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「地球連邦軍という体制に反逆しているのは我々だぞ!真のガンダムなら我々と手を組むはずだ!」


CV:立木文彦

概要編集

ザンスカール帝国のベスパの軍人。階級は大尉。乗機はゾロ。初登場は第5話。

ラゲーン基地所属のMSパイロットで、ワタリー小隊を率いるスキンヘッドで髭面の厳つい黒人男性。

ベスパ内では「『騎士道精神』を掲げている」として知られていた。

小隊隊長として、バクー・チーディ・トランプの両名の部下を率いていたが、前者は戦場での見苦しい行為に失望してMSを撃墜、後者は捕虜となったカテジナに狼藉を働こうとした上に、それを止めに入ったクロノクルに暴言を吐いた為に自身の手で「粛清」という形で射殺している

この行為に対してクロノクルから「これが騎士道か?」と問われた際には「(騎士道は)所詮は理想」と平然と答えている。

しかし、実際は自身の手で部下を殺してしまった事実を悔み、そのきっかけとなったVガンダムに憎悪を燃やし、それに挑み苦戦させるものの敗北。Vガンダムのパイロットが年端もいかないウッソ・エヴィンだった事を知るや、「まだ、(普通の男の子として)遊んでいたい年頃だろうに……」と衝撃を受けてしまう。


そして「こ、子供が戦争をするもんじゃない……。こんな事をしていると、皆おかしくなってしまうぞ……。そうなる前に、モビルスーツを降りたほうがいい……」と、【子供が兵士として戦争に参加している】残酷なる現状に嘆き、手榴弾で自害した。

皮肉な事に戦争をし続けておかしくなった子供(未成年)は後に本当に登場する事になる。

しかもそれは自軍であるザンスカール帝国側から輩出されている。


結果的にワタリー隊は交戦したウッソではなく自分自身含めて全て感情のままに動いたワタリー本人の手で殺害されているという自滅に等しい全滅のし方をしているのだが、上述通り誘拐したカテジナとオイ・ニュング伯爵をラゲーン基地行きのトレーラーまで送る物語上とても重要な役割を果たしているため決して無駄死にではない。


人物像編集

一見すると自他に厳しく真面目で実直な職業軍人だが、自身の期待や思想にそぐわない小隊の部下を自身の手で粛清してしまう等、独善性や偏狭さを窺がわせる常軌を逸した部分が強く、更には『騎士道』を掲げていながらも「所詮は理想」と切り捨てる言動から、胡散臭い部分も感じられる。

その一方で、この常軌を逸した自身の行いを深く後悔したり、子供が戦争に参加している状況を是としない良識も描かれており、かなり矛盾した両面を併せ持つ。

これ等の言動から鑑みると、自身の『弱いが故に優しい本心』を『戦争』から守る為に、分かり易い美辞麗句にすがって誤魔化し続けているように見える(そのような無理の反動が、上記にある『部下の粛清』に繋がったと思われる)。


本質編集

自らが掲げる「騎士道」なるものが、最早時代遅れの産物になってしまった事実を自覚できないまま(あるいは目を逸らしながら)部下の醜態や狼藉や子供が戦場に出る等の理不尽な現実の前に絶望。

部下殺しの実行後は自暴自棄となってしまったのか、ゲリラ戦術をウッソに仕掛ける。

この戦闘では

・撃墜された僚機の残骸を囮に不意打ち

・咄嗟にVガンダムが構えたビームライフルを即時攻撃し破壊

・ビームサーベルで応戦しようとしたところを素早く打ち払い、機先を制する

・防御しようと展開されたビームシールドの欠陥を突いて無力化

と素晴らしい戦闘技量を披露するも敗北した。

『自らの理想である「騎士道」を貫こうとするも、身も蓋もない理不尽な現実の前に敗北してしまう哀れな軍人の姿』を

富野監督が最大限の皮肉を持って描いたキャラクターとも解釈できる。

そしてそれらはベスパの軍人たちに見受けられる「一個人としては良識や常識を備えながらも本質的には常軌を逸した存在」の一例とも言える。

ウッソからも発言の矛盾を叫ばれており「こんな事をしていると、皆おかしくなってしまう」という言葉を体現しているとも言えよう。

関連タグ編集

機動戦士Vガンダム ザンスカール帝国

ファラ・グリフォン ゲトル・デプレ クロノクル・アシャー

バクー・チー ディ・トランプ

ウッソ・エヴィン カテジナ・ルース

クランク・ゼント


必要悪…カテジナに狼藉を働いた部下を粛清しているため。

哀しき悪役鬼の目にも涙…ウッソに「子供が戦争をするもんじゃない」と泣きながら諭して自害しているため。

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