概要
航空機メーカーであったピアジオが、第二次世界大戦後の復興期イタリアにおいて民需転換する目的で開発された小型スクーターである。その基本的な設計コンセプトは航空技術者のコラディーノ・ダスカニオ(Corradino D'Ascanio)によるもので、従来のオートバイや既存のスクーターにおける既成概念を破却した、極めてユニークな構造を持っていた。
元々はベスパ(vespa:スズメバチ)という名前の由来にもなった甲高い2ストロークエンジン+ハンドシフトによるマニュアルだったが、欧州の排気ガス規制基準(ユーロ・エミッション)への適合から、2000年代以降に登場したベスパは4ストロークエンジン+オートマ(Vベルト式CVT)の組み合わせを採用するようになった(50ccは2ストローク)が、外観やスチールモノコックボディ、前輪片持ちサスペンションといったベスパならではの伝統的特徴は継承されている。
また、ベスパをオート三輪化して1948年に登場したアペ(ape:ミツバチ)も2ストロークエンジン+ハンドシフトによるマニュアル+前輪片持ちサスペンションといったベスパの特徴を2020年代に入っても50ccモデルで継承している。
登場作品
グレゴリー・ペックが演じる新聞記者とオードリー・ヘプバーンが演じるアン王女が、ローマ市内を125ccに乗って見物するシーンがあり、日本でも愛好家が増えた。
P150Xが主人公・工藤俊作の愛車として登場。ブーム再燃のきっかけとなった
ハルハラ・ハル子が、180ss(Super Sport)に乗る。
葵井巫女子が白のビンテージモデルを使用しており、後に戯言遣いが譲り受ける。
主人公坂田銀時の愛車として登場。物語上での登場は少ないが、アニメのOP映像ではほぼ毎回どこかでベスパを乗りこなす姿を見せている。