が加えられており、曲線を多用した外部装甲や上方に突き出た頭部装甲はそのコンセプトと相まって中世の騎士を思わせる。
各部に搭載されたバーニアによって高い推進力と機動力を両立させており、特に宇宙空間での運用に優れ、惑星重力の影響を受ける低軌道での戦闘に於いても高い安定性を発揮する他、脚部装甲内に備えられた高出力バーニアを展開して高機動形態に変形する事で推力の向上や素早い方向転換も可能。
更に特徴的な頭部には高性能センサーが搭載されており、これと各部バーニアを連動させる事で高機動戦闘時に於いてもミリ単位にも及ぶ緻密な軌道修正を行う事ができる。
キマリスはこれらの機能をフルに発揮し、機体その物を弾丸として敵機を粉砕する一撃離脱戦法を得意とするが、高機動形態時の機体制御にはそれ相応の技量を要する上に高機動戦闘時に懐に入り込まれた際の迎撃手段に乏しく、また兵装の運用概念の違いもあって足を止めての斬り合いを不得手とするなど幾つかの欠点も併せ持つ。
閃光弾
敵のセンサーを一時的に無力化する閃光弾。頭部に四門備えられており、主に敵機から離脱する際に用いられる。
なお、キマリスの頭部には自らが放った閃光弾からセンサーを保護する為のシャッターが備わっているが、シャッターでセンサーを遮蔽した場合、センサー感度は70パーセントも低下する。
グングニール
キマリスの全長に匹敵するサイズを誇る大型ランス。そのデザインは中世の馬上槍を模しており、キマリスの象徴的武装として認知される。側面には120mm砲2門が併設されており、こちらは主に牽制目的で用いられる。
加速による運動エネルギーと機体の質量を上乗せした突撃はナノラミネートアーマーで防御を固めたモビルスーツや装甲強襲艦に対して威力を発揮する一方で、加速開始から充分な速度を得るには相応の距離が必要となる為、射撃攻撃などで速度を殺されるとそれに比例して破壊力も低下する欠点を持つ。
ガエリオはこれを阿頼耶識無しで使用しているが、阿頼耶識システムを使用した厄祭戦当時の攻撃精度は、ガエリオが使用した時以上の物である事は想像に難くない。
名称の由来は北欧神話に登場する主神オーディンの槍「グングニル」。
コンバットナイフ
リアアーマーにマウント可能な折り畳み式の大型ナイフ。
地上や海中での戦闘を想定して開発された装備であるが、足を止めて斬り合う戦闘はキマリスとしては不本意な状況であり、速度を得られない状態や懐に入り込まれた時の予備兵装的な意味合いが強い。
ガンダム・キマリス(ブースター装備)
バックパックを長距離飛行・低軌道戦闘を想定して専用に開発された「キマリスブースター」へ換装した状態。
キマリスブースターは惑星重力圏内であっても高い機動力を維持する事ができる程の推進力をキマリスに付与し、グングニールによる一撃離脱攻撃を更に強化する。
バーニア部はフレキシブルに可動する為、機体の姿勢制御や方向転換等に支障はきたさない。