カタログスペック
全長 | 16.1m |
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本体重量 | 10.9t |
全備重量 | 21.8t |
ジェネレーター出力 | 5,960kW |
装甲材質 | ハイチタン合金ネオセラミック複合材 |
スラスター総推力 | 93,740kg |
概要
ベスパがゾロアットに代わる次期主力機候補として試作した、宇宙用高性能モビルスーツ。試作機の型式番号はZMT-S14S。
"contio"とは旧世紀の共和制ローマで行われた市民集会を指し、この集会は政治に民衆の声を反映させるために、政治家がローマの民衆に対して演説を行う集会だったそうだ。
これが本機の名前の由来かどうかは定かではないが、もしこれが由来だとしたら「ギロチンによる恐怖政治を敷く帝国軍」のMSに「民衆の声を反映させる集会」の名前が与えられるという痛烈な皮肉が見て取れる。
…おい、だから逆から読むのはやめろって。
ジェネレーター出力、スラスター推力、アポジモーター数といった各基本性能は既存の機体を大きく上回り、リガ・ミリティアが中核として運用するVタイプをも圧倒する。
更に固定武装として、胸部にはジェネレーター直結型の3連ビーム砲、両肩には有線式攻撃端末「ショットクロー」を採用しており、単純な攻撃力の高さのみならず、二基の端末を用いての簡易的なオールレンジ攻撃も可能となっている。
攻守にわたって隙の無いハイスペック機であり、次期主力機として生産性にも一定の配慮がなされている優秀な設計だが、性能に比例して要求される操縦技術が高く、充分に対応できるパイロットは少なかった。(劇中、テストパイロットによるテスト中に、コロニーゲートに激突して破損してしまった試作機も見られた。)
このため次期主力機の座は操作性と運動性を両立させたリグ・シャッコーに奪わる事となった。
しかしながら、エース級パイロット用に少数が量産配備され、特にエンジェル・ハイロゥでの最終決戦では、クロノクルのリグ・コンティオ率いる『コンティオ戦隊』が地球連邦軍の旗艦ジャンヌ・ダルクを事実上撃沈するという大きな戦果を挙げている。なお、この量産機の型式番号はZM-S14Sとなっている。
そのシルエットとカラーリングによって、ウッソからは「カニもどき」と呼ばれた。
武装
ビームライフル
試作機の特殊な形状のビームシールド(後述)に合わせ、後部ストックの短い専用ライフル。
胸部ビーム砲
半固定のジェネレーター直結型3連ビーム砲。胸部という装備位置のため、射出方向は前面に限られるが、各ビーム砲口は独立して角度を変更できるため、目標に合わせて3条のビームを収束・拡散して射出可能。
特に収束射撃については、各砲門に搭載された索敵用ビーム3本で空間を走査、察知した敵に対し1点集中する事により、爆発的な破壊力を発生させるシステムが備えられている。
この胸部武装の都合で、コクピット位置はやや上部(首元近く)に、搭乗口は頭部後方に設置されている。
ビームサーベル
大腿部上面に各1基ずつ格納されている。
外観は通常のビームサーベルだが、発振部が左右に展開する事で刃元が広がったループサーベルと呼ばれるジャマダハルのような形状をとる事も可能。
更にこの発振部は小型スラスターを持ち、グリップ部と有線接続されているため、射出・コントロールによる中距離遠隔攻撃端末としての機能も有する。
これにより、下記のショットクローと合わせて、(パイロットの技量が足りるならば)自機のみで4方向(本体胸部ビームも合わせれば5方向)からの包囲攻撃が可能になる。
ビーム内蔵式ショットクロー
両肩部にそれぞれ1基ずつ有線接続された、攻撃端末。
射出せず肩に接続されたままビームキャノンとしても運用可能だが、有線で本体から分離し、かつてのインコムの様に敵機の死角から攻撃も可能である。
砲身は開放バレル式を採用し、上下バレル根元に稼動軸、先端部内側にビーム刃発生機を設置する事で、カニの爪のように敵機を“噛み砕く”機能も装備されている。この噛み砕きは、敵機の四肢のみを破壊するのに適しており、宇宙世紀0120年以降の『(大気中・コロニー内では)敵機のジェネレーターを爆発させずに行動不能にさせなければならない』という、制約下で有効に機能する。
更にバレルを展開しない場合は、端末前方に向けて大型のビームソードを発振でき、先述した様に射出せず肩に接続したまま「第三・第四の腕」として阿修羅のような近接格闘を行うモーションも有するなど、多岐にわたる用途を有した高性能ユニットである。
ただし、各機能を状況に併せて使いこなす判断力と操作技術は、非常に高度なものが要求されるため、本機が少数生産に留まった最大の理由にもなっている。
ビームシールド(試作機仕様)
前腕の袖口周りに一体化する形で装備されている。
シールドを使用しながらライフル他の武装による攻撃が可能な設計となっており、単純な防御においても既存の一般型(前腕側面に装備)と比較して、動作が簡略できるメリットがある。
しかしながら、次期主力機コンペに敗れたため、量産機はゾロアットの部品を流用したタイプに変更されている。
ビームシールド(量産機仕様)
発生機の位置が、前腕側面に変更されている(機体外観としても、発生機のスリットが袖口から側面に変化している)。
ゾロアット同様、ビームが機体前方にやや鋭く広がるため、咄嗟の攻撃のためにも利用できる。