概要
テレビアニメ放送中に『冒険王』(秋田書店)の付録『冒険王コミック文庫』に掲載された漫画版『機動戦士ガンダム』のこと。
当時、彼の家にはテレビが無く、サンライズから設定資料を渡されて描くこととなった。その結果、出来上がったものは1stガンダムのキャラで機動武闘伝Gガンダムをやったようなノリのスーパーロボット漫画であった。
原作との相違で有名な所を挙げると
- 全体的に設定ミスが多く、宇宙空間をジオン水泳部が動き回ったり作中でそのキャラが全く搭乗していない機体に乗っていたりする。
- ザクもガンダムも平気で地球の空を飛びまわり、ムサイまで何の説明もなく空に浮かんでいる。太陽炉でもあんのか。
- ガンダムがボタンを押しただけで勝手にパンチを放ち、ザクをぶっ壊すという超オートマ設計。
- 「ガンダム、ゴー!!」
- ジオン軍のMSの装甲があまりに貧弱。まあ原作でもずっこけて戦車とぶつかっただけで爆発したりしてたけど。
- いくらミノフスキー粒子があるからといって、戦闘がことごとく超接近戦ばっか。レーダーが全く役に立ってない。
- その戦闘シーンもだいぶゴチャゴチャしていて、パースが狂ったりすることも多い。
- アムロが全体的に喧嘩っ早く、どっちかっつーとカミーユかシンに似ている。少なくとも原作では「くそっしょうがねえな」「ざまあ見ろ!」「ちっこんどは赤い彗星抜きかい!!」「満足に寝させてもくれねーのかよ」「ちくしょ~出せよブライト何のつもりだ~!」なんて言う子ではないし、どんなにキレてもテレビを叩き割ったりはしない。
- そのせいかガンダムの戦い方も物凄い格闘特化。シャア専用ザクの羽交い締めを振りほどいて無理矢理ビームサーベルを抜いてザクをぶった切ったり、グフに両手を縛り上げられてもアメリカンクラッカーみたいに振り回して頭上でゴッツンコさせて破壊したり、ギャロップを投げたりしている。
- それ以前にムサイのメガ粒子砲を受けてもびくともしないなどガンダムの装甲があまりに頑健(中のアムロはさすがに驚いていたが)であり、ダメージを負ったのはラストのジオング戦だけ。まあ、これは原作でもそんな感じだった(ザクの動力炉の核爆発を零距離で受けてピンピンしているなど)が、だからといってビーム兵器に耐えるのはやりすぎ。
- ブライト・ノアに白目がある。
- サイド7がシャア率いるジオン艦の攻撃で破壊しつくされる。
- シャア・アズナブルがミョーに小物っぽい。「やったぞ、サイド7の最期だ」「悪く思うなよガルマ、お前の戦闘を最後に手助けしたおれは英雄になるのだからな」など。
- ガルマ・ザビの国葬が余りにも安っぽい(詳細:ザビ家邸の庭園に国民を無造作に立たせて上階テラスで演説するギレンと一族)
- シャア専用アッガイ。
- グフの量産体制が原作より早く、ランバ・ラルがホワイトベースを奇襲したころには既に量産化されている始末。
- ラルがブライトの誤射でそれはそれはあっさりと死ぬ。しかも断末魔は「げっ!!」。
- 連載版のラスボスがまさかのマ・クベ専用ゾック。
- 原作が打ち切られたため最終回も明らかにソードマスターヤマト。内容も詰め込まれ過ぎており、黒い三連星編なんて丸ごとカットされている。
- マチルダ・アジャンが登場しない。
など。
また、ホワイトベースが宇宙に上がった直後に打ち切られたため、1980年には事実上の続編(最終章)である「劇場版機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編」のコミカライズも描かれた。こちらは原作を(今までに比べれば)尊重した出来になっているが、それでも変な点は多々ある。というか、百歩譲って最終回で戦艦が撃墜されたドズル・ザビはまだしも、乗っていたMSごと真っ二つにされて宇宙に放り出されたマ・クベはどうやって生きてたんだ!?
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ボンボン版F91、ボンボン版Vガンダム:後のシリーズの、似たようなノリのコミカライズ