概要
マクギリス・ファリドと敵対する覚悟を決め、ヴィダールの仮面を外したガエリオ・ボードウィンに併せてガンダム・ヴィダールとしての偽装を解いたガンダム・キマリスの真の姿。
この形態は宇宙空間での運用に重点を置いたものであり、厄祭戦当時の運用記録も残されている。
機体の制御機構はヴィダールに引き続き阿頼耶識システムtypeEを使用しており、ガンダム・フレームの戦闘能力をフルに発揮する事が可能。
偽装の解除に伴い、キマリス本来の突撃槍による戦闘スタイルを復活させており、それに加えて刀やドリルニーを始めとする多彩な兵装の追加による格闘戦能力の強化が行われている。また固有周波数偽装用のリアクターも取り外され、代わりに背部にはボードウィン家の紋章が描かれたサブアーム付きのシールドが増設された。
カラーリングはこれまでのキマリスと同様に白と紫を基調としているが、脚部周りや武装はヴィダールの様に黒を主体に彩られており、他のキマリスのバリエーションと比較して異彩を放っている。
機体データ
型式番号 | ASW-G-66 |
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全高 | 19.5m |
本体重量 | 34.5t |
動力源 | エイハブ・リアクター×2 |
使用フレーム | ガンダム・フレーム |
武装 |
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パイロット | ガーギン・ボードウィン(初代ボードウィン卿)→ガエリオ・ボードウィン |
武装
ドリルランス
キマリスヴィダールの主兵装となる大型ランス。
キマリストルーパーのデストロイヤー・ランスと同じく尖鋭化されていないが、先端部に回転機構を設ける事で貫通力を高めている。
歴代キマリスが使用したランスと同様に基部の上下に2門の200mm砲を備えており、遠距離戦にも対応する他、左右にはダインスレイヴ用のレールガンを備えており、シールド裏の特殊KEP弾用弾倉を連結することで発射体制を採る。
ドリルニー
膝部に追加された回転式パイルバンカー。使用時に大型ツイストドリルが迫り出し、ドリルランスの突撃を掻い潜ってきた敵の迎撃に用いられる。
ツイン・リアクターの高出力から来る脚力とドリルの貫通力が合わさる事により、グレイズはおろかヘルムヴィーゲ・リンカーの重装甲をもたやすく穿つ程の威力を有する。
刀
モビルスーツのフレーム材にも用いられる稀少金属を用いた専用の刀。
刺突にも斬撃にもそつなく使えるよう、刃は鋭利に研磨されている。
非使用時には左腰にマウントされる。
シールド
キマリスヴィダールのバックパックにサブアームを介して接続されているシールド。
広い可動範囲によって様々なポジションでの防御が可能な他、ドリルランスと接続することで突撃時の姿勢安定にも一役買っている。
裏面にはダインスレイヴ用の特殊KEP弾の弾倉と補助動力ユニットが備えられている。
KEP弾頭の装弾数は左右合計で八発。
ダインスレイヴ
劇中未使用。
ドリルランスとシールドを接続することで使用可能な電磁投射砲(レールガン)。
弾丸の装填から投射までの一連のプロセスを単騎でこなす事ができる。
外部作品への出演
ガンダムVSガンダムシリーズ
エクストリームバーサス2の初解禁機体として参戦。コストは3000。
VSシリーズでは各タイトルの初解禁機体は壊れという法則があるが(マスターガンダム、バンシィ、ガンダムサバーニャなど)その前例に漏れず、誇張抜きに近づけば死ぬという凄まじい性能になって参戦した。
メイン射撃はガンダムキマリスと同じマシンガン。強武装その1。最大20連射4hitよろけ。集弾性も良くよろけが取りやすい。ミリ殺しも相手を動かすもなんでもござれ。
サブ射撃は特殊KEP弾を使用したダインスレイヴ。強武装その2。この機体最大の特徴であり、これをhitさせたのちのセットプレイが非常に強力。構えに射撃ガードあり。当たると強制ダウン。誘導はほぼ無いが弾速が早い。そしてヒットすると鈍足効果11秒(?!)。サブでダウンさせられたあと機動力が下がった状態で起き攻めを仕掛けられると逃げられない。強制ダウンを奪えるので格闘コンボ中にサブで早めに締め離脱することも可能。ダウン追い討ちでも鈍足効果は付与される。加えて他の実弾はビームが当たると破壊されるのだが、ダインスレイヴは照射ビームも突っ切る。なんだこれ。ただし、弾数は8発のみでリロードはされない。また、覚醒でリロードも不可能。撃ちきった後はドリルランス投擲になり、著しく性能が落ちる。
特殊射撃はアインの阿頼耶識を使用した特殊移動。各格闘にキャンセル可能。使用時&キャンセルした格闘は機体が赤く光る。一定の距離で使用すると誘導を切りながら後に回り込む。
特殊格闘はレバーN(ニュートラル)、横、前後の三種。強武装その3。メインからキャンセル可能。全て射撃ガードあり。射撃ガードの大安売りである。
レバーNはドリルランスを持ち回転しながら突進する。通称ベイブレード。発生は若干遅いが回転部分全てに攻撃判定が有り巻き込み性能が高い。最終段が強制ダウンで、突進する関係上最終段だけヒットしダウンが取れることも。
レバー横はレバーを入れた方向に弧を描きながら刀で切り抜ける。横回転の特殊ダウンなのでそこから格闘に繋ぐ、サブ射撃で鈍足を付与する、放置するなど多くの選択が可能。始動に使うも良し、追撃に使うも良しの万能格闘。
レバー前後はキマリス特殊格闘と同じようなモーションのピョン格。hit時バウンドダウン。動きのアクセント、あがき、格闘の〆など幅広い使い方が可能。
格闘も高性能なものが揃っている。射撃始動でも各格闘・派生を上手く使えば250↑のコンボが可能。
N格闘はよく動き火力も高い万能格闘。最終段はバウンドダウン。前派生、後派生、特殊射撃派生が可能。実戦で使用できる状況があるかは不明だがN格闘出し切り×2で300ダメージが出せる。(?!) なんならN格闘出し切り→サブで290↑である。
前派生はガンダムバルバトス系の前進しながら攻撃する格闘。後派生は完全に足を止めてドリルニーで攻撃する高火力派生。特殊射撃派生は使わなくても差し支えない。
横格闘は平凡な格闘。N格闘と同じ派生が可能。N格闘に隠れがち。
前格闘はウイングガンダムゼロのようにダウン拾い属性を持っている。ダウン追い討ちサブ射撃1が使われがちだが覚えておくと助かる場面がある。
後格闘は格闘カウンター。43話でガンダムヴィダールがガンダムバルバトスルプスレクスに対して行った動きの再現。成立すると後ろに回り込み蹴りを入れる。ここから各格闘に派生可能。特殊射撃と同じく機体が真っ赤に光る。カウンター発生中は棒立ちする。シュール。
覚醒技は最終決戦のラストシーンを再現した乱舞攻撃。火力も高い。
…このように武装のほとんどが強力で、初解禁機体の名に恥じない性能に仕上がっている。
射撃シールド付きピョン格(前後特格)で着地の隙を誤魔化しつつ、マシンガンをばら撒きながら間合いを詰め、特殊射撃の高速回り込みに射撃シールド効果付きのさまざまな斬撃を繰り出す特殊格闘といった近距離の各種押し付け武装を叩き込めば並の機体はスクラップにされてしまう。その格闘火力はすさまじく前述のとおり素でも300オーバーのダメージ、この脅威の火力に全国のプレーヤーを戦慄させた。
とはいえ、流石に強すぎたのか、後のアップデートで弱体化修正を施されメイン射撃は最大12連射に引き下げられ射程も短縮されてしまった。それでもまだ近づかれたら死ぬ機体として環境上位機体の1体として存在した為、2019年2月28日のアップデートにて耐久値の減少、メイン射撃が最大10連射、サブ射撃1(ダインスレイヴ)の鈍足効果時間の調整、各種格闘のダメージ調整など二度目の弱体化修正が施された。鈍足からのセットプレイなどはしにくくなった。が、依然として持ち味や強力な武装は変わっていないので弱体化されたといっても気を緩めずに対戦に臨もう。
弱点を挙げるならば足回りが重めな所と遠距離戦は不得意というところか。
対策はきちんとステップなどの回避行動をし、安易な着地は見せない、格闘の範囲内に入らないように心がけること。低コスト機体はタイマン状況に持ち込まれないように相方との連携を常に意識すること。また、高コスト機体は低コスト機体が相方の場合きちんとキマリスヴィダールのロックを引くようにしよう。低コストに対応を任せるのは基本的に御法度である。
ゲーム全体の調整として地上でのステップが下方され、この機体もピョン格での着地の隙の誤魔化やブースト回復テクがやりにくくなっていたのだがその補填(?)なのか、特殊射撃の特殊移動からあの全て射撃ガード付き特殊格闘へのキャンセルルートが追加。高速移動しながら射撃ガードで相手を吹っ飛ばすという本作でもトップクラスの攻めを行える高コスト機体となった。メイン射撃のマシンガンの連射量も鈍足武装の持続時間も多少強化された。流石に強すぎたのかレバーN特殊格闘が下方されたが依然脅威。
そんな中、2023年12月26日に武装を一新。レギンレイズ・ジュリア呼び出しが追加された他、特殊射撃の特殊移動から特殊格闘派生としてドリルランスと刀回転斬り乱舞(旧特殊射撃派生)が出せるようになる。他には特殊格闘の回転斬りはレバー前に移動、新たにレバーNにSA&射撃ガード付きの突きが出せるようになった。
とはいえ、マシンガンで隙を作り、機動力デバフor射撃ガード格闘を差し込み盤面を崩すという戦闘スタイルは変わらない。ただし『耐久値の低下』『特殊移動からの各特殊格闘へのキャンセルルート削除』『機動力低下デバフ持続時間短縮』と、下げられるべきところは下げられている。
VSシリーズに近いゲームシステムを持つ、中国のガンダム争鋒対決にも参戦している。
性能は本家VSシリーズとそこまで大差がないものに仕上がっているが、覚醒技は強制タイマンの一騎打ちモードという原作におけるマクギリスとの決闘を再現した非常に独特なものになっている。
このモードに突入すると双方はロック切り替え不可となり、他機体の攻撃干渉も不可という文字通りのタイマンモードに突入する。
決闘時には原作でビームを無効化するナノラミネートアーマーの再現でビーム攻撃無効、阿頼耶識中は機動力が大幅に向上し接近戦をねじ込みやすく、ダウン中にダインスレイヴで鈍足を付けるなどキマリス自体のタイマン性能も強化。ダメージ量で勝敗が決し、勝つと攻撃力や機動力などの性能が向上しその後の勝負の流れを有利に進める事が出来る。
機体同士の相性差が大きく出てしまう為に本家のVSシリーズでは再現が難しい原作要素を、上手く再現したこのゲームの特徴を代表する機体の一つ。
Gジェネレーションシリーズ
最新作である「SDガンダム GGENERATION CROSSRAYS」に登場。
キマリス系の最終到達機でありラスボスポジションに恥じぬ強さを持つ。
遠近両用機だがダインスレイヴが強力なため遠距離戦寄りと言える。
今回ではキチンと真のパイロットと言えるアインを乗せることが出来る。
原作での所属組織の如くダインスレイヴ発射台として働かせる方が強い為
「武装の殆どがデッドウェイト」、「ダインスレイヴ運用のレールガンとシールドさえあればいい」
という皮肉が現実の物となってしまった。
余談
シールド裏の装備は大型ガトリング砲を搭載する予定であったが、ダインスレイヴを見た形部一平氏がキマリスヴィダールへの搭載を希望し、それが叶った形となっている。
関連イラスト
関連項目
ガンダム・キマリス ガンダム・キマリストルーパー ガンダム・ヴィダール