スペック
頭頂高 | 15.0m |
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本体重量 | 9.7t |
全備重量 | 26.5t |
ジェネレーター出力 | 4,550kW |
装甲材質 | ガンダリウム合金セラミック複合材 |
スラスター総推力 | 120,760kg |
武装 | バルカン砲×2、ビームライフル、ビームサーベル(ビームガン)×2、連装ミサイルランチャー×2、メガビームバズーカ×2、ビームバルカン×2、携行式ビームシールド |
概要
ガンダムF90の3号機+Yタイプ装備。F90ⅢYとも。メインパイロットはウォルフ・ライル。
未完成だったF90の3号機を基に、Yタイプ(ヤングスタータイプ)のミッションパックとされるコア・ブロック・システム実現の為に建造された。
F90の3号機として「F90Ⅲ」とも呼称されており、一般にクラスターとF90Ⅲは同じものとされる。F90Ⅲは それ以前の2機と違う構造から「X」「Y」「Z」タイプの専用ベース機とする説もある。
特徴としてはコアファイターをホリゾンタルインザボディ方式で採用している事が挙げられる。これはシルエットフォーミュラ計画への対策(アナハイムへの情報漏洩を阻止するため)と言われていたが実際には副次的な理由に過ぎず、「鹵獲されたF90Ⅱ号機の脱出装置が整備不足で使用不可だった事」「Ⅱ号機がOMに流出、改修されて敵機となった事」が本来の理由であった。
F91、F90Ⅱと同じくバイオ・コンピュータに交換されており、M.E.P.E.を発生させた。
余談だが、物語の最後にウォルフの上官が「いつの日か・・・・コアファイターそのものがガンダムとよばれる日がくるかもしれんな・・・・」という予測を立てており、一部のファンからはVガンダムのコアファイターがそれに該当すると言われている。
事実として本機のバリエーション「F90Y改 試製トップファイター」はVガンダムとの中間を意識したデザインである。
コアブロックシステムは後続機であるF97に援用され、主兵装メガビームバズーカは宇宙戦国時代に同系統の兵装が活躍するほどのロングセラーとなった。
電撃ホビーマガジン2005年7月号の連載企画U.C.アーカイブ プレビューではクラスターガンダムと共にコロニー内で2機のコアブースターが飛翔するテスト風景が掲載されており、この事からクラスターガンダムは3機分の機体が存在する可能性が示されている。
機体構造
コアファイター(コアブースター)
本機のコアファイターには機体の主管制コンピュータ機能が集約され機体データをコアファイターに蓄積する形を取っているといわれている。またMS側と連動する機体認証システムが搭載されておりこれによって万が一機体を放棄して脱出してもMS本体の制御システムなどはロックされデータ解析や鹵獲運用が出来ない様になっている。
バックパックと一体式であるネオガンダムとは違い、MS胴体内部に収納される。超小型となっており、戦闘機というよりは移動可能な脱出ポッドといえる。コックピットが大部分を占めるため、ジェネレーターではなく大容量コンデンサで稼働する仕様である。一説ではミノフスキーフライトを搭載しているとされるが詳細は不明。
MS用のバックパックはコアファイターの一部ではなく、オプションパーツ扱いとなっており、コアファイターと接続してコアブースターになる。
バックパック部にはロケットブースターとサブジェネレーターを搭載しており、MS本体との連動・出力増加のほか、コアブースター時の長距離移動にも活用される。メインジェネレーターはF90同様脚部に1基ずつ搭載、サブジェネレーターとコンデンサとの併用で高出力を発揮する。
武装はビームサーベル兼ビームガンのほかに文字設定には記載されていないが二基の垂直尾翼基部に連装ミサイルランチャー(2連×2基の計4基)と思しきデティールが存在している。
ハードポイント
F90としてのハードポイントはコアブースターを兼ねるバックパックを除いて全て残されているが、機体形状が変わっているため一部装着できない装備もある。特にAタイプみたいなメインが背部装備であるミッションパックの運用は厳しいといえる。
ただしバックパックはノーマルのF90タイプのものも装備可能とされている(プラモでは不可)。
なお、バックパックが分離型となっているのは、バックパックそのものをオプションとすることで本体の拡張性を高めることと、バックパック無しでの(AMBACのみでの)運動試験も検討されていたからなのだとか。
武装
メガビームバズーカ
クラスターガンダム用の高出力射撃兵器。系譜的にはF90Aタイプ用の「メガビームバズーカ」の改良品。改良点として弾倉部を従来のEパック式から大容量メガコンデンサ式に変更し固定弾倉式にしている。
F91より後に完成した本機にはF91開発時の技術が逆輸入されており、本装備の機関部と左右の腰部ハードポイントへの接続で機体から直接エネルギー供給を受ることでヴェスバー並の出力にもなる(この仕様はF97以降のMSにも採用されている)。
また、その威力と独特の構え方から、交戦したクロスボーンバンガード兵からはラフレシアとの交戦で大破されたはずのF91と誤認されたりもした(漫画版の題名「F91の亡霊」はここから来ている)。
その後、メガビームバズーカはザンスカール戦争時には連邦軍に正式装備として採用されるなど、高い評価を得ている。ただし普及版はハードポイントなどのコネクタ関連がオミットされており、高出力ビームの発射が不可となっている。ただしスペースは残されているためハードポイントを復活させることは可能。
携帯式ビームシールド
ビームシールドは連邦軍からのオーダーで「既存のビームライフル用の出力回路で使用可能なビームシールド」を発注された為、マニピュレーターからのエネルギー供給コネクタが設置されビームライフル用の回路と出力で使用可能な物となっており、手持ち式となった事で展開範囲の自由度が増している。従来のハードポイント接続コネクタも装備されており、接続する事でより強力なビームシールドの展開が可能となる。またハードポイント接続時に基部左右のユニット(バリアインコム)を展開することでビームシールドの面積を広げることができる(これはF90のミッションパックの一つを基に開発したもの)。基部の強度もコーティングにより通常のシールド以上に強固となっている。一説にはビームシールド以外の機能を搭載する予定だったらしいとのこと。
その他の武装
ビームライフル・サーベルはほかの武装類と異なり実験的要素は薄く、既存の改良型を使用する。
ビームライフルはF91に装備しているものの改良型でセンサー類とコンデンサー関連の改良で命中精度と連射機能が強化された。
ビームサーベルは先述の通りコアブースター部であるY型仕様バックパックにビームガン兼用型として装備されているため標準オプション装備扱いとなっている。
頭部には2対4門の明確なバルカン砲の砲口デティールが存在するが上下のいずれの砲門が実体弾かビームなのかは不明。一説にはユニット構造で口径の異なるバルカンの交換が可能、とのこと。
バリエーション
F90Y改 試製トップファイター
冊子「模型情報」169号の裏表紙に掲載された軽戦闘機。プロトタイプ・トップファイターと表記される事も。
MS用頭部を埋め込んだクラスターの上半身を軸に、ロケットブースターとコアファイター機首部分で挟み込んだような機体。
初出の資料には設定らしい設定はないが、大河原はリガ・ミリティア系に繋がるかもしれないと言及している。推測になるがベスパのゾロ系にもここで培われた技術が援用されている可能性がある。
関連イラスト
関連タグ
機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91
F90 F90 3号機 F90Ⅱ
関連機体
ジェムズガン、ジャベリン、ガンイージ:後に本機のメガビームバズーカを装備した機体。
ネオガンダム:同期のAE側機体。直接の関連性はないが機能面で似通う面もあり、両社の技術が同水準に達したといわれる。