曖昧さ回避
- 北斗の拳の登場人物。本稿で解説
- 世界で初めてスキーによる南極大陸の無支援単独横断に成功した実在の冒険家⇒ボルゲ・オウスラント
公式サイトでの解説
【技】多頭凶蛇棍
かつてケンシロウによって両目を奪われた悪党。ケンシロウに激しい恨みを抱き、彼の名を騙るバットを捕えて壮絶な拷問を加える。しかし、最後はケンシロウに瀕死の重傷を負わされ、バットと刺し違えて死亡した。
概要
「この俺に傷をつけた奴は一生忘れねえ、皆殺しだあっあっあっ!」
北斗の拳原作で修羅の国から戻ったケンシロウが、作中最後に戦った名のある敵。ケンシロウやバットと因縁を持つ。
原作中最後に登場したボス格の人物なので事実上のラスボスに相当するが、TVアニメ版は修羅の国編迄で完結している為、そちらには登場していない。また、痛めつけた相手が本来の力を取り戻した途端、なす術もなく撃退される、そして最期にヒロインを道連れにしようとして阻止されて死ぬと言う北斗の拳の名のあるキャラの中でも有数の醜態を晒したキャラでもある。
こうした条件が重なってか、過去に登場した強豪達と比べて知名度や人気で遅れを取っているらしく、当事典やPixiv上でもPV・作品数などで水をあけられている。が、逆を返せばボルゲがいてこそバットが主役として輝くので(人気は兎も角)その契機としては重要なキャラとも言える(とは言え原作でも5話しか出てないので実質的な噛ませ犬なのだが)。
なお、「北斗の拳」のメディアミックスに関しては、専らラオウとの闘いまでの第一部までが殆どであり、カイオウまでの天帝編・修羅の国編ですらアニメ『北斗の拳2』で登場して以降まともに出て来た作品が1989年のメガドライブ版「北斗の拳 新世紀末救世主伝説」と2000年リリースのアーケード「パンチマニア 北斗の拳2 激闘修羅の国編」位と言う始末だった。おまけに辺境編に出て来たラオウの遺児リュウ(2006年『天の覇王 北斗の拳ラオウ外伝』)はおろか、拳王軍絡みでバルガ(2007年 映画『真救世主伝説 北斗の拳ラオウ伝 激闘の章』)やバラン(2017年『北斗の拳 拳王軍ザコたちの挽歌』)あたりは出て来ていたが、その絡みも無かったボルゲがメディアミックスとして登場するのは、原作での登場から24年の時を経て発売されたゲーム「真・北斗無双」での事だった。
作中の動向
かつて「北斗神拳伝承者を倒せば最強の名声が得られる」と言う理由でケンシロウとバットを闇討ちしたが返り討ちに遭い、目を斬られて光を失った過去を持つ。この時の恨みを糧に、ケンシロウに対して報復を誓う。
時は巡り。ボルゲはケンシロウへの見せしめとして、同じく20年前に傷を付けられた恨みを持つゾルド軍を襲撃し、首領のゾルドを始めとする構成員全員の目をかつての自分と同じく一文字に切り裂き、胸に七つの傷をつけ野ざらしにする。
しかしこの時ケンシロウはさる事情により記憶を失っていた為、以前のように北斗神拳を使いこなせる状態ではなくなっていた。また、バットは「自分の事は忘れて、どうかリンとケンシロウとでに幸せに結ばれてほしい」と言う二人への慕情を抱いていた。
ケンシロウ達に降りかかる火の粉を払うべく、また己の死地を求むるが如く、バットは自身の胸に七つの傷をつけケンシロウの名を騙り、単身ボルゲ一派の前に立ちはだかるのであった。
目が不自由なボルゲはバットの目論見通り彼をケンシロウだと誤認し、狂喜しながら交戦になだれ込む。ボルゲの優れた聴覚を逆手に取るバットの立ち回りで一度は劣勢に追い込まれたかと思われたが、隠していた右腕の剣で不意をつき、左胸を貫通する程の重傷をバットに負わせる。戦いを制した後は積年の恨みを晴らすべく、身体の自由を奪い掘削用と思われる巨大なドリルを胴に打ち込むなどの凄惨な拷問を行う。
バットを見殺しには出来ず不意打ちを仕掛けたマミヤも難なく制圧し、見せしめに彼女から始末しようとする所でボルゲの手下達が派手に吹き飛ばされる。その爆心にはもう一人の七つの傷を負う男がおり、この男こそ真の仇と悟ったボルゲは本物のケンシロウへ矛先を変えた。
依然記憶を失ったままの為、本来の力を振るう事が出来ないケンシロウを出し抜き、馬乗りになり止めを刺そうと胸に刃を突き立てるが、ケンシロウ達を想うバットの慟哭にも似た叫びが辺りに響くと、それが引き金となりケンシロウの記憶が甦る。形勢はたちまち覆り、拳骨ひとつで脳味噌が偏るほどのダメージを受けてしまう。
最期はケンシロウにタコ殴りにされ、止めの秘孔を突かれ身体が破裂。並の敵ならここで息絶える所だがしぶとく生き永らえ、傍らにいたリンを道連れに心中しようとする。しかし満身創痍のバットにより辛くも阻止され、相打ちと言う形で今度こそ死亡した。
実力
両目を失ってからは頭を頑丈な装甲で固め、敵に悟られないよう人造皮膚で覆い隠している。
多頭凶蛇棍(たずきょうじゃこん)と言う名の蛇を模した形状の多節棍を携え、本物の蛇の様な動きで相手を追い詰める。
マントの下にも様々なものを仕込んでおり、右手を隠し隻腕を装っていたほか、肉食の昆虫を思わせる4本の副腕を背後から展開して相手を拘束する場面がある。
また、視力を失ったかわりに聴力が異常に発達しており、微かな物音や反射音などで敵の位置を正確に感知する事ができる。
弱肉強食の世に盲目と言うハンデを背負いながら、少なくない手下達を引き連れ、一つの軍団を壊滅させた事や黒王号にすら認められ修羅の国へ乗り込む程の実力を持つほどに成長したバットを下した上にケンシロウが放った北斗神拳を受けても即死しない生命力と執念を持ち合わせていた事実を鑑みると、北斗南斗の拳士には遠く及ばないにせよかなりの猛者である事が窺え、見せ場が少なかったところが惜しまれるところである。
断末魔?
小悪党キャラの宿命か、彼もケンシロウの制裁を受ける際に奇声を漏らしている。
上述の通り、彼はケンシロウの反撃で即死した訳ではなく、悪あがきの後にバットの手により鎮められている為、厳密には断末魔の叫びと呼べるものではない。しかし乱打を浴びせられるコマから始まりページを跨いで紡がれる一連の呻き声は、一部の読者の胸に爪痕を残しているらしく、ネット上では他の断末魔と同列に挙げられている所も散見される。
それらの発声を繋げると
「ぼげぶげぺぷちゃべ はぶらばら びィえ かぴぶ あぶた びぎょへ!!」