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ジェムズガン

じぇむずがん

ジェムズガンとは、TVアニメ『機動戦士Vガンダム』に登場する、地球連邦軍の制式量産機(RGM系列機)としては初の第二期モビルスーツである。初登場は11話。
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カタログスペック編集

頭頂高14.5m
本体重量7.1t
全備重量16.3t
ジェネレーター出力3,860kW
装甲材質ガンダリウム合金セラミック複合材
スラスター総推力66,810kg

概要編集

アナハイム・エレクトロニクス(以下、AE社)が開発した15m級の量産型モビルスーツであり、地球連邦軍が制式採用する機体。

型式番号RGM-119はロールアウトした宇宙世紀0119年とジムから続く制式採用機の型番を合わせた事を表している。

(証拠としてコスモ・バビロニア戦争に於いて、既に先行量産された7機が月面で運用された資料が残されている)


ヘビーガン後継機として開発された機体であり、AE社初の量産型第二期モビルスーツ

開発当初においてヘビーガンの後継機として技術系譜の延長線上に則る設計と成っていた。

だが宇宙世紀0111年の次期主力機コンペティションによる小型モビルスーツ開発の出遅れを取り戻す為に、設計を一から見直し次世代全領域対応モビルスーツとして再開発される事に成る。


そして開発された機体はヘビーガンと一見大差無い様に見えるが、小型・高出力ジェネレーターを搭載の上大幅な軽量化に成功。その勢いで次世代の象徴とも言えるビームシールドの搭載にも成功した。

このジェネレーター及びビームシールドの製造技術はヘビーガン設計時におけるAE社には無かった事から、宇宙世紀0112年にAE社が秘密裏に実行したシルエットフォーミュラ計画の恩恵が大きいと推察される。


だが大本のフレーム設計ヘビーガン(更に言えばジェガンJ型)からの流用で有った為、新型ジェネレーターを搭載したにもかかわらず出力は致命的に低い物で有った(採用した現場から、作業用モビルスーツを意味する「モビルワーカー」と揶揄される程)。

その低さも相まっての宇宙での運用評価の低さを受け、生産ラインの同一構造フレームを地上用と宇宙用高機動機の二機種に分けて開発するという計画に変更、ジェムズガンを地上用限定として配置転換される経緯と成った。

そして後者の機体が後にジャベリンとして制式採用される事と成り、主力から外された本機は生産を一時停止する事に成った。


それでもRGM系列機として(ジェガンの基本設計を踏襲している事も幸いし)堅牢な構造と高いメンテナンス性を有している。

その為多少の改造によって厳しい環境下での運用にも耐えうるという堅実かつ信頼性が高かった事から、宇宙世紀0153年頃まで連邦軍の機体として運用され、その後も一部地域での運用がされている(下記)。

しかしロールアウトから30年以上が経過したその頃には改良こそされているものの完全に旧式化しており、警備や作業目的に運用されるケースが殆どと成ってしまった。

特に大気圏内(1G環境下)における長距離飛行機構(ビームローター等)を装備していない事も相まって、ザンスカール帝国のMSには対抗出来ず一方的に撃墜された。そもそも空を飛ぶ事すら出来ない戦闘バイク、ガリクソンにすらあっさりやられていたので最早「次元が違う」とも言うべき戦力差で、スージィからは「やられるのを待ってるみたい」と呆れられた程だった。


……だがそれでも本機の配備されている部隊はまだマシな部類で有り、サイドによっては未だヘビーガン、場所によってはジェガン・タイプを運用させられていたとされる。

これは宇宙世紀0130年以降の地球連邦政府は広がり過ぎた人類圏に対して弱体化が著しく、加えて軍備予算も獲得出来なく成っていた為である。

(但し地球連邦軍全ての兵力を総括した場合は(主に物量の力により)未だに地球圏最大の軍事組織に君臨しているという事実は変わっていない)。


宇宙世紀0160年以降もマイナーチェンジを繰り返しながら運用し続けていたが、下記の通り「宇宙戦国時代」の影響で技術衰退を起こした結果、(この時代での)ハイスペックMSとして返り咲く事と成る。新規に量産された機体も僅かながら存在するが、機体によってはジャベリンのパーツを流用して生産された、との記事もある。それ以降は新規のRGM系MSフリーダムが開発・量産されるまで運用され続ける事と成る。


尚、漫画作品である『機動戦士クロスボーン・ガンダム』シリーズにも時系列が一致するため登場しており、此方ではロールアウトからの年代経過が短い為木星帝国所属のMSに善戦している。ジェムズガンはクロスボーン・ガンダムシリーズには必ずと言っていいほど登場しているシーンが有り、この作品での雑魚MSとしての地位を守り続けた。



武装編集

頭部バルカン砲編集

地球連邦軍機の通常装備。

両側頭部に1門ずつ内蔵している。


ビームライフル編集

地球連邦軍機の通常装備。

センサーサイトのみのショートバレル式簡易的設計で(0153年としては)出力も低め。

リガ・ミリティアのスタッフには「もはや役に立たない」という評価を受けた。


ビームサーベル編集

左右のサイドスカートアーマーに収納されている。

運用年代に従い、アイドリング・リミッター機能を標準装備している。

メガ粒子の収束率が極めて高いレベルまで向上しており、あたかも“糸”の様な細さのビーム刃が形成される。


ビームシールド編集

宇宙世紀0150年代ではビームシールドは民間のスペースシャトルにも装備される程の一般的装備。

左前腕に装備される。コネクタの円形が重なった形状は、宇宙世紀0122年にAE社からロールアウトしたシルエットガンダムのそれに酷似している。


アンカーシールド編集

『鋼鉄の7人』に登場。

小型の実体シールドとワイヤーアンカーを組み合わせた、作業用オプション装備。

上記のビームシールド用コネクタに装備する為、此方を使用する場合はビームシールドが使用不可能と成る。



バリエーション編集

初期量産型編集

宇宙世紀0120年〜0125年に配備され、上述のコスモ・バビロニア建国戦争に参戦した7機で、グラナダ守備隊に配備された。

この時点ではヘビーガンGキャノンと同じくライトグリーンを基調とするカラーリングが施され、ビームシールドは未装備の仕様であった。


宇宙艦隊所属機編集

ジャベリンの配備が行き渡るまでに、ヘビーガンと共に宇宙艦隊に配備されていたタイプ。

スラスターとアポジモーターを換装したモデルの生産が行われていたともされる。

伝統のジムカラーに塗装されていたが、少数が艦隊儀礼用の機体とされていただけである。


コロニー守備隊機編集

各サイドの防衛用に配備されていたタイプ。

宇宙世紀0130年頃まではライトグリーンを基調とした塗装だっだが、それ以降はかつてのコロニー内戦闘用のジムコマンドに採用されたカラーリングに変更された。

また他にも「インド地区配備機」「アマゾン地区守備隊」のカラーリングが存在する。

本編に登場する機体のカラーリングは、「当初はヨーロッパ地区配備機の仕様で、宇宙世紀0153年時点では地球上に配備された機体のほとんどがこの仕様に統一されている」とされる。


砂漠戦用編集

型式番号RGM-119D

アフリカ戦線の配備機を改修した性能向上型。

現地仕様の改造モデルであるが、制式番号が別に与えられている。

一般機は通常モデルと外観の差異が少ないが一部の機体は上半身を中心に大幅に改装され、マッシブな形状と成っている。

当時の連邦軍では珍しい実戦部隊であるAAAA(フォーアベンジャー)隊の所属機で、リガ・ミリティアのブルーバード隊の協力を得てベスパの進軍を食い止める。

またリガ・ミリティアに参加し、リーンホースJr艦長を務めた連邦軍のロベルト・ゴメス大尉も過去にAAAA隊に所属し当機に搭乗していた。


ジェムズガン改編集

漫画作品『機動戦士クロスボーン・ガンダムDUST』に登場。

型式番号CRGM-119

連邦の特殊部隊キュクロープスが、宇宙世紀0160年代に運用しているジェムズガン。

当該時代設定では長く続く『宇宙戦国時代』の影響により技術退行が生じているが、ジェムズガンは第二期MSとしては低性能で有った事が逆に幸いし、キュクロープスにおける一線級モビルスーツとして運用されている。

それでもビーム兵器に対する信頼性の低下により武装は実弾メインと成っており、シールドも実体型に戻っている為、総合的な戦闘力としては低下しており同部隊運用モビルアーマーのハンブラ-Bと連携して運用されている。

頭部カメラアイがキュクロープス特有の一つ目カメラアイに換装されていたり、ネイビーブルーに塗装されているという事も有って既存のRGM系列とはやや異なる印象を受ける。


ショートショルダー編集

センシティブな作品

型式番号RGM-119[SS]

機動戦士クロスボーン・ガンダムDUSTに登場するジェムズガンの現地改修機だが区別のため型式番号が登録されている。

名前の通り肩幅を狭められている機体だが、これは空間の狭いコロニー内部での治安維持・・・・という名の暴動鎮圧を目的としている為である。

暴徒鎮圧の為に手の甲には対人バルカン、コロニー内部で使うには過剰とも言える威力のショットガンを装備しているが、これは反連邦の機運に沸き立つ市民への恫喝と威圧を目的としている為である。則ち、モビルスーツでは無く生身の人間を相手にする事を前提とした機体なのである。おまけにこの機体の改修費用には、本来であれば難民支援に使われる筈で有った予算が宛がわれた。



ジェムズガンSS改編集

型式番号CRGM-119[SS]

連邦の特殊部隊キュクロープスがショートショルダー用の生産ラインを復旧して、ジェムズガン改を改修した機体。

これは通常のジェムズガン改より、冷却効率や防弾性能に優れているショートショルダーの方を採用。

頭部が一つ目カメラアイとカラーリングを除けば一般機と変わりはない。

武装はビーム兵器を標準搭載していないが、実用性重視の新装備《ヒート・セラミック弾を放つハンドキャノンやヒートナイフ等》を多数装備する。





関連動画編集


余談編集

搭乗パイロットの恵まれなさ編集

第二期MSの宿命として、ジェネレーターにビームが直撃した場合は甚大な核爆発が生じるため大気圏内・コロニーでの運用には充分な配慮が必要である。

だが劇中では不用意にトムリアットビームライフルでの攻撃を行うジェムズガンがおり、ジュンコ・ジェンコがそれに激怒している。

これは当時の地球連邦パイロットの練度の低さを示す事例で有った。

しかしそこから時代が進み、技術退行を起こした宇宙戦国時代では特殊部隊であるキュクロープスの専用機として運用されており、今までの運の無さを取り返す様な活躍を見せている。これは(技術退行の恩威こそあるが)パイロットの腕次第では新型機に十分対抗出来る事を意味していると言えるのだ。


デザイン編集

RGM系列後期の量産型MSであるが、デザインは石垣純哉氏が行った。


立体物編集

出番がほぼない機体だが、地球連邦軍の希少なMSという事も有ってかガンプラは当時1/144が発売された。

配色に白が多いデザインなのもあって、本体を構成するランナーはバックパックとVフレーム部分以外白となっており、少ない赤色はシールで補う形となっている。


関連イラスト編集

シュラク隊の防壁



関連項目編集

機動戦士Vガンダム

機動戦士ガンダムF91 シルエットフォーミュラ91

旧型機編集

ジェガン ヘビーガン

兄弟機(宇宙戦闘用)編集

ジャベリン

リガ・ミリティア編集

ガンイージ Vガンダム

その他編集

シルエットガンダム 機動戦士クロスボーン・ガンダム ジムシリーズ 量産機

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