公式サイトでの解説
リンとともにケンシロウの戦いを目撃し続けた少年。ラオウに勝利したケンシロウと別れたのち、逞しく成長したバットはリンやリハクとともに北斗の軍を設立。圧政を強いる帝都軍に反抗する。その後、帝都軍や修羅の国を平定したケンシロウにリンを託されるが、リンはケンシロウと結ばれるべきと考え、あえてリンの記憶を封印。しかし、ボルゲとの戦いで瀕死の重傷を負ったのち、ケンシロウの計らいでリンと結ばれる。
概要
主人公・ケンシロウを追い旅をし続けた少年。ケンシロウとはリンの村で知り合った。
ラオウ編以降も成長した姿で登場。「北斗の軍」の若きリーダーとして、圧政を敷く帝都軍に立ち向かう戦士へと成長する。
少年期
CV:鈴木三枝(TVアニメ版・他)
恒松あゆみ(AC版格闘ゲーム)
浪川大輔(真救世主伝説、リバイブ)
庄司宇芽香(北斗無双)
宮坂俊蔵(北斗が如く)
物語開始当初はリンの村にある牢屋の中に捕らえられており(TVアニメ版ではコソ泥を元々働いており、村に盗みを何度も働いた常習犯として捕まったとされる)、ケンシロウが村人の仕掛けた罠にかかり、水を狙う盗賊の仲間と疑われ同じ牢に入れられた際に知り合った。
ジード襲撃時のケンシロウの超人的且つ圧倒的な強さを見たときは、恐怖の余り思わず失禁してしまったが、「アイツ(ケンシロウ)と一緒にいりゃあ、食いっぱぐれることはねえぜ!」という理由で、以降はケンシロウの旅に同行するようになる。後に二人を追ってきたリンとも再会し、ケンシロウの闘いを共に見守り続けた。
彼の当初の性格は大変狡猾で利己的であり(荒廃した世界では仕方がないことなのかもしれないが)、ケンシロウに対しても「チッ!そんな甘っちょろい性格でよく今日まで生き延びられたモンだぜ!」と嘲笑する場面もあった。ケンシロウの超人的強さを前述通り「メシの種」としか見ておらず、それを利用して水・食糧を持っていそうな人間に介入し、報酬としてそれらを要求するなどしており、己の利益しか考えなかったが、善人・弱者の為に悪党との闘いに身をただ投じるケンシロウの姿に何時しか憧れと尊敬を抱くようになる。心の中では密かにケンシロウを「アニキ」として慕っていたことを物語終盤に吐露している。
一方、ケンシロウからは自身の旅に同行することで二人を危険にさらすことを危惧され、信頼できる人物を見つけ次第そこでの保護を依頼する場面が何度かあったが、その都度二人で抜け出しケンシロウのもとに戻ってきてしまうのが殆どだった。しかし、ラオウとの最終決戦では「おまえたちがこの最後の闘いを見届けるのだ」と、ケンシロウ自らが闘いへの同行を初めて願い出た。
ケンシロウたちに出会う以前は、戦争で親を亡くしトヨという老女のもとで養子として育てられていたが、孤児の中でも年長者で人一倍食べる自分がいては他の子供たちに迷惑がかかるという理由で家出したことが明かされる。後にトヨとは作中で再会するが、ジャッカルの卑劣な罠により絶命してしまう。哀しみの涙にくれるバットの傍らにいたのも、義母の仇を討ったのもすべてケンシロウだった。
その他、滞在するマミヤの村に拳王軍が来襲した際も追手から矢を受けながらも仲間に危機を知らせに現れたり、リンの回想では旅の間に彼女を何度も守っている姿が思い出されるなど、本来は他人を思いやる心優しい少年であることがうかがえる。
アニメ版では「メカに強い」という特技がフィーチャーされ、特に彼の運転する愛車はケンシロウ一行の足として世紀末の荒野を駆け抜けた「戦友」と呼んでも過言ではあるまい。残念ながら物語途中で破壊されてしまい、この時はバットも涙を流して哀しんでいた。
また、ハーモニカを演奏する場面も多い。
青年期
CV:難波圭一(TVアニメ版・他)
岸尾だいすけ(真北斗無双)
浪川大輔(リバイブ)
ラオウが天へ還り、ケンシロウがユリアとともに安住の地を求め旅立った後。成長したバットはリンと共に、圧政を敷く帝都軍に対抗する「北斗の軍」を組織する。乱世に希望を捨てたかつての少年の姿はなりを潜め、一人の戦士として奴隷解放のために戦い続けていた。
帝都からは反乱軍の指導者としてリンともども賞金がかけられ、それを狙う帝都兵や賞金稼ぎからたびたび襲撃を受けていることが語られており、身体には敵の攻撃からリンを身を呈して守った際に付いた傷がいくつもあり、作中では首筋の生々しい傷跡が晒されている。ケンシロウと再会した際は、彼から「男の顔になったな、バット!」という言葉をかけられ、嬉し涙を流していた。
苦楽を長年ともにしたリンに対して恋心を密かに抱いていたが、ケンシロウへのリンの慕情にも昔から気付いており、自身の想いを伝えることはしなかった。後にリンは修羅の国へ連れさらわれ、カイオウにより、記憶を失い初めて目にした者だけを愛するという破孔・死環白を突かれ、意識を失ったまま野に放たれる。修羅たちの餌食になりかけた彼女を守り続けたヒョウからその事情を聞き、彼女の想いを今こそ成就させようとケンシロウに会わせるが、ケンシロウはリンを受け止めることを拒否しバットに彼女のことを託す。
ケンシロウが去った後、バットを慕うようになったリンと結婚式を挙げるが、偽りな愛ではなく彼女の本当の想いを尊重したバットは秘孔を突いてリンの記憶を再び奪い、かつて三人が最初に出会った思い出の場所(リンの村)へと共に旅立つ。なんとか彼女の記憶を呼び覚まそうとする最中、とある経緯で同じく記憶を失ったケンシロウと再会する。このまま二人を結ばせようと彼らを残し立ち去るが、かつてケンシロウに両眼を裂かれ復讐鬼となったボルゲの暴走を目の当たりにし、愛する二人の幸せを守るため、決死の覚悟でボルゲに挑む。
なお、少年期に比べて顔立ちがあまりにも変化していることはファンの間でよくネタにされている。レイやジュウザを彷彿とさせる凛々しい顔立ちのイケメンであるが、帝都のエリアに侵入するつもりが真っ先にバレたり、天帝の幽閉される地下への落とし穴を偶然発見するなど、少年期をおもわせるコミカルな姿を見せることも。
DD北斗の拳
CV:森嶋秀太
核戦争で崩壊しなかった世界のバット。平和な現代日本にて、リンの父が経営するコンビニエンスストアでアルバイトをしている大学生。作中唯一の常識人で、ケンシロウをはじめとする暴走する拳士たちにツッコミを入れる苦労人。
ケンシロウたちと違い二頭身にデフォルメされておらず、原作の少年期より年齢を重ねている印象だが、顔立ちや髪型は少年の頃に近い。アニメ版では、頭部に少年時代のトレードマークだったゴーグルを着けている。
漫画版のあるエピソードでは正月太り解消のためシンの経営するスポーツジムに体験入会したところ原作第2部のような劇画調の姿になってしまったことがある。
北斗の拳イチゴ味
(アニメ版CV:山下大輝)
本作では貴重な、それでいてブレないツッコミ役。リンと共に天然ボケ進行中のケンシロウの保護者を務め、どうしたらいいか分からなくなったケンシロウに的確なアドバイスを送るありがたい存在。たまにボケにブレる他キャラとは違い、最後までツッコミでいられるのは彼だけなので、労ってあげよう。
北斗の拳世紀末ドラマ撮影伝
『北斗の拳』が80年代の実写アクションドラマである本作では子役の安西守が演じている。
演技も上手く将来有望な人物だが、自身が演じるバットの扱いが微妙に悪いことが悩み。
戦闘スタイル
基本的には体術の他にボウガンや剣といった様々な武器を使用して戦うが、ケンシロウに対する憧れや彼の闘いを間近で見てきた影響なのか、経絡秘孔をいくつか使いこなしている描写がある。
帝都のエリアをアインと二人だけで陥落させたり、あのファルコですら苦戦した修羅を不意打ちではあるが一撃で倒すなど、これまで登場してきた拳士たちに負けずとも劣らぬ強さを誇る。
…と思いきや、最終章で野盗・ボルゲに苦戦するなど、その力量はいまいちはっきりしない。
(もっとも、ファルコを苦しめた名も無き修羅に比べ羅将や群将以外の修羅は明らかに実力で見劣りしていたし、ボルゲに敗れたのは自分を片腕に見せかけたボルゲの策に嵌り不意打ちを食らったせいなので力量を測る手段としては心もとないのだが。)
人間関係
- ケンシロウ
初対面はドジって捕まって同じ牢屋に叩き込まれたモノ同士。互いにコソ泥と変な奴。とあまりいい印象は持たず、食いっぱぐれる事もないとついて行ったがミスミを助ける為に飛び出し、わざわざ村まで送って行った事に頭を抱えるなど関係性は良くなかったが、旅が進むごとに信頼しあうようになった。
再会時には彼から「男の顔になったな!」と成長を喜ばれ、彼を実の兄の様に慕っており、修羅の国まで駆けつけるほど。
- リン
旅の仲間。
特に青年期に交流が多く、北斗の軍のリーダー同士として活動。
死環白を突かれた彼女をケンシロウに託され(戦いから遠ざける為)結婚式を行うが、土壇場で「これは偽りの愛であり本当のおまえはケンシロウを愛していた」と告げ彼女の記憶を消し去り、ケンシロウの元へ行かせようとしている。
- マミヤ
レイの死後出番が減ったが青年期で再開。彼女の存在が再びケンシロウを引き寄せてくれるきっかけとなった。
愛するリンをケンシロウに託していいのか?と問いかけ、死を覚悟してボルゲに挑む彼に涙を流し、拷問から救い出す為にはもう彼を殺すしかない。と覚悟を決めバットを道連れに自分も死にに来る。
ボルゲに挑む前に「少しでも友情を感じているなら」と告げられたがマミヤには少しの友情以上の感情があった模様。
- レイ
これと言った交流は無いが、愛に殉じた男の生き様はバットに大きな影響を与え、リンを愛していたのに身を引く事についてマミヤから真意を聞かれた際には「愛する女の幸せを願ってこそ男!」「かつてレイがあんたの幸せを願ったように」と彼の存在を出す程大きな影響を与えた。
- 黒王号
修羅の国でバットを背中に乗せて登場。彼に認められる程の男になっているバットの成長を見せるシーン。
関連イラスト
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