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ベスパ150TAP(Vespa 150 troupes aéroportées)は、1950年代にフランスで開発された軍用バイク。

概要編集

Troupes aéroportéesと付くように、空挺部隊向けに機動力と強力な火力を付与するために開発されたものである。

イタリア製のスクーターベスパ150」に、アメリカ製のM20 75mm無反動砲を載せたもので、原則として砲を搭載した車両と、弾薬を運搬する車両の2台1組で運用された。

車体には、車体後方からステップ-レッグシールドに至るまでを囲む補助フレームが装着され、射撃の際は前輪脇の左右にあるスタンドを立ててから射撃した。

とはいえ、この使い方は照準が上手くできない点を考えると明らかに現実的ではなく、射撃位置に着いてから砲を一度降ろしてから付属の三脚に載せて射撃するほうが有効だった。


M20無反動砲はHEAT弾(成形炸薬弾)が使用できたため、文字通り「対戦車スクーター」として対戦車戦も一応こなす事ができた。但し貫通能力はRHA(均質圧延鋼装甲)換算で100mm程度と戦後の主力戦車を"仕留める"には些か不安があった。とはいえM20自体の有効射程は移動目標で900m、固定目標であれば1300mを超えたため、対戦車戦以外でも様々な使い道があった筈である。

  • M20無反動砲は朝鮮戦争でも使われたが、ソ連T-34戦車に対しては分が悪かったという。
  • M20 3.5in スーパーバズーカは本体が6.5kg程で、貫通能力は最大でRHA 280mm。但し、有効射程は移動目標に対して200m弱となる。

珍兵器という言葉を形にしたような代物だったが、それでも少なくとも500台以上は製造されているあたりある程度は期待をかけられていた事が窺える… が、元がスクーターで砲は第二次世界大戦の頃からあるものなので、勢いで作ったと言っても説明が付きそうな台数という気もするが…

余談編集

  • 残念ながら走りながら射撃することは出来ない。マンガではよく撃ってるのに…
  • 基台となるスクーターがイタリアで開発されたことは既に述べたが、ベスパ150TAPに使われたものは、フランスのACMA(Ateliers de construction de motocycles et d'automobiles)でライセンス生産された物だった。

関連項目編集

ウェルバイク 偵察用オートバイ 自走砲

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