概要
漫画版『機動戦士ガンダム』(岡崎優)第1話で主人公アムロ・レイが発した台詞。
まずアニメ『ガンダム』を全然知らない人の為に説明すると、この第1話は「平和なはずのスペースコロニーに、敵国ジオンのモビルスーツ(巨大機動兵器)ザクが攻めてきたので、アムロが偶然父親の開発していたモビルスーツRX-78-2ガンダムに乗り込んで戦う」という話であり、それは漫画版においても(ちょくちょく変な所はあるが)逸脱してはいない。
ジーン機の顔のパーツをもぎ取るガンダム | ジーン機を両断するガンダム | デニム機を爆発させずに倒すガンダム |
その初戦闘のシーンにおいて、アニメ版では
- ジーン(敵パイロット1)のザクに組み付いて顔のパーツをもぎ取り、ジーンのザクは尻餅をついて仰向けにぶっ倒れる。
- ガンダムのパワーに怖気づいたジーンのザクが逃げようとした所で、後ろからジャンプし、ビームサーベルでぶった斬る。ジーン機は爆散。
- その核爆発(コロニーに穴が開いてしまう)に驚いたアムロは、コロニーを破壊しないよう、襲い来るもう1機(デニム機)のザクのコックピットだけを貫いて倒し、爆発を阻止した。
という、かなり複雑な殺陣が行われた。
話を漫画版に戻すと、ただでさえ専門用語や世界観解説が非常に多いこの1話では、アムロがガンダムに乗り込み、やっとこさ起き上がったあたりで掲載紙面の殆どを使い切ってしまい、もう残りは5ページくらいしかないという状態に。
ここで鬼才・岡崎優がとったネームが、
- ザクが目の前までいる事に驚いたアムロが、武器を探そうとする。
- しかし見つからない、ヤバいどうしよう!
- 「ええい、このスイッチだ!」と叫んで適当にボタンを押す
- 直後にガンダムの鉄拳がザク2機を貫通して大爆発!
という、凄まじくスジを省略したわずか4ページでの瞬殺劇であった。
この、原作ではまず見られないというかゴッドガンダムか何かかと問いたくなるような殺陣は、多くのアニメ視聴者の腹筋にスレンダー搭乗ザクさながらにビームライフルを叩き込み、岡崎版を語る上では欠かせないネタとなった。
以降も岡崎版では原作では見られないククルス・ドアン顔負けのステゴロが目白押しであり、前作『無敵鋼人ダイターン3』(岡崎は本作からの続投)を思わせるハデな格闘戦が見られる。そもそも当時はリアルロボットのノウハウなど無かったんだから、こうなるのは火を見るよりも明らかであったが。(ちなみに岡崎はダイナミックプロ出身である)
第一「ボタンを一個押しただけで敵を自動的にロックオンし、踏み込みも加えて殴り倒す」という鉄人28号もビックリのオートマチックすぎる設定は流石に無理があったのか、岡崎版においても後半では原作同様にセイラ・マスが動かすのに四苦八苦するという描写が描かれた。
そんな機体をボタン1押しで動かすとは、さすがはニュータイプと言ったところであろうか。(F91の時代では単に「MSを練習せずに乗りこなせるような人」がニュータイプと呼称されてたし)
関連タグ
なぐりあい宇宙:後にアニメ版のアムロも武器が尽きたガンダム(の最新鋭機)で宿敵シャアの乗った機体をボコボコに殴りまくり最終的に体当たりで崖にぶつけて倒す事になろうとは、当時誰も知る由は無かったのである。
GUNDAM0079TheWarForEARTH:残念ながらこのような簡単操作が行えなかったせいでオールドタイプのプレイヤーが地獄を見る作品。