「抵抗分子に白いモビルスーツか、ガンダムの再来とでも言うのか!」
CV:北島淳司
人物像
ザンスカール帝国の士官で、階級は大尉。
クロノクル・アシャーの士官学校時代の先輩で、指揮官・パイロットとしての腕はそこそこはある。
初登場は第7話。
表向きはクロノクルに対し部下の前では呼び捨てにするよう促すなど好印象な人物であるが、真の本性は非常に残忍。
当初からトムリアットで構成されたMS隊を率いて「ピピニーデン・サーカス」と呼ばれる見事な連携フォーメーションでウッソ・エヴィンを苦しめ、自身はサポートに回って的確な指示を出すと呼ぶと聞こえは良いが、裏返せば相手が子供であろうが複数の戦力で少数の相手を一方的にリンチする戦法を好み、それを目の当たりにしたオリファー・イノエからも「なぶり殺し」と非難されていた。同じく謀反を狙っていたゲトル・デプレは相手が子供だと知ると一旦攻撃を止めたため尚更際立つ。
彼の残忍な人間性はウッソを数の暴力で追い詰める光景を楽しむキーラやリガ・ミリティアの情報を吐かせた民間人を証拠隠滅のために全員射殺したルペ・シノ、アーティ・ジブラルタルのマスドライバーを壊しても平然としているクワン・リーなどピピニーデン隊の人員そのものにも表れている。
その残忍さの根端はザンスカール帝国のトップに立つ事への強い野望の表れでもあったが、非道な作戦を繰り返した事で蓄積したルペ・シノの内に秘めていたストレスを見抜けないなどと女心を軽視している一面もあり、そこが自らの転落を招く一因ともなった。
物語中盤以降はアドラステアとほぼ同時期完成したアドラステア級戦艦「ラステオ」を中心に構成されたラステオ艦隊の司令に就任し、地球クリーン作戦に参加。
ここで彼の残虐性はピークに達し、戦局的にはザンスカールに一方的優位だったにもかかわらず配下のゴズ・バールを使いウッソの母ミューラ・ミゲルを人質として盾にする作戦を行ったため、その卑劣さからクロノクルに愛想を尽かされてしまう(いずれにせよこの話を最後にピピニーデンとクロノクルが交わる事はなかったが)。
その後のエンジェル・ハイロゥ攻防戦においてはザンスカール軍の前衛を任される。
この時エンジェル・ハイロゥの強大なパワーを利用して配下のルペ・シノと共にフォンセ・カガチへのクーデターを企んでいたが、タシロ・ヴァゴがカガチ側に就いたとされる対応を取ったために計画に帳尻が合わなくなり、さらにはルペからさえも陰で「つまらない男」と評されていた事に気付いていなかった。
第42話では部下の制止を振り切り、士気向上のためにヘルメットを被らないままラステオの格納庫からモビルアーマーのビルケナウで出撃しようとするが、直後に帰還してきたルペの乗っていたブルッケング(ルぺ自身はこの直前に戦死していたが、どうやってここまで漂流することもなく辿り着いたのかは語られていない)に衝突されコックピットを潰されて死亡、そのまま遺体も機体ごと道連れにされる形で爆散するという最後を迎えた。なお、ラステオもこの巻き添えを受けて爆沈し、艦隊もそれに巻き込まれて壊滅してしまった。
その出撃直前に口にした「椅子を尻で磨くだけの男で終わるものかよ!」は有名だが、結果がこれである。ちょうど彼はコクピットに座ったところだったので、座る椅子が変わっただけで結果は同じだったようだ。
結局のところピピニーデンはカガチを出し抜くつもりが、クーデター成功のために一芝居打っていたタシロの方が一枚上手でまんまと彼のクーデターに利用されただけの末路だった。
なおスーパーロボット大戦Dでは、あるマップでピピニーデンを撃墜すると強化パーツを落とすのだが、落とすパーツがまさかの「リニアシート」。彼の尻で磨かれたものなのかは不明。富野節が炸裂している言い回しが「イスを暖めるだけ」に変えてあるため、彼の尻で暖まった椅子…なのかもしれないが。